【助産学生へ】実習の不安を自信に変える!現役指導者が教える「準備のポイント」5選
はじめに
今がんばっている助産学生さんへ、当時の自分を重ねて🫶
大学4回生の夏、すべてのエネルギーを注ぎ込んで駆け抜けた助産実習。だからこそ、夏が近づくと当時の記憶が鮮やかによみがえります。
今でも現場で頑張る助産学生さんを見かけると、当時の自分と重ね合わせて「頑張れ!」と心から応援したくなります。
専門誌に紹介された当時の学びに、もっと「実習指導者」の経験をプラスして💡
以前、ありがたいことにメディカ出版さんのブログ記事で、私の「助産実習の準備」に関する内容を紹介していただきました。
おはようございます☺#ペリプリ の@midwife_carey さんによる
— ペリネイタルケア&with NEO (@peri_neo_mc) July 13, 2022
【助産実習前】
これだけ押さえれば大丈夫!
準備のポイント解説が公開されていますhttps://t.co/W89rw6ExAz#ペリネイタルケア#周産期#助産師学生#助産師 pic.twitter.com/htgq4uXAiD
当時、助産実習で頑張る学生さんに少しでもお役に立てればと思ってまとめた記事ですが、今回はその内容をベースに、5年以上の「実習指導者」としての視点をさらにアップデートして実習を確実に乗り越えるための具体的な準備をまとめて、noteにリライトしました👇
📌 この記事はこんな助産学生さんにおすすめ!
何から準備したらいいか分からない
具体的にどんな準備が必要か知りたい
事前に準備しておくことで、安心材料を増やしたい
助産実習の経験を、国家試験や入職後にしっかり活かしたい
分娩介助の流れと根拠を再確認する
実習生だからこそできること。五感で感じ、たくさん吸収する分娩実習の過ごし方👩🎓
「ファントーム(模型)と実際の患者さんは違う」
実習に出て、初めてその違いに気づく学生さんはとても多いです。だからこそ、現場では頭で考えなくても自然と体が動くレベルまで、何度もイメージトレーニングを重ねておくことが大切になります。
1. 「時間の把握」が心に余裕を生む
まずは、清潔野(せいけつの)の展開、ガウンや手袋の装着など、自分のケアにどれくらいの時間がかかるのかを把握してみましょう。
所要時間を知っておくだけでも、実際の場面で心に余裕が生まれます。
2. 「清潔野の展開」を最初の目標に
まずは『清潔野が展開できる』というところを最初の目標にしてみましょう。そこさえクリアできれば、あとは指導者さんに手を添えてもらいながら進めていけば大丈夫です。
自分の両手で児頭(じとう)や会陰(えいん)に触れながら、産婦さんへの声掛け、胎児心拍の音、そして現場の緊張感をリアルに感じてみてください。
3. 「感じる」ことが一番の大切な学び
学生時代は「学び」に100%集中できる特別な時期です。実際の分娩を1つ1つ目で見て、耳で聞いて、肌で感じて、たくさんのことを吸収してください。
実習期間は限られています。私は、この現場のリアルを「感じること」こそが、実習で一番大切な学びだと思っています。
私が実際の実習で指導者として意識していること🌱
実際の助産実習では、指導者として私が意識していることがあります。
安全な分娩介助をサポートする
学内での学びを実践でつなげるサポートをする
受け持ち産婦さんとの関係性作りのサポートをする
そのために、学生さんの知識や技術の再確認のために質問をすることがあります。ここからは、私が実習中に学生さんによく投げかける質問と、その意図や大切なポイントを解説します👇
事前のイメージトレーニングにぜひ役立ててくださいね。
Q1. 児心音の聴取について:CTG装着のタイミングや、間欠的聴取(ドップラー)の頻度は?
赤ちゃんの元気さを確認する心音聴取には、主に「CTGの装着」と「ドップラーで間欠的に聴取する方法」の2つがあります。
分娩進行のどの段階でどちらを用いるのか、またドップラーの場合はどのくらいの頻度で確認するのか、ガイドラインや施設ごとのルール(ルーティン)を把握しておきましょう。
なぜ今、この方法で行うのか」という根拠(エビデンス)を考えることが大切です。
CTG装着のタイミング
・入院時
・破水時
・分娩第2期
・前回のCTG装着から6時間以内
・羊水混濁や血性羊水を認めた時
・間欠的児心拍数聴取(ドプラー)で徐脈、頻脈を認めた時
・分娩が急速に進行してきた時
・子宮収縮薬使用中
・プロウペス使用中
・メトロイリンテル挿入中(用量41ml未満で未陣発の場合以外)
・無痛分娩中
・38℃以上の母体発熱中
・上記以外に産婦が突然強い子宮収縮や腹痛を訴えた場合
・ハイリスクの場合
間欠的児心拍数聴取(ドプラー)では、潜伏期は30~90分間隔、活動期は15~60分間隔で聴取します。「産婦人科診療ガイドライン 産科編2026」では間欠的児心拍聴取は15~90分ごとの監視とされており、施設によって違うので、実習先の施設を確認してください。
Q2. 児心音はどこで聴きますか?
腹部のどの辺りでドップラーやトランスデューサーを当てれば、一番きれいに心音が聴こえるでしょうか?レオポルド触診法などで胎向(赤ちゃんの背中がどちらを向いているか)を事前にしっかりと把握しておくことが、スムーズな聴取の鍵になります。
児心音が恥骨の方に寄ってくると、児頭下降していると判断でき、分娩進行しているというアセスメントの材料の1つになります。
また、後方後頭位などの回旋異常の時は、児心音が聞こえづらい、途切れるということがあります。内診やエコーなどで一度回旋異常はないか確認してみてもいいかもしれません。
Q3. 内診をする時は、産婦さんにどんな声かけをしますか?
内診は産婦さんにとって、強い「羞恥心」と「苦痛」を伴うものです。ただでさえ陣痛でつらい状況にいる産婦さんの心に寄り添い、少しでも緊張を和らげられるような丁寧な声掛けを事前に準備しておきましょう。
内診の目的を伝え、内診指を挿入する時は声掛けや呼吸を促しながら、ゆっくり挿入しましょう。また、1回の内診でたくさんの情報を学びとってもらいたいと思っているので、以下のような質問もします。
Q4. 子宮口や児頭に触れる以外に、内診からどんな情報を得ますか?
内診で分かるのは子宮口の開大度や児頭の高さだけではありません。「胎胞の緊満感(破水の有無)」「産道の硬さ」「児頭の回旋」など、内診から得られる情報はたくさんあるので1つ1つ手探りでいいので意識してみましょう。
私自身、助産実習中に子宮口を探すのがやっとだったので…実際に担当する助産学生さんには、内診所見の正確性は求めません。それよりも「入院時より、子宮口が手前で触れた。胎胞がパンパンだった。」など経時的な変化を見たり、触ったり、自分の手で感じることが助産実習では大切だと思っています。
内診所見は実習指導者さんと所見をすり合わせて、経時的な変化から『正常』か『正常から逸脱しているの』か、そう判断した理由は何か?どんな助産ケアを実施するのか?を考えていきましょう!
Q5. 内診以外(外診など)で、分娩進行を判断する着目ポイントは?
産婦さんの状態を知る方法は内診だけではありません。陣痛の周期や強さ、産婦さんの表情や声のトーン、呼吸の仕方の変化、肛門の開大や排便感の有無など、「五感で観察できるポイント」をたくさん見つけてください。
・児心音の聴取部位
・痛みの部位
・痛みに対する反応
・声
・発汗
・体温の変化
・分泌物
・怒責
・呼吸
・便意、肛門圧迫感
・吐き気、嘔吐
・筋肉の張り
・間欠期の眠り
内診前にナプキンに「ドロ~」っとした粘稠性の産徴が見られると、子宮口が開大していることが多いので、「7~8㎝に開いているかな〜」って内診前に子宮口をイメージしながら内診に挑めるようになります。
先ほど示したポイントの変化を助産実習で見て、触って、感じてきてください。そして、その感じたことを実習指導者さんと話してみてください。新しい発見、学びがあると思います。
Q6. 分娩室にはいつ移動しますか?(分娩室移動のタイミング)
実習施設によって分娩室の数に限りがあったり、陣痛から出産まで同じ部屋で過ごすLDR(Labor/ Delivery/Recovery)だったりと環境は様々です。施設の構造や、経産婦・初産婦の違いによる移動のタイミングをシミュレーションしておきましょう。
・子宮口全開大
・陣痛間欠1~2分で強度の収縮がある
・怒責時に会陰に抵抗がある
・制止しにくい怒責感
・排便感
・粘稠血性分泌物の多量排出
・肛門哆開
・陰裂哆開
・先進部または胎胞の排臨
・外陰部の膨隆または抵抗
・子宮口6~8㎝
・陣痛間欠2~3分で強度の収縮がある
・軽い怒責感
・胎児下降感
・排便感
・肛門圧迫感
・破水
Q7. 導尿はどんな目的で行いますか?
導尿の目的は「膀胱が充満していると、児頭の下降を妨げてしまうから」です。トイレに誘導し、排尿を促すのも助産ケアの1つですが…墜落産にならないかアセスメントが必要です。怒責感が出てきている、分娩第Ⅱ期で歩行が難しい場合は導尿を行うことが多いです。
ここで、私の実習時代の失敗談を一つ(笑)ファントーム(模型)で練習した時は尿道口が分かりやすかったのに、実際の実習では「どこにあるの!?」と尿道口が本当に分からなくて焦ってしまうことがありました。実際はファントーム(模型)のようにいきませんが、ここで尿道口を探すコツをお伝えすると、
まずは小陰唇をしっかり広げること。そして無影灯(ライト)をきちんと付けてもらうことです。見えやすさがガラリと変わり、落ち着いて実施できるはずです。
Q8. 破水したら、どんなことに気を付けますか?
破水したら、内診時に羊水の性状、色、量を確認します。内診所見と臍帯が触れないかの確認も大切です。
破水時にCTGが装着されていれば、波形で児心音の低下はないか確認します。感染リスクへの配慮も含めて、破水が起きた時の動きを復習しておきましょう。
Q9. 肛門保護から会陰保護に切り替えるタイミングは?
初産婦さんなら、鶏卵大くらいに排臨してきたら、
経産婦さんなら、排臨してきた時に行います。
会陰保護に切り替えるタイミングをいつも確認していますが、あくまで目安です。怒責の様子や児頭の下降具合で、早まることもあります。
肛門保護を始めたら、いつでも会陰保護に切り替える準備をしておきましょう。
肛門保護は、会陰が膨隆し、肛門が哆開し始めたら、脱肛予防や清潔野汚染防止のために行います。
それぞれの保護の目的を正しく理解し、滑らかな移行ができるイメージを持っておくことが大切です。
Q10. 怒責(いきみ)はいつまで?どうやって説明する?
児頭の微調整が必要な段階(発露以降など)での、短い呼吸法への切り替えタイミングを確認しましょう。具体的には、後頭結節が外れたら怒責を止めてもらい、短息呼吸を促します。この説明は、清潔野を展開した後の「陣痛の間欠期」に、あらかじめ産婦さんへ伝えておくのが理想です。
ですが、娩出力(いきむ力)に応じて声かけは変わってきます。例えば、経産婦さんなど、娩出力の勢いがある(強い)場合は、安全に分娩介助をする(赤ちゃんが急に飛び出さないようにする)ために、娩出力をうまく調整する必要があります。
最初から分娩台のレバーを離してもらい、胸の上で手を組んで力を抜いてもらう、声を出しながら吐き続けるよう声かけや怒責の方法を調整する必要があります。
💡 助産学生さん「あるある」とアドバイス
実習生さんは分娩介助中、手元に集中しすぎて、産婦さんへの声掛けを忘れてしまいがちです。ベストなタイミングで声を描けるのは本当に難しいと思います。最初の分娩介助では、周囲の助産師や医師の雰囲気に圧倒されて、頭では分かっていても声が出ない場面を私もよく見てきました。
初めての分娩介助で上手に声掛けができなくても大丈夫です!その時は、周りの先輩助産師がどんなタイミングで、どんな風に説明や声かけをしていたか、後からしっかり思い出して振り返ってみてください。
💡 プラスアルファの事前学習のポイント
実習施設にもよりますが、通常のお産だけでなく「誘発・促進分娩」「吸引分娩」「クリステレル胎児圧出法」などの回旋異常や微弱陣痛時の対応についても一通り復習しておくと、実習での理解度がぐっと深まります!
「産婦人科診療ガイドライン 産科編2026」のここを見ておくと実習の時に慌てないという部分をピックアップしておきます👇
CQ404 微弱陣痛による分娩進行遅延時の対応は?
CQ406 吸引・鉗子娩出術、子宮底圧迫法の適応と要約、および実施時の注意点は?
CQ407 羊水混濁の対応は?
CQ410 分娩中の胎児心拍数及び陣痛の観察は?
CQ411 胎児心拍数陣痛図の評価法とその対応は?
CQ412-1 分娩誘発の方法とその注意点は?
CQ412-2 分娩誘発を目的とした頸管熟化・拡張法の注意点は?
CQ415-1 子宮収縮薬投与開始前に確認すべきことは?
CQ415-2 子宮収縮薬投与中にルーチンに行うべきことは?
CQ415-3 子宮収縮薬の増量・投与あるいは減量・中止を考慮するときは?
CQ417 分娩時の血圧管理は?
CQ603 正期産新生児のGBS感染症を予防するためには?
助産実習の前に、目次を見ておいて、実際の分娩介助や受け持ちの患者さんが『合併症妊娠』などあれば、後からガイドラインで振り返って知識を広げると国家試験の対策にもなるのでおススメです💡
実習施設が「無痛分娩」の取り扱いがあれば、「無痛分娩」の事前学習はマストです⚠️
助産過程・助産診断の思考を整理する
実際の助産実習では、受け持ちの産婦さんをリアルタイムでアセスメントし、助産過程や助産診断を展開していくことになります。しかし、この思考のプロセスは、何度も繰り返し実践して初めて身につくものです。
そこでおすすめしたいのが、学校の事例(ペーパーペイシェント)をフルに活用して、事前に思考の整理をしておく方法です。
複数の事例を使ってシミュレーションできるのがベストです。そうすることで、「ここまでは正常」「ここからは異常の兆候かもしれない」と、正常と以上を見極める視点が磨かれます。
なぜ「複数事例」を展開するの?
「複数も事例を展開するなんて、そんな時間ないよ!」と思うかもしれません。しかし、複数の事例に触れることには、実習を圧倒的に楽にするメリットが3つあります。
分娩の「パターン」に気づくことができる
「正常から逸脱(異常)した場合」の展開をイメージできるようになる
入院から分娩第3期までの流れを「時系列」で捉えられるようになる
学内の演習でたくさんの事例に触れる機会があるはずです。それらを単なる課題と思わず、「自分が実際に受け持ちをしている患者さんだ」と思い込んでみてください。具体的な実習行動計画へ落とし込むイメージがぐっと湧きやすくなります。
思考整理の3ステップ🌱
それでは、具体的な思考整理の3ステップを見ていきましょう!
📋 STEP1:情報収集
まずは、学校の記録様式(フォーマット)に合わせて情報収集を始めましょう。次のステップである「助産診断」のときに「あ、この情報が足りない!」と気づいたら、その都度戻って集め直せば大丈夫です。
💡 実習現場でのヒント
実際の実習では、電子カルテ、母子手帳、バースプラン、実際の産婦さん、ご家族の5つの視点から多角的に情報を集めていきましょう。
🧠 STEP2:助産診断
得られた情報から、いよいよ助産診断を行います。基準となる参考書を1冊決めておくとブレません。
(ちなみに私は学生時代『マタニティ診断ガイドブック』をボロボロになるまで使い込んでいました。当時の戦友すぎて、今でも捨てられません笑)
🛠️ STEP3:ケア計画(行動レベルへの落とし込み)
助産診断を「経過診断」と「健康生活診断」に分け、母児が安全・安楽に分娩できるという目標に向けて、以下の3つの計画(O-T-E)に整理していきます。
観察計画(OP)
実は、観察ポイントはある程度「型」が決まっています。私は『実践マタニティ診断 第5版(医学書院)』のp.150、p.154、p.158などをよく参考にしてベースを作っていました。定番のページをあらかじめチェックしておくと安心です。教育・指導計画(EP)
「分娩進行状況の説明」や「分娩経過に応じた呼吸法・補助動作の指導」が中心になります。分娩時期に応じた呼吸法や過ごし方を、事前にしっかり予習しておきましょう。ケア計画(TP)
ここが一番の難関です。計画が抽象的になりがちなので、「具体的な行動レベル」に落とし込む必要があります。
💡 抽象的なケア(TP)を、具体的な行動に変えるヒント
学生のうちは「分娩を進行させるために、助産師としてどう関わればいいんだろう?」と悩んでしまいますよね。そんなときは、以下の視点でケアを具体化してみましょう。
・「分娩の3要素(娩出力・産道・娩出物)」を振り返る
・不安を和らげるために、具体的にどんな「励ましと労い」の言葉をかけるか考えておく
・有効陣痛を促すために、どのようなケア(踏み台昇降やお散歩などの
活動の促し、乳頭マッサージ、ツボ押し、温罨法など)を行うか書き出す
・児頭下降や回旋を促すために、どんな体位(垂直姿勢、アクティブバースなど)を提案するか考える
・産痛緩和のため腰部マッサージや肛門圧迫どのタイミングで導入するかシミュレーションする
・リラックスを促すためツボ押しやアロマをどのタイミングで導入するかシミュレーションする
頭の中で「〇分間隔の陣痛が来たら、産婦さんの腰の〇〇をさする」「このタイミングでアロマを焚く」という行動レベルまでイメージできていれば、実際の現場で迷うことは絶対にありません!
ケアに活かせるミニ知識まとめ📖
ー分娩時に押すツボー
・三陰交(さんいんこう)
【効果】子宮の収縮力を高める働きがある、和痛効果がある
【場所】内くるぶしの指4本上
・合谷(ごうこく)
【効果】陣痛を誘発し分娩を促進する
【場所】手の甲の親指と人差し指の骨の間
・次髎(じりょう)
【効果】陣痛を誘発し分娩を促進する、和痛効果がある
【場所】仙骨にあるくぼみ
・腎兪(じんゆ)
【効果】和痛効果がある
【場所】ウエストラインの背骨から指2本分外側の左右
・太衝(たいしょう)
【効果】和痛効果がある
【場所】足の親指と人差し指の間をかかと側に向かってなぞり、へこんでいる部分
ー産痛緩和やリラックスを促す方法ー
・呼吸法
・好きな音楽を流す
・弛緩法(ストレッチ)
・腰部マッサージ
・足浴(アロマ)
・ツボ押し
・カイロやホットパックで温める
温安法は火傷に注意し、腰部や下腹部の産痛部位を産婦さんに確認しながら行いましょう。くわえて、会陰部位も温めることで会陰の伸展を促す効果があります。
ーアロマの効果ー
陣痛を促す:ジャスミン、ゼラニウム
産痛緩和:イランイラン
リラックスを促す:ラベンダー
リフレッシュ:ペパーミント
嘔気がある時や陣痛室でアロマを使用する場合は、配慮が必要です!アロマは、用途に合わせて上手に活用しましょう!
ー母体疲労がある、体力温存する方法ー
・水分補給を促す
・食べやすいものを選択し、エネルギー補給を促す
・疲労や眠気がみられる時は、休める環境を作る(消灯や人払い)
・陣痛を評価し、陣痛促進について検討
ケア計画(TP)を行動レベルに書き出すと、実際の助産実習での行動はイメージできましたか?
⚠️ 実践する上での大切なアドバイス
分娩進行や産痛緩和のために、たくさんの「ケアの引き出し」を持っておくことはとても素晴らしいことです。
ただし、あなたが「このケアをしたい!」と思っても、実習施設によって実施できる環境やルール(許容範囲)が異なる場合があります。また、そのケアがいま目の前にいる受け持ちの産婦さんにとって本当に適切かどうかは、必ず現場の指導者さんや助産師さんに事前に相談し、アドバイスをもらいながら進めていってください。
知識を確認できる「お守り」を作る
実習中にすべてを覚えている必要はありません。ビショップスコアや波形レベルなど、すぐに確認したい数値をまとめた自分用のポケットマニュアルを作成しましょう。ガイドラインの重要ポイントを挟んでおくだけでも、大きな安心材料になります。
実習現場でも、多くの助産学生さんが自分で工夫したマニュアルをポケットに忍ばせて活用しています。
📌 お守りマニュアルに入れたい内容
・ビショップスコアの基準表
・胎児心拍数陣痛図(CTG)の波形レベル分類
・産婦人科診療ガイドラインの重要ポイント
💡 時間がない人のための「お守り」作成テクニック
「メモ帳に一から手書きでまとめる時間なんてない!」という学生さんも多いと思います。そんなときは、以下の方法で賢く時短で作るのがおすすめです。
①参考書をカスタムする
『マタニティアセスメントガイド』や『マタニティ診断ガイドブック』などの愛用書に、必要な資料のコピーを直接貼り付けてしまいましょう。
②内診用の「目盛り」を仕込む
参考書の端やメモ帳の表紙に、あらかじめ1cm刻みの目盛りを振っておくのが隠れたおすすめテクニックです。内診時に「〇cmってこれくらいかな」と視覚的にサッと確認できるようになります。
③SNSの便利ツールを活用する
ペリプリの仲間のまんまる*助産師さん(@manmaru_jyo_sun)のイラスト図解も、実習の事前準備や振り返りにとても分かりやすくておすすめです!こうした信頼できる図解資料をポケットに挟んでおくだけでも、大きな安心材料になりますよ。
あらかじめ重要ポイントをギュッと詰め込んだ自分専用のマニュアルがポケットにあるだけで、実習中の心強い味方になってくれます。
指導者との「報連相」を味方につける
皆さんの実習指導者は、イメージは?
怖い😱と思う方もいるかもしれませんが、皆さんの敵ではありません。
指導者さん側も実習に対して「学生さんのフォローをしながら、母子の安全を守らないといけない」と緊張しているということを頭の片隅に入れて置いてください。だから、少しピリピリした雰囲気のこともあるかもしれません…でも、指導者もかつては助産学生として辛い実習を乗り越えてきた経験があるので、辛さや厳しさを分かっている分、応援したいという気持ちがあります🌱
指導者側も緊張しているので、お互いが気持ちよく実習できるように大切にしてほしいことがあります。それは「相談のタイミング」です。
まず、実習指導者に報告・相談・連絡(報連相)してほしいタイミングは👇
・朝の情報収集後
・内診や助産ケアを行う時
・異常なサインに気づいた時
・休憩に入る時
また、朝の挨拶の時に伝えてほしいのは👇
①分娩介助が何例目なのか(介助例数)
②前回の分娩介助での課題は何か
③今回の分娩介助の目標
「体調管理」と「ストレスコーピング」を知る
実習は想像以上に体力を消耗し、メンタルも揺さぶられます。
当時、「この実習を乗り越えられるかな。終わりが見えない…」「一生懸命ケアしたけど、緊急で帝王切開になっちゃった…」「記録が溜まってきて、思うように進まなくてイライラしてしまう」……そんなことばかり考えていました。
夜間のオンコールもあったので、心身ともにヘトヘトでした。
ただ、支えてくれる仲間や学校の先生に悩みを聞いてもらったり、オンコールがない日は1時間だけ実習帰りにカラオケに行ってリフレッシュした思い出があります。
今振り返れば、自分なりの「ガス抜きの方法」を複数持っていたことで、最後まで実習を走り抜くことが出来たな〜と思います。なので、ここからは実際に行っていたストレスとの向き合い方をご紹介します👇
情緒的な対処法
ストレスの原因そのものに働きかけない方法です。いわば現実逃避です(笑)逃げていても課題は解決しませんが…向き合うのが辛い時があります。
私の場合は、実習記録が追いつかないまま分娩介助例数が進んだ時に強いストレスを感じました。実習が終わって、学生室や帰宅した時にずっと頭の中で『記録』『記録』…ってグルグルしていた時、現実逃避でカラオケに1時間だけ行ったことがあります。
「カラオケ行ってる場合?」ってツッコまれそうですが…カラオケって時間指定されるので、時間を決めて気分転換できるのでおススメです。
歌う以外にも大きな声で普段言えないことを吐き出しまくりました…マイクを使って(笑)
カラオケじゃなくてもいいので、少し現実から離れて気分転換する。時間を決めてリフレッシュする方法を見つけておくことをおススメします。
助産実習以外にも国家試験の前や入職後、ストレスが大きくなりやすい時期は今後も必ず訪れるので…自分なりの対処方法を見つけておくことをおススメします。そして、複数のストレス解消法・緩和法を持ち合わせているとストレスと上手に付き合っていくことができます。
認知的な対処法
情緒的な対処法(現実逃避)と正反対です。ストレスや課題と直接向き合います。例えば、『記録』が溜まっているなら、『記録』するっていう当たり前の話になっちゃうのですが…
ここでは考え方のクセに偏りがないか、自分の考えを見つめ直す方法を紹介します。
ストレス反応を強める考え方のクセには以下のようなものがあります。
①全か無か思考
②一般化しすぎ
③べき思考
④マイナス思考
⑤深読み
⑥先読み
全か無か思考
「国家試験に落ちたら、人生終わりー」
国家試験前は、自分を追い込んで勉強するために、こんな思考を持っていました。ストレスを上手に使って、自分にプレッシャーを与えて勉強できるのであればいいのですが…
当時の私に『国家試験に落ちても、人生は終わらないよ』って伝えてあげたい(笑)強迫観念で勉強しても、睡眠や生活支障がでれば体調不良で国家試験を受験できないかもしれない、頑張りを発揮できなくては意味がないよって伝えてあげたいです。
だから、極端な思考をしていると気づいたら、「そんなことないよ。」って自分に優しい言葉をかけてあげる。「今は追い込まれるくらいに一生懸命(国家試験勉強)に取り込んでいるんだな」って自分を認めてあげるようにしてあげてください。
べき思考
まだ3例目の分娩介助の記録ができていないのに…4、5例目と分娩介助していくなんてできないよ!
実習中、記録が溜まってきて回らなくなった時、この「べき思考」から怒っていました。実習記録に時間がかかる自分にも、記録ができていないのにドンドン進む実習自体にも(笑)
当時を振り返ると、ちょっとしたことでイライラするようになっていました。励ましてくれている家族にも八つ当たりしたことがありました(笑)
家族にも八つ当たりしても、イライラしても意味がなかったのですが…当時から「べき思考」が強かったな~と今になって思うことがあります。
「べき思考」になりやすいと気づいてからは、自己否定をしなくなり、どうにもならないことにクヨクヨ悩まなくなりました。この記録が溜まって、理不尽で怒っている当時の私に助言するならば
「記録が溜まっている状態で次の分娩介助する状況になった場合、何に不安やストレスを感じるの?」って自分と対話します。
当時の自分が「記録は助産ケアやアセスメントの思考の整理になるので、終わっていない状態で次に進むのが不安。」と不安な思いが浮き彫りになりました。
「分娩介助ができるチャンスがきたら、自分の記録が終わっていないという理由で向き合えないのは患者さんや指導者さんに失礼ではないか?」、「分娩介助の後、指導者さんに振り返りをしてもらって、そこで一度振り返りをしている。次の課題も明確にしてから、次の分娩介助に挑めばいいじゃないか。」と「すべき」とか「絶対こう」っていう信念を手放すともう少し助産実習を楽しめる余裕があったのかな~なんて今だから思えることです。
だから、実習指導者の立場になった今は、こんな視点で考えられると少し楽になるよって助産学生さんや助産師の後輩に伝えたいです。
行動的な対処法
ストレスの原因によって引き起こされた身体的・感情的反応を直接的に緩和する対処法です。
休息やヨガなどの身体ほぐしなどが具体的な対処法となります。私は3~5時間は必ず睡眠時間を確保していました。
記録に集中出来ない時は、病院の近くのコンビニまでボーっと散歩することが私のお気に入りの気分転換でした。
社会的関係の中での対処法
他者・資源(サポートとなる対象)から援助を受けることです。
サポートしてくれる人は5人くらいいると理想といわれています。
家族、実習仲間、教員、友達、恋人など…
教員や先輩にアドバイスをもらうのもいいですが、家族や友人に話を聞いてもらう、気持ちに寄り添ってもらうだけで気持ちが楽になったっという経験を幾度なくしてきました。
もし、誰にも『助産実習』の悩みを相談できない、辛い…
という思いがあれば、私でよければXのDMでもいいので、メッセージください。
気持ちに寄り添いお話を聞くことは暗いはできると思っています。また、実習指導者の視点でアドバイスができることがあるかもしれません。(求められていない限りアドバイスはしないので安心してね)
助産学生さんだけじゃなくて、入職して悩んでいる新人さんにもストレスのコーピング方法を知ってほしいです。
さいごに
助産学生さんはとても忙しいですよね…講義、演習、グループワーク、実習、就活、国試
そんな大変な助産学生を少しでも応援できる内容になっていれば、嬉しいです🫶
最後に助産実習は、助産師になるための壁であり、同時に大きな自信を得られる場所です。もし、記録が溜まって辛い時や、先の見えない不安に押しつぶされそうな時があれば、思い出してください。完璧でなくていい、少しずつ積み重ねていけば必ずゴールはやってきます。今、大変な思いをしている皆さんの努力が、素晴らしい助産師としての未来につながることを心から応援しています🙇♀️
🎁 あわせて読みたい!実習本番で一歩リードするヒント
ここまでは「実習前の準備」をお話ししてきましたが、大事なのはここから。しっかり準備ができたら、次は「実習現場での振る舞い」です👇
