見出し画像

【新人助産師】初めての分娩係で大切にしたい7つの心構え|技術より大切なこと

おはようございます☀️新人助産師さんを応援したい先輩助産師のキャリーです🌷

前回の記事では、分娩係が始まる前にやっておきたい「7つの準備」についてお話ししました。

準備をしていても、実際に分娩室へ入ると緊張しますよね。

「産婦さんや赤ちゃんに何かあったらどうしよう。」
「迷惑をかけてしまうかもしれない。」

そんな不安を抱えながら分娩係を迎える新人助産師さんは少なくありません。私自身も新人時代は、分娩介助のたびに反省して、「助産師に向いていないのかもしれない」と落ち込むこともありました🌀

それでも、少しずつ「分娩介助って面白い」と思えるようになったのは、技術だけでなく分娩への向き合い方が変わったからです。

今回は、私が新人助産師さんに伝えたい「7つの心構え」をお話しします👇


1.「見学」ではなく「参加」する

私が新人助産師さんに伝えたいことがあります。

それは、

「見学ではなく、参加する意識を持つこと」です。

もちろん、新人の頃は経験も少なく、見学になる場面もたくさんあると思います。

でも、ただ「見学」をしていると、ただ立って見ているだけになっていませんか?

お産は、一つひとつが違います。だからこそ、「何となく見る」のは、とてももったいないことだと思っています。

見学するときは、ぜひ目的を持って見学してみてください。

例えば、

・今回は会陰保護を中心に見よう
・短息呼吸に切り替えるタイミングに注目しよう
・先輩はどのタイミングで物品を準備しているんだろう
・医師を呼ぶ判断は何を根拠にしているんだろう
・先輩は産婦さんへどんな声かけをしているんだろう

このように、一つテーマを決めるだけで、見える景色が変わります。

そして、もう一つ大切なのが、

「自分にもできることはないか」と考えながら分娩室にいることです。

例えば、

・汗を拭く
・水分補給を促す
・腰をさする
・室温や照明を整える
・必要な物品を準備する
・分娩介助者が動きやすいように環境を整える
・分娩台の調整や姿勢の保持に協力する

これらは新人でもできる、大切な助産ケアです。分娩介助は、「赤ちゃんを取り上げること」だけではありません。産婦さんが安心して出産できるように支えることも、助産師の大切な役割です。

「私はまだ介助ができないから何もできない。」

そう考えるのではなく、「今の私にできるケアは何だろう」

そんな視点で分娩室に立つだけで、あなたは「見学者」ではなく、「チームの一員」になります。

そして、その積み重ねが、助産師としての観察力や判断力を育て、分娩介助の上達にもつながっていくと思います。


2.モニターだけでなく、目の前の産婦さんを見る

新人時代の私は訪室前に、モニターの画面ばかり見て動けないことがありました。自分のケアに自信がなくて、訪室する勇気?がなかったのかもしれません。

児心音はどうだろう。
陣痛は何分間隔だろう。
SpO₂や血圧は正常かな。

もちろん、どれも大切な情報です。

でも、モニターは産婦さんの状態を表す「一部の情報」に過ぎません。

助産師が向き合うのは、モニターではなく目の前の「産婦さん」です。

例えば、

「さっきまで普通に話していたのに急に無口になった。」
「呼吸が乱れてきた。」
「顔色や表情が少し違う。」
「腰のさすっている部分が下がってきている。」

こうした変化は、モニターには映りません。

だから私は、モニターの前でなかなか動けずにいる新人助産師さんがいたら、「モニターも大切だけど、一度産婦さんの顔を見よう。」と伝えています。

助産師は、分娩介助の専門職であると同時に、産婦さんに寄り添う専門職です。児心音や分娩進行だけではなく、

「今、この人は何を感じているんだろう。」
「何を不安に思っているんだろう。」

そんな視点を持つことが、産婦さんに寄り添う助産ケアの第一歩になります。

そして、産婦さんをよく見ることは、異常の早期発見にもつながります。

「何となくいつもと違う。」その小さな違和感は、多くの場合、先輩助産師が経験の中で身につけてきた感覚です。

最初からその感覚を持っている人はいません。

だからこそ、新人時代から「人を見る習慣」を意識してほしいと思います。

モニターの数字だけでお産を理解するのではなく、産婦さんの表情や声、呼吸、しぐさを含めて、お産全体を感じ取る。

その積み重ねが、助産師としての観察力やアセスメント力を育ててくれます。


3.分からないことは、すぐに相談する

新人助産師さんの中には「こんなことを聞いたら怒られるかも」・「先輩たち忙しそう。今、相談してもいいかな…」と遠慮してしまう人もいます。

でも、命を預かる現場では、「相談しなかったこと」のほうが大きなリスクになることがあります。

相談することは、患者さんの安全を守るための大切な行動です。

「今相談してもいいですか?」

その一言が言える助産師は、必ず成長します。


4.完璧を目指さない

新人時代、1つのうまく行かないことがあると「私は助産師に向いていないかも」って考えていた時期がありました。その1つうまく行かないことで、自分の価値を全否定するようなネガティブな新人助産師でした(笑)

でも、分娩介助に100点満点はありません。

それは、助産師になって10年以上経った今でも「あのとき、もっと〜なケアができたかもしれない。〜したほうが良かったかも。」と思うことがあります。

だからこそ、助産師は学び続ける仕事なのだと思います。

できなかったことよりも、「次はどうするか」を考える習慣を大切にしませんか?


5.振り返りまでがお産

お産は、赤ちゃんが生まれて胎盤が出たら終わりではありません。

「なぜこの判断だったのか。」
「方針が急速遂娩に切り替わったのはなぜか。」
「もっとできたことはなかったか。」

と1例1例分娩を振り返ることで、経験は知識になります。

でも、反省だけの自分を責める振り返りは必要ありません。

私自身の話になりますが、新人時代を振り返ると

「会陰保護がうまくできなかった。」
「もっと早く報告すればよかった。」
「物品の準備が遅れてしまった。」

など、反省ばかりしていました。もちろん、それも大切な振り返りです。

でも、それと同じくらい大切なのが、「うまくいったこと」を振り返ること。この視点は後輩の振り返りを一緒にするようになって意識するようになったことです。

例えば、

「今回のお産は、なぜ分娩進行がスムーズだったんだろう。」
「産婦さんが安心して過ごせたのは、どんなケアがあったからだろう。」
「医師は、どんなタイミングで声をかけ、判断していたんだろう。」
「自分ができたことは何だっただろう。」

順調に終わったお産ほど、「よかったね」で終わらせてしまいがちですが、実は学びの宝庫なんです。

何気なく見ていた先輩の声かけや体位調整、呼吸法のサポート、分娩進行を妨げない環境づくりなど、一つひとつに理由があります。

「なぜうまくいったのか」を言葉にできるようになると、その成功を次のお産でも再現できるようになります。

反対に、「なぜ思うようにいかなかったのか」を振り返ることで、次に改善するポイントが見えてきます。

振り返りは、自分を責める時間ではありません。

成功も失敗も含めて経験を整理し、「次のお産ではどう活かそうか」を考える時間です。

1つ1つ丁寧に振り返ることが、助産師としての引き出しを増やしてくれます。

具体的な振り返りの方法や、私が実践している「My分娩台帳」の活用法については、次回の記事で詳しくご紹介しようと思います。


6.自分を責めすぎない

新人助産師の頃は、お産を終えるたびに

「もっと早く気づけたかもしれない。」
「もっと良いケアができたかもしれない。」

と反省することがあると思います。

私も新人の頃は、分娩介助が終わるたびに帰り道や自宅のお風呂で何度も振り返り、「助産師に向いていないのかもしれない」と落ち込んだことがありました。

でも、これまでの経験から「もっと良いケアができたかもしれない」と考え続ける姿勢こそ、助産師として成長し続ける力になるのかな〜って思います。

そして、振り返りでついつい自分を責めがちな新人さんに一番伝えたいのは

分娩介助が思うようにできなかったからといって、あなた自身の価値まで否定する必要はない。

ということです。新人の頃は、うまくいかなかったことばかりが頭に残ります。もちろん、反省は大切です。でも、それ以上に大切なのは、

「今日できたこと」にも目を向けることだと思います。

産婦さんに笑顔で声をかけられた。
医師に落ち着いて報告ができた。
先輩へ相談できた。

そんな小さな一歩も、立派な成長です。寝る前に、「今日できたこと」を3つ考えてみてください。


7.自分を信じる

最後に伝えたいこと。それは、

あなたは、国家試験に合格し、助産師として採用されました。そして、分娩係を任されたということは、「あなたなら任せられる」と職場が判断したということです。

もちろん、一人でできるようになったという意味ではありません。

分からないことは相談していい。

困ったら助けを求めていい。

その上で、「あなたなら成長できる」と期待されているということです。

実習や国家試験を乗り越えてきた自分を、もう少し信じてあげてください。


おわりに

分娩介助は、命の誕生という奇跡に立ち会える仕事です。

だからこそ、緊張もしますし、怖さもあります。

でも、その怖さは、決して悪いものではありません。

怖いから準備をする。

怖いから相談する。

怖いから振り返る。

その積み重ねが、少しずつ「分娩介助って楽しい」「もっと学びたい」という気持ちに変わっていきます。

次回は、私が新人時代から続けてきた分娩介助の振り返り方と、先輩や医師から学びを最大化する方法、そして「My分娩台帳」の活用法について詳しくご紹介します。

振り返りを「反省会」で終わらせず、1つ1つのお産を、自分の一生ものの財産に変えるヒントになれば嬉しいです。

また、前回の記事「分娩係が始まる前にやっておきたい7つの準備」も公開中です。準備から読みたい方は、ぜひあわせてご覧ください。


いいなと思ったら応援しよう!