【実体験】第10話「2年後の今ーー病気と生きるということ」
あの日から、2年が経った。
椎骨動脈解離という病気を経験してから、気づけばそんな時間が流れていた。
再発することもなく、今もこうして、元気に生きている。
それだけで十分だと、今は素直に思える。
当時は、目の前のことだけで精一杯だった。
身体を休めること。
再発しないように暮らすこと。
そして、社会復帰に向けて少しずつ準備すること。
何より、「普通に生きる」ことが、こんなにも難しくて、そしてありがたいものだったと気づかされた。
病気をしてからの数ヶ月、必死だった。
心も身体も、ただただ“安定”を目指していた。
禁酒、禁煙、減塩、運動、睡眠。
生活を整えて、自分を守ることに集中する日々。
だけど、そんな時間を積み重ねているうちに、少しずつ自分の中で変化が生まれていた。
「これから、どう生きていこうか」
あの頃はとてもじゃないけど、こんな風に発信なんてできなかった。
文章を書く余裕も、自分の体験を誰かに伝える気持ちの整理も、全然できていなかった。
でも、時間が経って、2年という月日が流れた今だからこそ、
あの経験を「誰かの役に立てたい」と思えるようになった。
もちろん、椎骨動脈解離という病気は、脳出血や脳梗塞と比べれば“軽い”と言われることが多い。
実際に、入院もしなかった。
後遺症もなかった。
再発もなく、こうして普通に生活できている。
「自分は恵まれている」
そう思う気持ちは、間違いなく本音だ。
もっと大きな病気に苦しんでいる人はたくさんいる。
もっと重い症状と戦っている人もたくさんいる。
だけど、軽い病気だからといって、不安や恐怖が小さいわけじゃない。
命に関わるかもしれないという現実は、確かにそこにあった。
そして、そこから2年生きてきた今、自分にできることがあるとしたら。
それは、
“未病”の段階で気づける人を増やすこと。
“今なら間に合う”ということを伝えること。
それが、これから自分が発信していきたいことだと思っている。
この実体験ストーリーは、とりあえず今回で一区切りにしようと思う。
でも、まだまだ伝えきれていないことがある。
・病気そのものについて
・原因や予防のこと
・生活面での工夫や改善
・お金や制度のこと
・心との向き合い方
色んな角度から、また少しずつ記事にしていくつもりだ。
同じように悩んでいる誰か。
まだ健康だけど、将来に備えたい誰か。
かつての自分のように、不安で検索魔になっている誰か。
そんな人たちに届いたらいいなと思っている。
病気をする前の自分には、こんな未来は全く想像できなかった。
だけど、あの経験があったからこそ、
いま、自分はこうして生きていることにちゃんと感謝できている。
もし、あのときの自分に声をかけられるなら。
「大丈夫、未来はちゃんと続いているよ」
そう伝えてあげたい。
そして、これからも。
身体と心と、ちゃんと向き合いながら、無理をせず、でも自分らしく。
この経験が、誰かの小さなヒントや支えになれば嬉しい。
また、次の記事で。
