サイトカインストーム
今回はサイトカインストームという話題です。ストームというくらいですから「嵐」のような状態が起きるみたいですね。一度にいくつものサイトカインが動き出すといったイメージがあるのですが、いったいどんな現象が起きるんでしょうか。
サイトカインストームという言葉自体は以前から少しは耳にしたことがあったのですが、最近になってこの言葉が流行り出した理由は、なんでも「新型コロナウイルス感染症に関連する話題」というところで出て来たらしいですね。
まずは言葉の意味からですが、そもそもサイトカインは細胞間で情報を伝達するたんぱく質の一種でしたよね。そして炎症反応や免疫反応などにかかわりの深い物質です。適切な量が細胞から分泌されるのであれば別に問題は生じないのですが、その量が過剰に分泌されるとその働きも過剰になってしまって、あたかも暴走してしまったような状態を引き起こすのが「サイトカインストーム」と言う意味なんです。
こんな状態になると免疫システムが混乱してしまいます。それこそ暴走しているわけですから、免疫システムが誤って自分自身の身体をも傷つけてしまうような行動に出るんです。炎症反応も暴走してしまいます。炎症反応が重症化してショック状態になってしまうと、生命の危険にもさらされてしまうでしょう。なぜなら、ショック状態になると血圧が降下してしまうからです。
原因はいろいろとあるのでしょうけれども、やけどによる外傷やウイルス感染などが引き金になるようですね。あるいは治療中でも起きることがあるとの記事もありました。ウイルス感染症という例も、インフルエンザウイルスであったり新型コロナウイルス感染症だったりという辺りが挙がっています。また、がんのある種類は時としてサイトカインストームが起きる例があると聞きます。自己免疫疾患になってくると、もともとその疾患が自分の組織に対する攻撃を仕掛けてくる病気ですから、サイトカインストームが起きる可能性を秘めているらしいですね。敗血症なども免疫反応の暴走だということが分かっているそうなので、さほど遠い存在ではないのかもしれません。とは言っても、詳細な原因などは分かっていないそうです。
では、そんなサイトカインストームが起きるとどのような症状が出てくるかですが、ショック状態のような感じですからいろいろと大変だろうなという思います。ただ、一気にサイトカインストームの状態になって・・・と言うわけでもないようです。
サイトカインストームが起きた状態と言うわけではありませんが、一般的なものとして「発熱、寒気、嘔吐、下痢、疲労感、体の痛み、頭痛、食欲不振、吐き気、発疹」など、多岐にわたる症状が出るそうです。ここに挙げた症状の例だと、一般的なウイルスの感染症でも出て来そうですね。
サイトカインストームとして出てくるのは、一般的には以下のような症状です。
高熱、体温が急激に上昇して、なかなか下がらない状態になる
呼吸困難、肺に炎症が起きて呼吸が苦しくなる
全身の倦怠感、全身にだるさや痛みを感じる状態になる
臓器障害、肝臓、腎臓、心臓など、様々な臓器に障害が起こる可能性がある
(こうなると多臓器不全と呼ばれる状態になります)
血圧低下、ショック状態に陥る場合も出て来ます
炎症状態が続いた後にサイトカインストームが生じますので、多少の時間の猶予はあるようですね。もしサイトカインストームが起きてしまったとしたら、血管の細胞がサイトカインによって傷つけられます。しかも、血管外にいろいろな物質が漏れてしまいますので、周囲の組織などは水浸しのような状態になります。こんな状態になりますので、血管内のいろいろな物質も血管外に出ていかなくなって、肺でこのような状態が起きると呼吸困難になってしまいます。こうなると投与された薬も患部に届かなくなりますよね。
そして、血管外に漏れてはいけないという事で血小板などが集まってきてふさごうとするのですが、それが塊になってはがれてしまうと血栓になります。それが血流に乗ってどこかに流れていくわけですから、どこかで血管をふさいでしまえば〇〇梗塞といった状態になってしまいます。
日本では昔からこのような状態が見られたようです。歴史や文学にに残っている記録を見ても、敗血症性ショック(つまりはサイトカインストーム)じゃないかと思えるような死亡例の記載があるそうですね。
