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2026年2〜3月メキシコ(時々アメリカ)滞在記⑰オアハカ一人旅編(6)

前回、オアハカで布地に魅せられた話はこちらから。

今回は博物館&聖堂の見学のち、伝統マッサージを体験した話。

無事にATMで現金をゲットし午後の散策を続ける。

次に訪れたのは、前日行ったのに閉館日だったMuseo de Arte Prehispánico de México Rufino Tamayo。
コロンブス以前の時代の貴重なアート作品を無料で公開している素晴らしい場所だ。

中央のものは戦国時代?と
思うくらい日本っぽいのが不思議
多幸感に包まれたやわらかい表情が素敵
なんだか命について、とか
生命の循環や営みを考えさせられた
メキシコ版「考える人」?
おもしろ動物1
おもしろ動物2
これもなんだか兜っぽく見える
表情がいいな
これも戦国時代っぽい
メキシコっぽい
上のはシーサーみたい
下のはなにを表してるんだろ?
精悍なイケメンさんの壺
わからないけれど、情報がたくさん
詰まっているのだろうなと思う
おもしろい表情
これもユニーク
色彩がきれい

無料で公開されているのが信じられないほど貴重な展示物が豊富で設備もしっかりしていた。キレイだったからちゃっかりトイレも借りた。

一度くしゃみをしてしまったら響いて恥ずかしかったのだが、周りの人たちがSaludと言ってくれたため教科書通りにGraciasと返してみた。気まずさが和らいで空気が少しほっこりしたような気がした。

英語圏では最近はBless youと言われずスルーされることも多いが、スペイン語文化にはこういう風習がまだちゃんと残っているのだなと実感。

そのまま前日のリベンジシリーズ第二弾サント・ドミンゴ・デ・グスマン聖堂へ。

隣は前日訪れたオアハカ文化博物館
今回は中央の茶色のドアから
無事聖堂に入れてよかった
16〜17世紀に建造されたメキシコ最高峰の
バロック建築とのこと
長きに渡ってオアハカの街を
見守ってきたのだろう
豪華絢爛な細かく壮麗な装飾
振り返った時の美しさに息を呑んだ
窓から差し込む光が黄金色に輝く
なんという天井の美しさ

首が痛くなるほどじっくり見納めて外へ

気がつくと少しずつ日が暮れてきた。
この後、もともとは計画になかったが、もっと布や服を見たくなって街の反対側にあるOaxaca Artisan Market(工芸品展示会)まで早足で移動した。

夕方のオアハカも美しい
くつろぐ人たち

刺繍入りブラウス、動物の彫刻、陶器など、さまざまな工芸品を扱っている市場、普段は実用主義で雑貨に興味のない私でさえワクワクが止まらない。

キリがないが、ちょっとした布地数枚と、友人の娘さんにあげるバッグ、自分の服などを買って街の中央の方へ戻る。

珍しく買い物スイッチが入ってしまい、今度は昨日も行ったBenito Juárez市場の方へ。その周辺のお店も含め、この近辺で職場で配るチョコレートや自宅用のコーヒーも追加で購入。

こちらの文化ではチョコレートは食べる用途のものよりも溶かして飲む用が多く売られている気がした。私には見た目ではわからないため、店員さんに聞いてから購入。甘さの段階も説明してもらった。

また、友人の息子さんがサッカー少年なのでメキシコ代表のユニフォームらしきものを買って帰りたいなと思って歩いていると、大人用のものを売っている場所を見つけた。

カタコトのスペイン語で「子ども用のもありますか?」と聞いてみると、「何歳?」と聞かれたため「10歳」と答える。すると奥から小さいユニフォームを出してきてくれた。調子に乗ってもうちょいスペイン語を話してみようと思い「他の色もありますか?」と聞くと数種類出してくれた。

黒いのがシックでカッコよかったためそれに決定。最後に値段を言われたが数字の表現が苦手で聞き取れず聞き返すと、隣りにいた別のお客さんが英訳してくれた。

これで日本に帰った時のお土産もひととおり揃ったかな。

時計を見るとそろそろスパの予約時間。ネットで調べた中で一番ピンと来たけどメニューの内容で質問したいことがあったため、昨日の夕方下見を兼ねて見に行き、サービスに納得したため予約した場所。

これまで日本で日常的にカイロプラティックや整体、鍼などを受けているし、台湾、タイ、インド、スリランカ、ヨーロッパでも伝統的なマッサージやスパでの施術を受けてきた。

特にアジアの国々では1〜2週間アーユルヴェーダやヨガのリトリート施設に滞在して毎日違うケアを経験していたため、(身体を張って?ww)かなり色々な種類の施術を受けたことがあるとは思う。

メキシコでもせっかくなので体験したいと思い、事前に調べていたのだが、考えていたものは有名なテマスカルというサウナ儀式のようなものであった。

しかし、真冬の日本から来た私は熱中症と高山病気味でダウンしかけていたし、これ以上熱で身体を温めるのは気分に合わなかったため、予定を変えてなにかマッサージを受けてみたくなった。

立地と雰囲気、コンセプトからスパを選び、代表的なメニューをこちらから読んで、いずれもスペイン人が来る以前から伝わる伝統的なRoyal Mayan か、Zapotec か、Purépechaの3つに絞った。

お店まで詳しく質問しに行き、最終的に私が選んだのは未知の領域である布を使った施術だというPurépechaマッサージ。

Purépecha(プレペチャ)は、メキシコ西部のミチョアカン州を中心に栄えたメキシコ先住民の名称であり、かつてはアステカ帝国と肩を並べる大帝国を築き、その侵略を唯一何度も退けた強大な民族だそうだ。

彼らの価値観の中に「自然界のすべての要素に神やエネルギーが宿る」という深いアニミズム(精霊信仰)があり、プレペチャの伝統医療では、身体の不調は「精神のバランスの乱れ」や「ネガティブなエネルギーの蓄積」が原因であると考えられているとのこと。

感情が溜まりやすいとされる「お腹(胃)」をマッサージして整えるなど、心と身体をひとつとして捉える治療が特徴らしく、根本的な部分がアーユルヴェーダや東洋医学とも似ていて興味深い。

施術前にお茶をいただき、部屋に案内された。撮影許可を撮ってから部屋の写真を撮り、指示された通り身支度をしてからうつ伏せになってセラピストが来るのを待った。

たくさんの布(レボソ)の上で行う

セラピストの方は年配の女性で、英語を話さずスペイン語オンリーだったため言っていることが半分くらいしかわからなかったが、終始私の様子を気遣い優しく接してくれて居心地がよかった。

すぐにアイマスクをつけてもらったため様子がわからないが、鼻先から次々と色々な香りが漂ってきたからハーブを多用していたような気がする。

調べてみると、マッサージの際には必ずコパル(樹脂の香)や乾燥ハーブを燻してエネルギーをクレンジング(浄化)するとのことだった。

記憶をたどると私が認識できた香りの中にはローズマリーやラベンダーがあった気がする。

ケアする部位が変わるごとに違う香りを感じた。きっと深い意味と効能があるのだろう。

個室を出たところにあるスペース
神聖な雰囲気で凄く良い場所だった

最初はタイ古式マッサージのようにセラピストさんが自分の足裏を使って、施術を受ける人の身体を踏んで刺激を与えていく。

足から始まり、ふくらはぎ、太ももと上がっていく順番や力のかけ方もタイのマッサージに似ている。

まったく違っていたのが、ある程度まで足裏でほぐした後、布の両端を持って身体の部位を揺らしていくことだった。

揺らすことで深い部分から緊張やストレスを取り除き、身体の歪みなども調整できるという。

脚までは理解できたが、お腹周りや腰など胴体全部を持ち上げる動きもあった。私の体重は重いはずである。小柄な女性セラピスト1人でどうやって持ち上げたのか、謎だなと感じる。

自分では見えないため、どうなっていたのかわからないので試しにお遊び半分でAIに頼んで画像を作ってもらった。

たぶん、こんな感じで下にあった
布を持ち上げていたのかな

面白かったのが、香りもそうであるが、このマッサージでは音楽にもこだわりを感じられたことである。

終始ヒーリング系の音楽がかかっていたのだが(メキシコっぽい感じではなく、むしろケルト風?歌は英語だったし海外のヨガでBGMになっているようなもの)特に揺らす時にその音楽のリズムに動きを合わせていくのが重要なようであった。

セラピストさんお気に入りの曲があるようで、揺らしているタイミングでその曲が終わると次の曲に進まず戻って同じ曲を何度もリピート。私を放置してでも何度も音響機械の場所に操作しに行くこだわりの強さが面白かった。

背中側からスタートし、後半は仰向けになって身体の前面をほぐしてもらった。

皮膚からの感覚だけでなく、嗅覚、聴覚からのアプローチもあって全身で癒されていった。

ラストは気がついたら布でぐるぐる巻きにされておりミイラというか芋虫のような状態に。アイマスクもそのままだったから自分の姿は見えないが絵的にかなりシュールだったに違いない。

これもAIに作ってもらった
たぶんこんな感じだったと思う

そして、こんな感じでぐるぐる巻きにされた後、セラピストさんがスペイン語であれこれと語りかけてくれたが、私が理解できたのは「これでマッサージは終わり」「そのままリラックスしてから◯◯が終わったら下に降りてきてくださいね」というところくらいだった。

後で布をほどきにセラピストさんが戻って来るまで待っているのか、それとも自力で解体できるものなのか聞きそびれたし、肝心な◯◯がわからず聞き返そうとしたが、既にセラピストさんの姿はなく、ミイラというか芋虫状態で1人、部屋に取り残された私。

腕も布の中にあるため身動きが取れない。とりあえず、「リラックスしてから」考えようと思い、そのままぼーっとする。

布地に包まれた状態は、たぶん赤ちゃんのおくるみのような感じで抱擁されるような安心感がある。その心地よさに心身を預けてうとうとしていると、おそらく近くの広場からトランペットやトロンボーンのような管楽器の音が聞こえてきてハッとした。

そこから思考がおかしな方向へ行ったのをよく覚えている。

とっても可愛く素敵な街オアハカにいるとは言え、ここはメキシコである。こうやって芋虫になっている間に、部屋に置いてある私の着替えと荷物が全部消えていて身ぐるみ剥がされているかもしれない。いや、同じ部屋にいると思っているけれどアイマスクをしているから見えていない。実は揺らされている間に違う場所に拉致されていて、今転がっている床はマフィアの部屋だったらどうしよう・・・などなどw

どっちにしろセラピストさんが戻ってくる気配がないため、モソモソと身体を動かしてみると、意外とあっさり布から腕を抜くことができた。

手が自由になったからアイマスクを外すと、ちゃんとさっきと同じ部屋にいたし、私の着替えと荷物はそのままになっていた。よかった。こんな素敵なスパがマフィアと繋がっていたら怖すぎる。とアホすぎる自分の発想に呆れつつ残りの布を解体して身支度をした。

鏡を見たらメイクがほぼ全部消えてなくなっており、全体的に毛の薄い私は眉毛が半分なくなりみっともない顔になっていたが、お直し出来るコスメを持っていなかったため、まぁいいかと思い、そのまま荷物を持って下の階へ行った。消えたのはお金でもパスポートでもなく眉毛だったというオチ。

90分のコースだったが、2時間以上経過していた。ゆっくり長めにやってくれたのか、管楽器に起こされるまで私が長いこと寝落ちしてしまったのかわからない。もう20時を過ぎていたからスタッフが帰れず迷惑になっていないかも心配したが、他のお客さんもまだいたし大丈夫そうだった。

お会計を済ませて外に出て、帰りにまた市場に寄って軽くなにか食べ物を買って帰ろうと思ったが、もうとっくにシャッターが降りている時間だった。

夜のオアハカ大聖堂

広場の近くのレストランはまだ開いていたためメニューを見てみるが、みんな高いしちゃんとした料理ばかりで、眉毛を半分失った中年女性が1人で入れるような雰囲気ではない。

案内係の人にテイクアウト出来るものはあるか聞いたら無理だと言われた。特にお腹は空いていなかったし、マッサージの後のふわふわした心地よい感覚のまま眠りにつきたかったため、夕食は食べずにエアビーの部屋に帰ることにした。

エアビーの共有スペースを抜けて部屋に戻ろうとしたら、ようやくオーナーの男性(これまでお母さんにしかお会いしていなかった)に対面できた。

ソファーに寝転がってどうやらなにかの動画を見ながら爆笑している。私に気づいて一瞬固まっていたが、こちらからスペイン語で挨拶すると、気まずそうに挨拶してくれた。こっちも初対面なのに眉毛が半分ない身だ。気恥ずかしさのレベルは同じくらいだろう。

こうやって旅の恥はかき捨てていけば良い。

明日の朝、もうオアハカを去らねばならないなんて早すぎる。もっと色んなものを食べたかったし、さっきのスパで別のメニューも受けてみたい。旅をしているとこういう五感を使った体験が本当に楽しい。また絶対戻ってきたいなと思いながらシャワーを浴びて床についた。



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