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2026年2〜3月メキシコ(時々アメリカ)滞在記⑮オアハカ一人旅編(4)

前回のオアハカ文化博物館と街歩き編はこちら

毎日健全に早寝早起きするのが結局心身への負担を減らすことになる。
こういうことも含めて自分のペースで過ごすのがやはり一番だ。

日本では一年中ゆっくり浴槽に浸かり瞑想しながら、その日に感じたり受け取ったりした不要なものごとをすべて手放すことを習慣にしている。お湯の中に居る安心感、自己と外の世界の境目がどんどん曖昧になっていき溶けていく感覚。私にとって入浴は物理的に身体の汚れを落とす作業というよりむしろ心の浄化という儀式的な側面が強い。世界のどこにいても自分が自分でいるために必要な時間。しかし、ここではそれが出来なかった。

同時にそのような小さいことにこだわり続けて人としての可動域がどんどん狭くなることへの危機感もあった。若い頃は身軽にこなせたことがどんどん出来なくなってきている。それが怖い。でもそんな今では出来なくなってしまったことを昔たくさん経験しておいてよかったなとも思う。

旅では日常で出来ないチャレンジも可能だ。だから「きっと大丈夫だ」と思い、普段いつもしているような自分を守るための先回りをやめてみた。けれども、内側に眠っているであろう「鈍感力」を信じ、あえて深く考えず「えいやっ!」と飛び込んでみたら、予想以上に対応不可能で撃沈した。この旅の中ではそういうことがたくさんあった。やはり、石橋を叩かず渡るタイプではない。それがショックでまた落ち込んだが、自分のキャパに気付いたことは長い目で見ると大きな収穫なのかもしれない。

すべてが贅沢な悩みだということにも気づいている。だからこそ、不器用ながらも貴重な「今この瞬間」の連続を自分らしく楽しんでいけたらと思うのである。

この日もそそくさと早起きして昨夜の市場で買った黒いモレのタマルを朝食にした。

トウモロコシの皮に包まれた
「ちまき」のような料理
トウモロコシ粉を蒸したものの中に具材
が入っており、味付けのバリエーション豊富

今回のは豚肉と大きなチリが中に入っていた
ソースに使われているのが黒いモレ
お値段は前日の朝、道端で食べたものの
5倍くらいと高額だったがその食べ比べも面白い
早朝は寒くてバルコニー使えず
(昼間は暑くて使えず・・・)
外を見ながら室内のソファーで食べた
謎なキノコのオブジェが懐かしい

サクッと身支度をして昨日下見をしておいた南側にある大きなバスターミナルへ。
セントロ(中心部)を抜けて大きな道路を渡るとやっぱり別世界に感じてしまうのは朝でも夕方でも同じ。

なんとなく人の雰囲気も殺気立っている気がしてちょっと怖い。
相変わらず歩道の幅が狭く、人とすれ違ってよけるたびに側溝に落ちて怪我しそうだし、ごちゃごちゃしていて直感的にもこのエリアは苦手だ。

というわけで、トラブルに巻き込まれないよう存在感を消して忍者のようにササッと移動しバスターミナルへ。

バスが来るまで15分くらいあったので
コーヒーを買ってみた
売店のおばちゃんがネ◯カフェを
出そうとしてきたため
めちゃくちゃなスペイン語で
必死で止めて「本日のコーヒー」
的なものを持ち帰り用でゲット
オアハカからミトラまでは約40キロ
路線バスで1時間半ほどだが
その運賃は20ペソ(約180円)
溜まっていた小銭を大放出

心配性なので色んな人に本当にミトラ行きなのか確認。
さらに心配性なのでダウンロードしておいたグーグルマップでずっと位置情報を確認しながら過ごした。

メキシコでこのタイプの路線バスに1人で乗るのは初めてだったが(バス専用車線を走る半分トラムみたいなのは経験済み)、慣れない私には色々驚くことがあり貴重な体験となった。

①出入り口のドアがずっと開けっ放し(故障?わざと?)
 →風が吹き込んで怖いから後ろの方の席に座った
②乗客は自己申告して好きな場所で降りる(バス停?あるの?)
 →帰りのバスで私もまねして宿の近くで降りてみた
③運転手が自分の買い物のために勝手に降りる(え?)
 →バスが突然停車して運転手が降りたからびっくりしたが、手に水のペットボトルを持って戻ってきた(運転手さんも人間だし当たり前か)

別の角度から驚いたのは、半分トラムみたいな方のバスには時刻表がなかったのに、この路線バスには時刻表が存在していること。
(時刻表通りにバスが動いているかは別問題・・・)

というわけで異文化体験を味わっている間にミトラ村に到着!

ミトラの街、とっても好きな雰囲気だった
オアハカより更にのんびりしてて静か
ここ住みたいって思ってしまった
くらい穏やかで快適な場所だった
バス乗り場からミトラ遺跡までは
10分ほど歩くが、道に標識が
あってわかりやすく簡単
と、この時は思っていた・・・
トゥクトゥクで行くことも可能だが
刺激が強くて苦手なのと、
自分のペースがいいのであえて
歩いて向かっていた

が、方向音痴な私にはよくあること
なのだが、目的地には着いている
のに入り口が分からない問題発生・・・
遺跡、見えているのにフェンス
の向こうに行けないのだ
ぐるぐるしていたら
後で行こうと思っていた教会の方に
先に着いてしまった・・・
まぁいいやと思い、先に見学

サポテカ文明の神殿の土台を利用して
(祭祀センターを破壊して)16世紀に
スペイン人が建てたサンパブロ教会
古代宗教とキリスト教の融合を特徴とする

上書き保存しちゃったんだと
思うとなんだか複雑・・・
美しいが不思議な場所だった

ミトラ(Mitla)はサポテカ語で「死者の場所」
を意味しているとのこと
太陽光が強いのになぜかひんやりして
なんとなくスピリチュアル的にも
エネルギーの独特さを感じた場所
教会の外に出てさらにぐるぐるしていたが、
この敷地から出ると一気に
結構暑くなってきて体力の消耗を感じ始めた

近くを歩いていたお兄さんにミトラの入り口を
尋ねたら親切にも連れて行ってくれた
この奥にチケット売り場があった
サボテンの王国みたいになっていて
このエリアなんか楽しかった
チケットを購入して中に入ると
私以外に人が見当たらず貸し切り状態だった
日本ではどこへ行っても人が多く
辟易していたので嬉しすぎる
遺跡+サボテン=幸せ
当時のサポテカ人たちは、この遺跡があった場所を
をリョバア(安息の地)として知られる
冥界への入口だと信じていたという
神聖な埋葬地としての役割を担う
宗教の中心地でもあった
外の道と空気が違う
こんなに晴れていて暑いのに
なぜか静かで少しひんやりする
額縁のような窓

この遺跡の地下には、迷宮のように
なった巨大な神殿が存在していたという
さきほどの教会と隣接している

この遺跡を探索したスペイン人宣教師たちは
悪霊とそのしもべどもが住む場所と考え、
神殿へとつながる入口をすべて封印した
遺跡側から見た教会

その上に建てられたこの教会の主祭壇下に
神殿への入口が隠されており、
レーダーなどを使って調べたところ
実際に地下迷宮の痕跡が見つかったとのこと
かつて高貴な人物が埋葬されていたと
される地下墳墓への通路であり、
現実世界と死後の世界が交差する
「宇宙の結び目」のような場所だったという
奥に入っていく・・・

この壁画は当時の支配者や神官たちが
「自分たちがどこから来て、死後どこへ行くのか」
という知識や、権威を記録したものであるらしい
観光客が入れるエリアは限られて
いるが、地下にはいまだ未開拓の
巨大な迷宮が眠っているという
王や神官たちが儀式を行い生活していた場所

この空間を通って、地下の冥界と交信する
儀式へと向かっていたと言われている
有名な「幾何学模様の石のモザイク」

複雑な模様は彫刻ではなく、数万個の
小さな石のパーツを組み合わせて作られている
ミトラの世界観に入り込みすぎると
冥界に連れて行かれそうで危険
時々サボテンを見て現実世界に戻ろう
たぶん今回の滞在中に
一生分のサボテンを見た気がする
モザイクのパターンは大きく分けて14種類

ギザギザ模様は「稲妻」や「雨の神」
または聖なる「ヘビ」の背中の象徴
渦巻き模様は「生命の継続」や「進化」など

接着剤を使わず、石同士の噛み合わせと
自重だけで固定されている
地下世界に入った当時のスペイン人たち
は、整然と並べられた大量の遺体と
深い暗闇に、単なる領土の拡大や
支配という目的を越えた
本能的、かつ宗教的な恐怖を抱いた
「この先は地獄に直結している」と確信し
その恐怖心から地下の入り口を埋め、
上に教会を建てることで異教の
驚異的な霊的なエネルギーを
押さえつけようとしたらしい
カリスマ性があり絶対的権力を持つ
ミトラの最高神官「ウィハ・タオ」
にも並外れた脅威を感じたという
彼は光の当たらない地下深くの迷宮に籠もり
死者と対話していたが、その姿はスペイン人には
「悪魔崇拝」そのものに見えたらしい
儀式の際には、幻覚作用のある植物や
特別な飲み物を使用し、精神を現世から切り離して
「霊的な旅」をしていたとも言われている
「生命の柱」
両腕を回して抱きつき、指と指の間の距離を
測ることで自分の残りの寿命がわかるらしい

怖いからやらなかった
これも地下へ続く迷宮の入り口
恐怖と好奇心が混ざった気持ち
北側の宮殿内部の様子

最高神官が住み、死者や神々と対話するなど
重要な儀式を行っていた神聖な広間だった
天井にある丸太の梁は当時の建築様式を
忠実に再現しているという
登ってはいけません、の表示w
サポテカ時代から続く乾燥した大地と山々
その麓に広がる現代のミトラの村
そして今いる場所は遺跡の中

こうして複数の時代の景色を同時に
感じると目眩がしてくる
スペイン語、英語、サポテカ語
3か国語での説明
私以外にはフランス人グループが
いたくらいで本当に静かな時間を過ごせた
地下世界へ続く道がたくさん
もちろん入れない
前日訪れたモンテ・アルバンの
衰退後に発達したというミトラ
栄枯盛衰にも思いを馳せる




たまには自撮りww

この日は日傘を忘れてしまい
ストールをほっかむりして怪しさ
全開な外見で歩いていた
海外にいると変な格好でも堂々と出来る

友達にこの写真見せたら
遺跡がメキシコじゃなくエジプトに
見えると言われたw

オアハカ、テキスタイル編はこちら



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