#3-2 運命の誘い|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜
第2話 運命の誘い
泣き疲れて、タトの膝の上でうとうとしかけたミミの頭に、コツン、と何かが当たった。
「タト…これ、なぁに?」
気になったようで、腰袋に手を伸ばして尋ねた。
「ああ、磨かれた石だよ。ほら」
タトは素手で触らないように、布を開けた。
石は、黒いままだ。
「わぁ!」
「こういう石、フェリサリアでは見たことある?」
「ううん、ない。触っていい? うわっ?!」
ミミが指先で触れた瞬間、薄暗い森に白い光がぱあっと広がった。
石は白く透明に輝いている。
「すっごー! ランプみたい!!」
タトは息を飲み、ミミを見た。
「ミミ…本当に、同じ石を見たことない?」
タトの声はかすれていた。
ミミは不思議そうにタトを見つめ、首を横に振る。
「じゃ、じゃあ…ミミは、この世界の成り立ちを知っているかい?」
「ううん、知らない。タト、どうしたの?」
タトの鼓動は、うるさいほどに高鳴っていた。
そして、石の光を見つめながら、長老婆の言葉を思い出していた。
――この世界に何人か存在すると言われる、女王の意思を色濃く継ぐ者。
"オリジン"。
出会えたらきっと、良き仲間になれるじゃろう。ーー
タトは息を長く吐き、呼吸を整えるように、丁寧に言った。
「ううん、それを確かめるために、フェリサリアに来たんだ。
この石に触って、光らせることができる人を探していた……」
タトは、少し考え込んでから、まっすぐにミミを見た。
「ミミ……もしよかったら、一緒に来てほしい」
「え?」
「ボクは、キミを探していた。」
そして、きっぱりと力強く言った。
「一緒に、ノーレムへ行こう!
君となら、きっと行ける気がするんだ」
ミミを映したその瞳は、今までにないほど力強く輝いていた。
(つづく)
いいなと思ったら応援しよう!
ここまで読んでくれてありがとう♡