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#4-1 深き森の亡霊①|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街

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第四章 揺れる心の試練
第1話 深き森の亡霊①

これまでのあらすじ


フェリサリアのオリジア石と共に、三人がノーレムの街に戻ったのは、秋の入り口だった。

祭りの準備を前に、次の旅の道程を話し合っていた。


「僕たちはこれから自信の塔、ヴァリスを目指す。
今回はミミがいるから、最短距離で行こうと思う」


「ミミがいるから?」


「……これまでヴァリスへ行けなかったのは、
この先に“人型の魔獣”が現れるからなんだ」

レイが、口を重そうに開く。


「ひ、人の……!?」

タトはぶるりと身震いをした。


レイは続ける。

「それが魔獣なのか、森に棲む集団なのか、あるいは亡霊なのか――、定かではない」


「亡霊?街の人なのか?」


「分からない。彼らは対話をしない」


「まさか、ミミに戦わせる気?」


「いや。牽制で十分だろう。うまくいけば、正体が分かるかもしれない」


タトはちらりとミミを見た。

すでに話し合いに飽きて、木彫りのシカを手に遊んでいる。


未知の脅威に、タトは得も言われぬ不安を感じた。



街を上げた盛大な秋祭りの後、
タト、ミミ、レイの三人は、ノーレムから北東へ向けて出発をした。

足元はふかふかと沈み、土と枯葉が柔らかく音を吸い込む。
何層もの季節が折り重なったような、道なき道。

乾いた風が森を抜け、色づいた葉が舞っていた。


ノーレムを出て、半月が過ぎた。

旅は順調だった。


「この森を越えれば、ヴァリスのはずだ」

地図を開き、レイが呟く。


「今夜は、ここで休もう」

色が消えかけた空を見上げ、タトが足を止めた。


「明日には着くだろう。本番は、ここからだな」
レイが言ったそのとき、

ミミが鼻をひくつかせ、顔を上げる。


「風が、変わった」


その声に、3人がサッと集まる。タトは腰の鉈剣に手をかけた。


色を失った森を風が通り抜け、
木々の影がざわめく。


その影のひとつが──ずるりと分裂した。

姿を現したのは、熊のような巨体、だが、人のようにも見える。

森の暗がりから、ゆらめきながら次々と現れる影。

「ひ、人か……?」 それとも──


鉈剣を握るタトの手が湿り、喉がごくりと鳴った。



(つづく)

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第1話 深き森の亡霊① - 追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜|不思議な六角柱の石が世界の謎へと導く冒険ファンタジー | Tales 物語・小説


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望月むう(ムーン)🐾|物語と思考|物語に浸りたい ここまで読んでくれてありがとう♡