#6-3 狙われるミミ|追憶のオリジン~氷の女王の眠る街

【ミニ解説👉️】二人のタト(タとト)はタ・トまたはタトと記載しています。これはタトがミミとレイの前ではほとんど差異がなくシンクロしているためです。
6-3 狙われるミミ
翌日の午後、それは起きた。
この日も朝から細かい雪がちらちらと舞っていた。
ミミは少し離れ、木の上を見回りながら進んでいた。
湿気が多いと水の魔現象が発生しやすい。瘴気の集まる気配が、確かにあった。
その時、
「くる!!」
木の上からミミが叫んだ。
「ミミ!集まれ!」
タ・トとレイのそばに飛び降りたミミの顔は、獣のように険しくなっていた。
「グルル……瘴気が、まとまってこっちへくる。やつら、ここに向かっているんだ」
「ミミ、戦おうとするな」
レイが周囲を警戒しながら念を押した。
「あの時も、ミミのところに来た!」
タトとレイはそれを聞いて顔を見合わせた。
まさか、狙われていたのか?
考える間もなく、ザーッと森が揺れて、雪煙をまとったソウジンが飛んできた。
「タト、計画通りに。ミミは攻撃を受けるな!」
レイが指示を出す。
タトはミミのそばでソウジンをかわした。
あの風は戻ってくる。
ミミはすでに手に炎を灯し、今にも飛びかかりそうだ。
タトはミミの肩に手を置いた。
「ミミ、力を抜いて。みんなでここを乗り切ろう」
ミミがハッと、タトの頭上を見上げた。
その瞬間、上空から氷柱が落ちてきた。ミミはタトを突き飛ばし、自分は後ろへ飛び退く。
ドス、ドス、とタトとミミの間に氷が突き刺さった。
間髪入れず、地中が熱を持ち、火柱が吹き上がる。
「ミミと引き離された!」
火柱を避けながら、タトは必死にミミの姿を探す。
魔現象はまるで意志を持っているかのようだ。
ミミは爆風でソウジンを蹴散らした。
「こいつら!なんでミミばっかり…!」
魔力を使うたびに、その炎は大きく禍々しくなっていくようだ。
「ミミ、落ち着け!」
駆けつけたレイがミミの隣で巻物を地面に落とすと、杖でドン、と打ち付けた。
その途端、火柱の上がる地面がぴたりと静まった。
しかし、上空から毒滴が落ちる。
ミミがとっさに炎で焼き払う。
背後では、吹き飛ばされたはずのソウジンがまた雪と風を巻き上げ、しつこく迫ってきた。
ミミが苛立っているのが分かる。
タトはソウジンの風をぬって駆け寄ると、ミミを抱きしめた。
そして、四人が集まった途端、
今まで見たことのない現象が起きた。
地面を黒い水のようにはってきた影が、手を伸ばしたのだ。
その黒い手が、タトとレイの足をつかんだ。
ミミはカッと目を見開いた。
「仲間にまで…ウザいんだよッ!!」
「ダメだ、ミミ落ち着け!」
レイの叫びと、彼が唱える呪文がミミの咆哮にかき消された。
「グゥワオーーー!!」
「弾かれた!まずい!タト!!」
タトがレイを見る。
それと同時に、爆発が起きた。
ドドンッ!!
タトとレイは衝撃で大きく吹き飛ばされた。
視界が反転し、木々よりも高く体が持ち上がる。
ああ、ミミの火柱だ……
タトは空中から、前回を遥かに超える巨大な炎が天へ伸びるのを見ていた。
ミミはどこだ…助けないと、すぐに。
そう思いながら、タトは深い森の中に落ちていった。
(つづく)
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