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#3-9 レイの力|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜

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第9話 レイの力


作戦会議は続いていた。

「僕は後方から知識を提供する。支援はするけど、前線には出ない。――それから、僕の護衛もよろしく頼むよ」


あまりに当然のように言うレイに、タトは呆気にとられた。


「なにそれ!」
ミミがカッと立ち上がる。


「ねー、そもそもさ、こんなヒョロヒョロで森を歩けんの?遅れて魔獣に襲われてもミミ知らないからね!瘴グマにガブリだよ〜?」

わざと脅かすように言うミミ。


「その点は問題ない。それより、君の魔力の放出が気になる」


「へ? 何言ってんの?」


レイはミミの額を指さす。


「気づいてないの?怒りが高まると、魔力が無意識にあふれ出てる。魔獣を寄せつけないほど、強力なやつが。
……ほら、集中して、魔力をまとめてごらんよ」


ミミは、ぽかんとしたままレイを見上げた。


「やれやれ、無自覚とは恐ろしいね。うまく使えば便利なのに」


タトが驚いたように言う。

「ボクには魔力なんて、まったく見えないよ。……レイ、キミも魔法を使えるの?」


レイは少し間をおいて、視線を外した。


「魔法というほどのものじゃないよ。ないと思ってもらったほうがいい。役にも立たないだろうからね」


「……そっか」


「さあ、行こう。
氷山は、いつ大災害を起こすか分からないからね」


レイは整った顔を少しも動かさずに、淡々と言った。



ライアンが慌ただしく動いている。


「ああ、あんなにも動かなかったレイが……!しっかりいってくるんだぞ!
さあ、装備を整えよう!あれと……これも……!」


「必要なものだけ、もらっていくよ」


「ああっ……神のご加護を!!」


「大袈裟なんだよ。
やるべきことをやるだけだ」


『やるべきことをやるだけ』

――タトはその言葉を聞いて、故郷のジルの口ぐせを思い出した。


レイとは、きっとうまくやっていける。

そう思った。



他のオリジンに助けてもらおうと思って出発した旅だった。

それなのに、いつの間にか、仲間と共に氷山を目指している。


タトは、この不思議な運命を――そっと胸にしまった。




(つづく)


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第9話 レイの力 - 追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜|不思議な六角柱の石が世界の謎へと導く冒険ファンタジー | Tales 物語・小説


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望月むう(ムーン)🐾|物語と思考|物語に浸りたい ここまで読んでくれてありがとう♡