技術者に必要な性差視点
7/30、芝浦工業大学 大宮キャンパスにて、理系の女子学生の皆さんに「女性の健康課題と経済:社会を変える力」と題した講義を行いました。
自分自身が、ジェネラリストとして仕事をしてきた経験が長かったこともあり、専門的な理工系の教育現場に立つのは新鮮な経験でした。

1.政府が公表した戦略17分野
4月に、ものづくりの中心地である愛知に拠点を移してから、日本の産業競争力の源泉が「技術者」にあることを日々実感しています。
政府が公表した戦略17分野における官民投資ロードマップを見渡しても、AI・半導体、フィジカルAI、量子、防衛産業、造船など、分野を問わず共通して指摘されているボトルネックは「人材、とりわけ理系人材の不足」です。
この人材育成の担い手となる理工系大学の教育現場で、女性の健康課題という切り口から「技術で解決できる社会課題」を伝えられたことは、大きな意義があったと感じています。

2.学生アンケートの結果
学生アンケートでも反応は顕著でした。
・女性特有の健康課題による経済損失(年間3.4兆円)への驚き
・男女間の認識ギャップ(女性が挙げる健康課題1位は「生理」だが、男性管理職の85%は「メンタルヘルス」と回答)への気づき
・Femtech市場の広がりへの高い関心
・ワークショップでは、生理休暇の取りやすさ、経血漏れに配慮した椅子の設計など、自身の専門性(建築、システム開発など)と結びつけたアイデアが多数
「性差の視点を研究・設計に組み込むジェンダード・イノベーション」を体感として持ち帰ってもらえたことは、理系人材の裾野を広げるという意味でも意義のある時間でした。
日本のものづくりを次の世代につなぐには、技術力だけでなく、多様な視点を持つ人材の育成が不可欠だと、あらためて感じた1日でした。
【参考】
・経済産業省「健康経営における女性の健康施策の効果検証プロジェクト最終報告書
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/jyoseinokenko.html
・AMED「性差を考慮した研究開発の推進」
https://www.amed.go.jp/kaihatsukikaku/seisakenkyu_houkokusyo.html
3.筆者紹介


