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日々の支払いが応援になる「ヘラルボニーカードのポイント寄付」で感じたハードル0の体験設計

地域によっては桜もいなくなってきた4月末、またGWの時期がやってきました。なんと2026年は、最大12連休の人もいるようです!

皆さんはGWに合わせて、旅行やいつもと違ったお出かけはされるのでしょうか?今年は中々難しい状況かとは思いますが、少しだけ奮発したご褒美を買ったりなどする人もいるのかなと思います。
そうなると関わってくるのがレジでの会計、クレジットカードの請求、不正利用を疑いたい残高。

2年前にもデビットカードの記事を書いたのですが、今年も同じタイミングで、次はクレジットカードの小話を一つ。エピソードが家計管理の話ばかりになってしまう悲しい金勘定の妖怪にどうぞお付き合いください。

ということで、今回の【勝手に分析!Good CX】は、クレジットカードの利用金額に応じて寄付ができる「ヘラルボニーカード(エポスカード)」について分析していきます。


キャッシュレス化で寄付のハードルが高くなった

習慣的に寄付をしている方はいますか?
社会課題に関心はあっても、したことがない人は少なくないのかなと思います。毎月定額を口座から引き落とす設定もできるとは聞きますが、重い腰のせいで行動までには移れず。
現金が主流の時代にはお釣りをレジの隣の募金箱へ入れるという習慣があった人も、キャッシュレスが普及した今は全くしなくなったという人は多いのではないでしょうか。

「レジの募金箱にお釣りを入れる」などの楽で身近な手段がないと、まず募金先を探して、金額を決めて、手続きをして...…と思いのほか手間がかかり、強い意志がないと踏み切れないままつい足踏みしてしまいます。

よくあるクレジットのポイント還元と、変わった仕組み

私はzaimで詳しい仕訳をしつつ、複数のカードを大きなカテゴリごとに使い分け利用額アラートでざっくりと管理するという方法で、毎月の予算をやりくりしています。
ワンバンクを見つけた前後、食費や日用品などの流動的な生活費、家賃や家電などの大きめで固定的な必要経費、それら以外の趣味や遊びの余剰費、3つのカテゴリに支出を分けてカード単位で管理しようと考え、最後の趣味の支払い専用に使うクレジットカードを探していました。

「利用金額の一部が福祉事業を手がける企業へ寄付される」というヘラルボニーカードを見つけたのは、ちょうどその時でした。

知的障害のあるアーティストの作品がカードのデザインに使用されており、クレジットカード利用金額の0.1%が、障害者福祉事業を手がける株式会社ヘラルボニーへ自動的に送られる仕組みになっています。カードを使えば使うほど支援につながるというものです。

福祉に詳しいわけでも、ヘラルボニーのことを以前から知っていたわけでもないので、「へ〜、こんなものがあるんだ」というのが最初の感想でした。何となくデザインが目を惹いて、新しいカードを作りたかったタイミングだったのもあり「普段の支出でちょっとだけ誰かの役に立てるなら」という軽い気持ちで申し込んでみました。

ヘラルボニーカードのデザインが並んでいるサイトの一部のスクリーンショット
HPスクリーンショット:ブランドサイトより引用
他デザイン多数


キャッシュレス化+自動化で寄付のハードルが消えた!

使い始めてから気づいたのは、このカードの体験の核心「何もしなくていい」ところにある、ということです。

寄付というと、意識してお金を出す行為のように感じられます。財布から抜き出し明け渡す目的のために差し出すので、どうしても「支出」の感触があります。しかしヘラルボニーカードの場合、いつも通り買い物をしているだけで自動的に寄付が完了しています。正確にはポイント還元率の一部が差し引かれているので手元からは出ていっているのですが、その実感がほとんどありません。負担はゼロと言ってもいいほどです。

このように、普段は本当にただクレジットカード払いをしているだけなので、ヘラルボニーカードを使っていると意識することさえありません。
ただ、利用明細のページを見てみると、その月に寄付されたポイント数が表示されています。微々たる金額ですが、その数字を見たとき、「お〜あの漫画代が寄付につながっているんだな」という実感が湧きました。

エポスカードのポイント履歴に支援分pt数が記載されている

そして、こういった仕組みは行動経済学などにおいて「ナッジ」と呼ばれています。

ナッジ(nudge)とは
直訳で「ひじで軽く突く」という意味。行動経済学などにおいて、人々が強制によってではなく、自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語として用いられる。

使い始め以外、普段はいつも通り買い物をしているだけで寄付がされる仕組みは、ナッジにおける「デフォルト(default)」に該当します。これは良い選択がデフォルトとなるようにするもので、例えば「シカゴの給食において、児童の取りやすい位置にサラダなどの健康的な料理を設置後、野菜摂取率が3割アップした。」という事例もあります。
ヘラルボニーカードの場合、「寄付をする手間が”カードを選ぶという一度きりの決断”に集約している」ので、寄付をしている状態がデフォルト化されます。サブスク契約とも似ていますね。

その月に寄付されたポイント数が表示される仕組みは、ナッジにおける「フィードバッグ(Give feedback)」に該当します。これは選択したものが及ぼす結果に対して適時、適切なフィードバックを与えるもので、他には「冷蔵庫の警告音システム」などの事例が当てはまります。
ヘラルボニーカードの場合、デフォルトによって消されている使用実感が、この数字により役立っている手応えとしてフィードバックされるので、「顧客が行動した結果の効果(寄付額)を実感し続けられる」状態になっているのです。


楽しいことをしてるだけなのに、いいことをしてる気分

これは個人的な使い方に依る部分が大きいですが、ヘラルボニーカードを「生活費や必要経費以外の趣味や遊びの余剰費の支払い専用」に使っているので、私が楽しくしている行動が、不思議といいことにもつながっている状態です。楽しみが寄付につながっているので、楽しいけど少し大きい支出へ感じていた後ろめたさもだんだん減ってきました。

この「手間無く無理せずいいことをしている気分」は思いのほか心地良いもので、日々の生活が0.1%分だけ底上げされた気持ちになっている感じがしています。
こういった毎日の小さい生活一つ一つが意思表示になって、どんな社会がいいですか?という問いへの投票活動につながるんだなと思うと、良いサービスを見つけるのは時に手間もありますが、怠らないで色々を選んでいきたいですね。


以上、プリペイドカードに続いてクレジットカードのGood CXでした。家計管理や支出サービス選びはもう趣味に近いので、何か面白いサービスなどがあればぜひ教えてください!待ってます。
それでは。

(執筆者:デザインリサーチャー 相馬)


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