ポケットメモ#88 食べたら、片付けて!
◾️今日のポケットメモ
夏みかん 卵 食べ放し
***
いつものウォーキングコースには、夏みかんの大きな木がある。
その家の方は、夏みかんがあまりすきではないのか。
もう半年ほど、成りっぱなしだ。
しかし。
夏みかんは果物。
いつまでも気になっていられないのだろう。
時々、落ちるようだ。
***
ある日。
そのお宅のそばを通ると。
夏みかんの食べ終わった皮が放置されていた。
夏みかんの外側を綺麗に剥いて。
器のようにして。
中の、剥き終わったふさの皮が入っている。
もちろん、ジューシーな果実の部分は残っていない。
落ちていた夏みかん拾い。
その場で食べたのか?
中のふさも綺麗に剥いてある。
猫や犬が食べた、とは言い難い。
食べ終わった夏みかんから、ほんの少し離れた場所で。
袋に入ったお弁当とお茶。
「一体僕たちを買ってくれた人は、どこに行っちゃったの?」
人待ち顔で、そっと座っていた。
***
朝。
ポストから新聞を取って、玄関から家の中に入ろうとしたら。
玄関ドアの前に。
卵が一つ置かれていた。
真っ白な卵。
うずらの卵くらいの大きさ。
ただ、その卵は。
一部を蓋のようにくり抜いて。
中身は、なかった。
蓋の部分も、10センチくらい離れた場所に置いてあった。
夜遅くに帰宅した夫は。
「玄関前には何もなかったよ」と、言う。
一体、なんの卵?
誰が食べたの?
***
朝食後。
あの卵を、なんとかしないと。
全く。
食べたら片付けてよね。
ホウキを取りに行こうとして、勢いよく玄関を開ける。
バタバタバタバタ。
え? 何?
***
勢いよくカラスが飛んだ。
わたしも驚いたが、カラスも突然玄関を開けられて驚いたらしい。
お隣のブロック塀の上に緊急着地。
玄関のすぐ近くにカラスがいるなんて珍しい。
もしかして…?
カラスを追いかけて、じっと見る。
「アンタが卵を、やったんじゃないの?」
「ワタシ、知りませーん」
そういうかのように。
カラスは目を逸らした。
まるで長い嘴でこじ開けたかのような、卵の残骸。
見るからに、怪しい。
しかし。
実行犯の証拠はない。
…推定無罪だ。
<Fin.>
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