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【実践編】 小学校受験 合格願書作成完全ガイド - 2027年度入試対応・詳細版 -

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実践編の前書き

※本記事は、昨年公開し大反響をいただいた「小学校受験 合格願書作成完全ガイド」をもとに、2026年現在の小学校受験の状況、願書作成を取り巻く変化、ならびにこの1年で私自身が現場で得た知見を踏まえて、全面的に加筆・修正したものです。

昨年の記事に大幅に加筆したため、今年度は基礎編と実践編に分けて公開しています。

また、各章末には、その章の内容を1枚の画像にまとめたものを掲出しました。理解の補助としてお役立ていただくものですが、機械生成の影響で本文の内容から揺らぎがある場合には、本文の記述を優先してください。

なお、この記事の「実践編」より先に、まずは「基本編」で前提の理解を深めることをお勧めします。

「基礎編」は、こちらのリンクからご確認いただけます。
https://note.com/matsushitakenta/n/nfac807dba0ba

小学校受験 合格願書作成完全ガイド - 2027年度入試対応・詳細版 - の「基礎編」では、願書を書く前に必ず押さえておきたい考え方について述べてきました。

学校に対して、ご家庭の教育観、お子さんへのまなざし、日々の暮らしの積み重ね、そしてその学校で学ばせていただきたいという真摯な願いを差し出す、最初の大切な言葉を紡ぐもの、それが願書です。

願書は決して、出願に伴う事務手続きのための無味乾燥な書類ではありません。

また、AIによって一見整った文章が簡単に作れる時代だからこそ、願書にはこれまで以上に「そのご家庭にしか書けない言葉」が求められます。

学校案内の言葉をなぞっただけの志望理由や、どの家庭にも当てはまるような教育方針では、読み手である先生方に、実際の親子の暮らしや子どもの姿は伝わりません。

基礎編で繰り返しお伝えしてきたのは、願書作成の土台です。

学校を知り、家庭を見つめ直すことの重要性を認識した上で、子どもの日常を丁寧に拾うご両親だからこそ描ける文章。その文章をもとに面接では、適切な形で夫婦で教育観を言葉にすることが求められます。

学校の理念と家庭の暮らしを往復させながら、自分たちの言葉で表現することができて初めて、願書は「それらしく、うまくまとまった文章」ではなく、ご家庭の姿が伝わる文章になります。

「基礎編」における解説を通じて、願書作成における基本的なマインドと、そもそもどのような内容をまとめることが求められているかの理解について土台を固めることができた方を対象に、この「実践編」ではそこからさらに一歩踏み込んだ、これ以上にない深い解説を試みます。

基礎編の土台のうえに、実践編では、いよいよ実際の願書の言葉に踏み込んでいきます。

お子さんの個性の描き方、保護者としての姿勢、学校ごとの留意点、避けるべき表現、そして提出後の面接準備まで、実際に願書を仕上げる段階で、多くの保護者が迷い、闇の中を彷徨う点を順に追って、それらを明確な光で照らしながら整理を進めていきます。

ただし、あくまで留意していただきたいのは、
本稿は「この通りに書けばよい」という例文集ではないということです。

願書において最も避けたいのは、他の家庭の言葉を借りて、自分たちの願書のように取り繕ってしまうことです。

たとえ表現としては美しく見えても、そこにお子さんの実際の姿や、保護者自身が迷いながら積み重ねてきた関わりがなければ、文章は見知らぬところから借り物に見えてしまいます。

ですから、実践編ではむやみに長々とした完成例文を並べるのではなく、具体例と合わせて考え方の方向を示します。

たとえば、「優しい子です」と書く代わりに、どのような場面を思い出せばよいのか。あるいは「学校の理念に惹かれました」と書く前に、どのように学校の教育と家庭の実践をつなげて考えればよいのか。

本稿では、読者がご自身の家庭に置き換えて考えられるよう、そのための見方を示していきます。

「基礎編」でも触れたように、願書作成に、万能の型はありません。

しかし、学校の先生方に読んでいただく文章として、避けるべき書き方は確かにあります。

子どもの姿が見えない文章、保護者が子どもを外から評価しているだけに見える表現、学校への敬意よりも家庭側の評価や要望が前に出るように読めてしまう言葉、面接で深く聞かれた時に保護者自身の言葉で語れない内容……。

これらが先生方にどのような印象を抱かせてしまうか、そして学校と家庭の間にいかに深い溝を刻んでしまうかを、正しく理解してさえいれば、自ずと書くべき方向性も明らかになっていきます。

どれほど丁寧な言葉遣いで体裁だけを整えても、先生方が「このご家庭にお会いしてみたい」と感じる願書は、ほんの一握りです。

その一握りの願書には、そのご家庭が日々の中で何を大切にしてきたかが具体的に伝わる文章があり、確かな実感が伴っています。

入学後、学校と共に子どもを育てていく覚悟を誠実に示す文章の一つひとつが、願書の内容を支えていきます。


📚 実践編の構成

実践編は、ご家庭がこれまで積み重ねてきた日々を、学校に対して失礼のない形で、誠実に、具体的に、そして読んでいただく先生方に届く言葉へ整えていくための内容です。

構成としては、
1 で子どもの実態に関する記述方法を解説し、
2 で保護者の姿勢を以下に示すかをお伝えします。

ここまでで家庭の内側の表現方法を明示します。

その後、
3 で各学校別に、必ず意識したい点を順を追って解説します。

この章では、家庭の外側にある学校の基準を学んでいただき、内側にあるものがいかに外側へと接続していくべきかを理解していただくことを狙いとしています。

そして、
4 では、多くの方が陥ってしまいがちなNG表現の代表例を取り上げます。

意識して注意深く書いたつもりでも、先生方には「こんなふうに読まれてしまう」ということをよく理解して願書を完成させるために必須のパートです。

最後に、
5 では、提出に伴う注意点や、提出後に迎える面接、さらによく寄せられる質問(特に今年度に向けて)に対する回答をまとめました。

これまでの解説で触れることができなかった点や、再度強調して示しておきたい点など、願書を書くだけでなく、その後に続く部分までを含めてを解説することで、全方位の対策を完結できるようにしています。


「基礎編」と併せて、この「実践編」をお読みいただくことによって、みなさんが合格に向けた道を自信を持って歩んでいただけることでしょう。

考査・面接当日に不安を持ち越すことなく、ご家庭として最大の安心をお守りにして会場へ向かえるように、願書作成に先立って「基礎編」および「実践編」の内容を確実に読み込んでおくようにしてください。

前書きのまとめ

理解の補助のために、機械的に生成した画像のため、あくまで参考程度にご覧ください



1. お子さんの個性をどう表現するか

願書を書き始めると、多くのご家庭が最初につまずくのが、お子さんの個性の表現です。

「優しく思いやりがあります」
「好奇心旺盛で、何事にも前向きに取り組みます」

いずれも実際に、保護者の目を通してみるとそのようなお子さんなのでしょうから、このように書いて間違いというわけではありません。

けれども、願書で表現する言葉としてはあまりに抽象的すぎて、このままではお子さんの姿がぼんやりと霞んだままになってしまいます。

そのように一度立ち止まって考えてみると、「お子さんの個性をどう表現するか」という問題は、かなり慎重に考える必要があると気付かされます。

性格を説明するのに、むやみな「性格名」のラベルをつけるのがいかに無意味であるか

ここを理解した上で考えれば、子どもをある種の完成された姿として飾るのではなく、成長の途中にある姿を丁寧に描く必要性に思い至ります。


性格の名前ではなく、場面で伝える

「優しい子です」と書かれていても、その優しさがどのような時に発揮されているのかによって、内実は異なると言えるでしょう。

困っている友だちにすぐ声をかけるような積極的な姿に現れているのか、それとも相手の様子を見てからそっと手を貸す優しさなのかによって「優しい」という言葉の持つ印象も変わります。

自分のしたいことを少し我慢して譲る優しさであれば、その優しさが学校生活の中でどのように発揮されうる可能性があるのかという点についても、読み手である先生方に伝わる姿は異なると言えるでしょう。

実際のところ、願書で必要なのは、わかりやすい「性格の名前」を挙げて紹介することではありません。

望ましいあり方は、その子らしさが表れた姿や、その具体的な場面を、親の目で丁寧に観察し、表現することです。

たとえば、「好奇心旺盛です」と書くより、散歩の途中で見つけた虫の動きをじっと見つめ、帰宅後も図鑑を開いて足の形や羽の模様を確かめていたその様子を書く方が、その子らしい学びに向かう姿勢は伝わります。

また責任感があるということを表すには、社会問題のようなあまりに大袈裟なことを書くよりも、家族の中で任された小さな仕事を、気分に左右されずに自分の役割として続けてきたことを書く方が、幼児らしい責任感として自然です。

「思いやりがある」ということを表現したいと考える保護者は多くいらっしゃいます。その場合、年下の子が靴を履けずに困っていた時、すぐに代わりに履かせるのではなく、隣にしゃがんで待ち、最後に少しだけ手を貸したといったような具体的な場面を書く方が、その子の他者への向き合い方が見えてくるものです。

これらは、願書の中で性格を表す言葉を使ってはいけないということをお伝えしたいわけではありません。ただし、性格の言葉だけが先走ってしまうと、続く文章が「親による評価」に陥りやすいのです。

親が我が子につけた評価を、学校が知りたいわけではありません。

実際の生活の中で、その子がどのように物事や他者と向き合っているのか、そして親がそれをどのように受け止めて、性格のラベリングを行うのではなく、今後の成長の可能性や素地としてどのように捉えているのかです。


完成された子どもとして書かない

もう一つ注意したいのは、お子さんを、その時点で「完成された存在」のように書かないことです。

「最後まで諦めません」とか、「誰に対しても優しく接することができます」あるいは「自分で考えて行動できます」といった表現は、わかりやすく、そして一見立派ですらあります。

しかし、幼児期の子どもの姿としては少し「完成」しすぎているとは思えませんか?

本当に毎回、最後まで諦めないのでしょうか。いつも誰に対しても優しくできるのでしょうか。

幼児期の子どもは、迷い、泣き、怒り、立ち止まり、そういった揺り戻しを繰り返す中で、少しずつ前に進んでいく存在です。その揺れを消してしまうと、願書の中の子どもは、現実の子どもではなく、親が望む理想像を描いているように見えてしまいます。

むしろ願書では、成長の途中を丁寧に描いた方が、誠実に伝わります。

たとえば、

「何事にも粘り強く取り組みます」と書くより、

「より幼い頃は思い通りにいかないと手を止めてしまうこともありましたが、最近では少し時間を置いて、もう一度自分から取り組もうとする姿が見られるようになりました」

と書く方が、その子の成長や変化が見えます。

幼児の段階で、そんなに完璧なお子さんはいません。けれども、親としてどんな資質を身につけることに価値を置いた上で子どもの課題を見ているのか、そして成長を見守ってきたのかが伝わってきます。


長所と課題は表裏一体

また、長所と課題は、完全に切り離せるものではありません。

好奇心が強い子は、もしかすると見方によっては目の前のものに夢中になりすぎて、切り替えが難しいというふうに捉えられることがあるかもしれません。

自分の考えをしっかり持っている子は、友だちの意見を受け入れるまでに時間がかかるこだわりを持っていると捉えられることがあります。

大切なのは、子どものある側面を、矯正すべき課題として否定することではなく、その特徴を親がどのように受け止め、集団への適応を図るための調整と、良いところは良いところとしていかに支えてきたかを書くことです。

自分の考えを強く持つお子さんなら、「自分の考えを持って行動できます」で終わらせるのではなく、

「友だちと意見が異なる場面では、自分の思いを無理に押し通すのではなく、相手の考えを聞いてからもう一度考え直すことの大切さを、家庭でも繰り返し伝えてまいりました」

という方向で考えると、親の願いを込めた関わりが見えてきます。

慎重なお子さんなら、(ややよくある言い方になってしまいますが)

「初めての場面では周囲を周囲の様子をよく見てから、自分なりに考えをもって動き出す姿がございます」

と書くことで、慎重さを弱点としてではなく、その子なりの世界の受け止め方として伝えられます。

願書でお子さんの個性を書く際には、長所を並べて誇示するような形にならないように気をつけたいものです。

その子が実際に見せる「自分らしさ」を親として冷静に受け止めて、適切な成長に向けて、押したり引いたりしながら育ちを支えてきた歩みを伝えることが、我が子の成長を願う親としての誠実な向き合い方と言えるでしょう。


能力比較よりも示すべきもの

まず避けたいのは、実際の行動を伴わない、抽象的な言葉だけで終わることです。

「明るい」「優しい」「頑張り屋」「好奇心旺盛」「リーダーシップがある」「協調性がある」などの願書に頻出する言葉は、補助的に使う分には構いませんが、その言葉ひとことだけで説明を終えると、子どもの姿が読み手には全く想像できないまま、上滑りなものになってしまいます。

また、

「同年齢の子より理解が早い」
「大人顔負けの集中力があります」

といった能力比較や成果の強調も、願書を書く上では慎重に扱うべきです。

学校が知りたいのは、他の子と比べて優れているかではなく、入学後、集団の中で学び、友だちと関わり、先生方の導きのもとで育っていく素地を備えているかという点です。

お子さんを立派に見せようとしすぎるほど、現実の子どもの姿から離れてしまい、そして他者との比較に陥ってしまいます。

きらびやかに飾られたゴテゴテの修飾によってその子の姿が霞んでしまえば、学校側としては実態を掴むことができません。

そのためにも、個性をよく表す、その子らしさが伝わる場面を取り上げて紹介することが大切です。


お子さんの姿の具体的なイメージ

お子さんの個性は、性格を説明するより、場面で伝えることをご理解いただけたことと思います。

よく、「エピソードが重要」と言われるゆえんも、ここにあります。

完成された姿ではなく、成長の途中にある姿を描く。

そこに、長所だけでなく、その特徴を家庭がどう受け止め、支えてきたかを書き添える。

こうした視点を持つことで、願書の中のお子さんは、単なる「明るく優しい子」ではなく、実際に会ってみたい一人の子どもとして、読み手の前に具体的なイメージとして立ち上がってきます。

そうなると先生方には、願書を読んでいただいた段階ですでに、「会うのが楽しみな子」という印象を持っていただき、面接までの日程の中でも「どんな子が来てくれるのか」「こうした子を育てている親御さんとはどんな方なのだろうか」という期待を膨らませていただける可能性すら広がります。

出願から実際の考査・面接までの期間を「何の印象もない空白期間」にするか「一刻も早く会ってみたい子」という思いを、先生方に持っていただける印象として焼き付けるか、それは保護者の方の記述にかかっているのです。




さて、このような形でお子さんの個性を具体的に先生方に知っていただいたとして、親御様のあり方を以下に示すかというのは、実は子どもの姿以上に重要です。

むしろ、まだ6歳程度の年齢の子ども達の性質の違いより、その子を育ててきた保護者の数十年の人生観の方が、きわめて「濃い」内容を持っています。

その考えが「偏屈なこだわり」のように捉えられてしまっては、合格は程遠いでしょう。

そうではなく、子どもの成長を真摯に願い、支えようとする親としての姿が、私立小学校の現場で日々子どもたちと向き合っている先生方の深淵な教育観を有する目にどのように映るか。

また歴史と伝統の中で受け継がれてきた大切な価値観を、これから先も、確かに共に担っていけるご家庭であると判断していただけるようにするには、どのような姿勢を示していくことが求められているのか。

これらを適切に学校側に伝えることができる表現について、以下では詳しく解説をします。

子どもの個性、そして保護者の姿勢について正しく学校に伝える表現方法を理解した上で、学校別の留意点も踏まえながら表現を調整することで、ご家庭として自信を持って提出できる唯一無二の願書に仕上げることができるでしょう。

この先は、我が子のために、自身が本気で学び、その子の未来を開いていく覚悟がある保護者の方にだけ読み進めていただければと思います。

第1章のまとめ

理解の補助のために、機械的に生成した画像のため、あくまで参考程度にご覧ください


2. 保護者の姿勢と学校との関わり方

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