見出し画像

どれが当たり?直感が裏切られる確率ゲーム

高校で習った確率・統計の授業、難しく感じませんでしたか?

どのような場合の確率を求めたいのか、は分かる。だけど、式の立て方に自信がない…というか、分からない。

このような人は多いと思います。
ここだけの話、私もよく混乱します。

なので、実際にたくさん試して結果を見れば良いじゃないか!と考えるのは当然のことだと思います。

実は、日常で確率・統計を生かすだけなら、きっちり計算して厳密解を求めなくても大丈夫。Excelのセルを使えばたくさん試せます。そして、大まかな確率なら簡単に求められるのです。

今回は、あるシンプルなゲームを題材にして、勝てる確率をExcelのセルでザックリと求めます。

この記事を最後まで読めば、Excelで確率をシミュレーションするイメージをつかめるはずです!

さぁ、ゲームを始めよう!


ここで取り上げるのは、
3つの箱を使ったゲーム です。

机の上に3つの箱があります。

  • 1つの箱はアタリ。
    中には景品が入っている。
    これを選べれば勝ち。

  • 残りの2つの箱はハズレ。
    中身は空っぽ。
    これを選んでしまったら負け。

プレイヤーはアタリを当てるために、この3つの箱の中から1つを選びます。次にゲームの進行役が、残った箱のうちハズレの箱を1つだけピコピコハンマーでつぶします。

ピコピコハンマーでも頑張れば潰せますの絵

最後に、プレイヤーは箱を選び直すことができます。

  • 最初に選んだ箱のままにするのか

  • もう一方の箱に変更するのか

あなたなら、どちらを選びますか?


どちらを選んだ方が勝てる確率が高いのか?を考えるとき、立式して厳密解を求めようとすると難しく感じます。そこで便利なのが、Excelを使ったシミュレーションです。

このサンプルファイルを使えば、すぐに試せます。

やり方はシンプル。

Excelの乱数関数を使えば、箱の中身やプレイヤーの選択をランダムに決められます。それを繰り返して平均を取れば、自然とアタリを選べる確率、すなわち勝てる確率が見えてきます。

たとえば、次のようにセルを設定してみましょう。

サンプルファイル内の "Simulation" シート
  • C3セル:
    景品が入る箱の位置(1~3をランダム)

=RANDBETWEEN(1, 3)
  • D3セル:
    プレイヤーが最初に選ぶ箱(1~3をランダム)

=RANDBETWEEN(1, 3)
  • E3セル:
    「最初の選択を変えない」場合の判定
    (アタリなら1、ハズレなら0)

=IF(C3=D3, 1, 0)
  • F3セル:
    「選び直す」場合の判定
    (アタリなら1、ハズレなら0)
    ※選び直すときにアタリを選ぶためには、最初にハズレを選んでおく必要がある。

=IF(C3=D3, 0, 1)

あとは、この行を下にコピーして、たくさん試行する。

そして、試行結果の平均を計算すれば、どちらの戦略が有利なのかが数字で分かります。

=AVERAGE(範囲)


💡乱数の種類に注意!

ここで使った RANDBETWEEN は、指定した範囲の整数を一様に(同じ確率で)選ぶ関数です。今回のように『どの箱にも同じ確率でアタリが入る』といった場面には、この関数が適しています。

ただし、モデル化する対象がいつも一様分布とは限りません。たとえば、テストの点数は平均点のまわりに集まりやすいため、正規分布の乱数を使うほうが自然です。

このように、シミュレーションで乱数を使うときは対象に合わせて種類を選ぶこと が大切です。

Excelでシミュレーションすると

結果は明らかです。

シミュレーション毎に結果はバラつきます。
  • 最初の選択をそのままにしたとき:
    勝てる確率は、約1/3

  • 選び直したとき:
    勝てる確率は、約2/3

つまり、選び直した方が圧倒的に勝てる確率が高いのです。

ここで、F3セル([選び直す]場合の判定)を作ったときに、『最初にハズレを選んでおく必要があるのか…アレッ?』と違和感を覚えた人も多いと思います。

まさにその感覚こそが、このゲームの不思議さの正体です。

直感では『どちらでも勝てる確率は同じ』と思いがちですが、この問題を要素ごとに分解して数式化してみると、選び直す方が有利であることが見えてきます。

このように、問題全体を数式化して解くのは難しくても、要素ごとに数式化してExcelに計算させることは、意外と簡単です。


おわりに

確率の問題は、頭で考えると分かりにくく、直感に頼ると間違えやすい分野です。しかし、Excelを使ってシミュレーションすれば、難しい理屈を知らなくても結果が数字で見えてきます。

今回取り上げたゲームで勝てる確率は、直感では50%と思いがちですが、Excelで試すと明らかに差がありました。選び直す方が有利であることを、数字で理解できたはずです。

重要なのは、全体を難しい数式で解こうとしなくてもよい、という点です。部分ごとにルールを数式化してExcelに計算を任せれば、自然と答えに近づきます。学校のテストではないので、答えは完璧でなくても良い判断の方向性さえ分かれば良い のです。
 


🔗 続けて読みたい記事

確率の授業で最初にぶつかる壁、
それは『×(かける)』と『+(たす)』の 使い方ではないでしょうか?


少しでも参考になったと思ったら、
スキやフォローしていただけると、
次の記事を作成する励みになります!


いいなと思ったら応援しよう!

数理モデル屋 もし具体的に何かのお役に立てたなら、チップで応援していただけると励みになります! いただいたチップは、今後の活動に使わせていただきます😊