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2026年4月10日(金)「醗酵飲料(日本酒)・正雪(神沢川酒造場)」

今日の東京は曇り、時々小雨。
朝方の最低気温は16℃、日中の最高気温は19℃。
今日も昨日に続いて春の嵐。恐らく漁師サン達は海に出られなかったんだろうから、明日の市場にはサカナが少ないな(泣)。
今日からは二十四節気清明の次項、七十二候の「鴻雁北(こうがんかえる)」(冬鳥の雁が北へ帰る時季)となりました。
冬の渡り鳥も北へ帰る時季になりましたか。もう春ですからねぇ。さて、

昨日は「醗酵食品・ホヤの切り込み」についてお伝えしましたが、本日は「醗酵飲料(日本酒)・正雪神沢川酒造場)」についてお届けしたいと思います。

正雪。
と言えば、そりゃあ油井正雪でしょう。
でも。
油井正雪と言っても江戸の兵法学者だったと言う程度の知識しかありません。
蔵のHPを見ると、「時代に逆らっても正直に生きた地元生まれの兵法家」と記載されてて、ナニが時代に逆らって正直に生きたのかが良く分かりませんでした。

なので、その人物について調べる為にwikipediaを見てみると、「浪人を集めて久能山を落として駿府城を乗っ取り、江戸では(1651年)7月29日に塩硝蔵に火をつけ、町にも放火し、登城した御三家や老中の屋敷に矢・鉄砲を射かける」という計画を立て、更には「大坂や京都でも騒動を起こすことを準備していた」と記載されてます(コレを「慶安の変」と言う)。
結果としてはその計画が露呈し、捕縛されて自害せざるを得なかったようですが、コレだけ見ると、単なるテロリストか、反幕府運動家にしか見えません。

が、その背景を見てみると、当時は関ヶ原の戦い大阪の陣以降、多くの大名が減封改易されたコトにより、浪人の数が激増、巷に浪人が溢れており、コレが大きな社会不安に繋がっていたと言う状況。
油井正雪は、その根本原因は時の幕府の政治にあると考え、浪人を集めて幕府の転覆と浪人の救済を掲げて起こしたのが「慶安の変」であった、と言うコトらしいです。
まぁ、確かに「時代(≒時の徳川幕府)に逆らっても正直に生きた(≒浪人救済の為に旗揚げした)地元生まれの兵法家」と言う表現は、そうなのかも知れませんね。

うわぁ~、前置きが長くなり過ぎました。
と言うコトで、そんな油井正雪にあやかって名付けられたお酒を造っているのが、静岡は由比にある神沢川酒造場。
その油井正雪の気骨ある姿勢にあやかり、この蔵では「ごまかしのきかない酒」を目指した酒造りを行っているとのこと。

この蔵の創業は酒蔵にしては新し目の1912年(大正元年)なので、ソレでも115年近くの歴史を誇ります。
元々の創業家である望月家は山間部で林業と養蚕業を営んでいたようですが、創業家親子の酒好きが昂じて(?)良い水を求めて現在の由比に移り住んで酒造りを始められたのだとか。
現在でも蔵の横を流れる神沢川(かんざわがわ)は全長がたったの750mしかない二級河川ですが、随分と小さな川のようです。そのお水が良かったんですねぇ。
蔵のHPでも、「神沢川の水は急峻の山から一気に降りてきます。そのため鉄・マンガン・マグネシウムなどをほとんど含まない混り気が少ない軟水です。きれいな酒ができる半面、ごまかすことができません。地酒造りは、その土地の水を知ることから始まり、その水をいかにうまく使うか造り手の腕にかかっています。」と紹介されています。
 
そんなキレイな神沢川の軟水を仕込水として使い、酒米にはそのお水に合う米を厳選、山田錦吟ぎんが雄町誉富士など数種の銘柄を使い分け、その年々の米の出来具合等によってコメの扱い方を見極めているとの由。
使用する麹は、やっぱり(?)静岡酵母との相性を重視、香りを抑えつつも米の旨味を引き出す方向で、年によって異なる気候や米の出来具合・時機を見逃さずに早まらず、蔵人たちが五感を総動員しつつ数値には表れない微妙な塩梅を捉え、必要なだけ手を加えて麹造りを行っているとのことです(←蔵元は酒造りは麹造りと断言!)。
そんな原料を使用して、この蔵では全量和釜蒸米・手造り麹と手間暇を掛け、造ったお酒をより良い状態で消費者に届けられるよう、パストライザークーラーや釜を使った生詰瓶燗や低温貯蔵等を行い、伝統技法と科学的アプローチを両立させつつ、丁寧すぎるほど丁寧な酒造りを行ってます。

現在の蔵元は五代目にあたる望月正隆サン、そして杜氏は1982~2017年迄の長きに亘り神沢川酒造場の酒造りを支え、現代の名工にも選出されたり、黄綬褒章も受章もされたりした南部杜氏山影純悦氏の後を2018年から継いだ榮田秀孝サン(元は奈良の春鹿を造る今西清兵衛商店で酒造りをされてたお方)。
この山影氏から受け継いだ榮田秀孝サンを中心とした若い蔵人たちによって、静岡酵母を使い、透明感のある香り・柔らかな旨味・キレの良い静岡型の吟醸酒造りが行われている、と言うコトのようです。

蔵は由比漁港からも割と近い蒲原海岸の旧東海道沿いにあり(そりゃ、由比は東海道でも16番目の宿場町だったワケですからね)、高い煙突が目印かな。
割と古い建物がある(でもないか…)、ひっそりとした佇まい。中には直販店もあります。
ココで買ったお酒は(訪問時が秋だったので…え?今更??)、秋あがりの純米酒

旧東海道沿いにある神沢川酒造場。煙突が目印。
落ち着いた佇まいの事務所兼直売所。
直販店では色々と売られてます。
生酒系も。
数多くの賞も取ってるんですねぇ。
ココで購入したのは秋あがりの純米酒。円やかな旨味がステキ。

正雪と言うお酒は、全般的にスッキリとした酸・米の甘みと旨味・香り控えめ食事を引き立たす・キレ良く自然と杯が進む、と言われる飲み飽きしない透明感を持つと言われてて、白身魚の刺身やサクラエビのかき揚げ(流石!)・焼鳥(塩)等の素材の味を活かした料理に合うと言われてます。
この「秋あがり」は春の火入れ後の夏の間はマイナス3℃で低温貯蔵されて夏を越し、味わいに円やかさが加わり、程良く熟成した滑らかで円やかな旨味がスバらしいお酒になってます。
勿論、後味のキレの良さも抜群で、サッパリとした秋あがりでした。
どんな食材にも合わせられる、静岡らしいお酒でしたね。
やっぱ、正雪は良いです~!

と言うコトで今週はコレにて。
週末は晴れたり曇ったりのようですが、明日は28℃迄気温上昇の予報です。
おいおい、4月上旬だってのに、もう夏日?先が思いやられます(笑)。
来週初には「未利用魚・カワビシャ」についてお届けする予定です。
それでは、良い週末をお過ごし下さい~!

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