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【なぜ被災者への支援は“貸付”なの?④】|第6回 日本の政治ウォッチング

こんにちは!まるのです。

前回は、緊急小口資金について

「災害によって生活に大きな影響を受け、これから生活を立て直そうというときに、当座の生活費として10万円という金額は十分なのか」

「10万円という金額は妥当なのか」

という疑問を調べる中で、

緊急小口資金は生活福祉資金に該当するものだということがわかりました。

生活福祉資金

├ 総合支援資金
├ 福祉資金
│ └ 緊急小口資金
├ 教育支援資金
└ 不動産担保型生活資金

生活福祉資金の通常の制度上の対象者は、次のとおりです。

  1. 必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」

  2. 障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」

  3. 65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」

ここで注目したのが、

「総合支援資金と福祉資金の違いは何か?」

です。

緊急小口資金以外にも利用できる支援があるのかなと思ったからです。

今回はこの二つを調べていきたいと思います。

総合支援資金と福祉資金の違い

①総合支援資金

総合支援資金は3つあり、それぞれ次のようになっています。

  • 生活支援費:生活再建までの間に必要な生活費用

  • 住宅入居費:敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用

  • 一時生活再建費:生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費でまかなうことが困難である費用(就職・転職のための技能習得、債務整理をするために必要な費用など)

②福祉資金

緊急小口資金が含まれる「福祉資金」には、次の二つがあります。

  • 福祉費:生業を営むために必要な経費、病気療養に必要な経費、住宅の増改築や補修などに必要な経費、福祉用具などの購入経費、介護サービスや障害者サービスを受けるために必要な経費 など

  • 緊急小口資金:緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用

私なりに整理すると、

総合支援資金は、「生活の土台を整えるための資金の貸付」
福祉資金は、「生活上必要となるさまざまな費用のための貸付」

だということだと思います。

③東日本大震災時の岩手県社会福祉協議会の記録

https://www.iwate-shakyo.or.jp/_files/00003735/shinsai_anohi04.pdf

災害時の支援について考えたいので、例として東日本大震災時の貸付支援を見ていきたいと思います。

上記PDFを見ていただくと

岩手県内では平成 23年 3月 16日から緊急小口資金特例貸付の窓口を開設しました。

東日本大震災における生活 福祉資金貸付事業の状況
https://www.iwate-shakyo.or.jp/_files/00003735/shinsai_anohi04.pdf

と書いてあります。
緊急小口資金の特例貸付は震災5日後の3月16日から窓口が開設されました。

緊急小口資金については下記のように記されています。

【緊急小口資金特例貸付の概要】
●貸付対象世帯  次のいずれかに該当する世帯
・東日本大震災の津波被害が報告されている 市町村に居住している世帯。
・東日本大震災発生後、避難所で生活してい る世帯。
・東日本大震災発生後、勤務先が休業となり、 当面の生活費の確保が困難である世帯。

●貸付限度額 10 万円以内  (特に必要と認められる場合には20万円以内)
●据置期間  貸付の日から 1 年以内 
●償還期間  据置期間経過後 2 年以内
●貸付利率  無利子(延滞利子 10.75%)

また、東日本大震災時、
緊急小口資金特例貸付の他に、生活復興支援資金の貸付が行われました。

生活復興支援資金については3種類あり、以下のように記載されていました。

資金種は、生活復興の際に必要な生活費を対象とし た「一時生活支援費」、住宅の移転、家具什器、日常 的な交通手段の自動車等の購入に必要な経費を対象 とした「生活再建費」、住宅の補修等に必要な経費を 対象とした「住宅補修費」の 3種類です

緊急小口資金の限度額は、これまでのシリーズで見てきたとおり、
貸付限度額が10万円以内です。

私の

「災害によって生活に大きな影響を受け、これから生活を立て直そうというときに、当座の生活費として10万円という金額は十分なのか」

という疑問に、ここに記されている

「一時生活支援費」
「生活再建費」
「住宅補修費」

が深く関係してくると思うので、それぞれの貸付の金額を見ていきたいと思います。

生活復興支援資金の貸付対象者

東日本大震災により被災した低所得世帯の世帯主

生活復興支援資金の貸付内容

(1)一時生活支援費(生活の復興の際に必要となる当面の生活費)

 単身世帯…月額15万円以内×最長6か月

 複数世帯…月額20万円以内×最長6か月

(2)生活再建費(転居、家具什器の購入、被災した代替自動車の購入費用等)

 1世帯につき80万円以内

(3)住宅補修費(被災した住宅の補修等に必要な費用)

 1世帯につき250万円以内

参考:葛尾村ホームページ 生活復興支援資金のご案内


私の意見:

「災害によって生活に大きな影響を受け、これから生活を立て直そうというときに、当座の生活費として10万円という金額は十分なのか」

ここまで見てきて分かったことは、

対象者:低所得者に対して
緊急小口資金としては10万円以内の貸付しかないですが、

必要な方には、緊急小口資金とは別に、生活復興支援資金という貸付制度も用意されていたことがわかりました。

私が特に気になっていたのは、賃貸の方の生活費でした。

なぜかというと、

引越し代や毎月の家賃の支払いは結構な負担なのではないか?
10万円では、家賃を出費すると余るお金が少なく生活が大変ではないのか?

と心配だったからです。

でも、生活再建に必要な転居費用などについては、別途「生活再建費」という貸付が用意されているということがわかりました。

ただ、これは家賃そのものを支援する制度ではないので、「10万円で当面の生活費として十分なのか」という最初の疑問が完全に解消されたわけではありません。

災害時の支援の課題

上記でも参考ページとして添付した葛尾村のホームページを見てみてください。

葛尾村ホームページ 生活復興支援資金のご案内

右上の更新日に注目すると、2011年7月22日となっています。

東日本大震災の日付は2011年3月11日です。

ということは、このページは震災から4ヶ月半ほど後のものになります。

緊急小口資金は先ほど述べた通り、岩手では震災後5日後の3月16日に窓口が開設されています。

一方、葛尾村では7月22日に生活復興支援資金の案内が更新され、7月25日から受付開始されました。

申し込みは平成23年7月25日(月曜日)から受け付けます。

葛尾村ホームページ 生活復興支援資金のご案内

同じ東日本大震災でも、支援の種類によって開始時期が違うのです。

葛尾村でこの支援を利用できるようになるまでに4ヶ月以上かかっていたのだとすれば、緊急小口資金だけでは生活が苦しかった被災者にとっては、
遅すぎるのではないかと思います。

被災地の公的機関や金融機関がストップしていたら迅速な対応は難しいかもしれないと思うと同時に、
だからと言って被災者が生活を再建するための支援を利用できるようになるまでに、もし4か月以上かかるのであれば、遅すぎると私は思います。

災害時の資金支援の迅速な対応ができるように制度を再考するべき今後の課題なのではないか、
というのが私の意見です。

でもまだ、「なぜ被災者への支援は"給付”ではなく“貸付”なの?という疑問の明確な答えは出ていません。

前々回の記事「なぜ被災者への支援は"貸付"なの?②」では、

「災害時の一時的な支援だけでなく、その後の生活が自立できるための頭金として貸付を行っているのではないか」

という推測をしました。

一次資料を調べてみましたが、「給付」だけではなく「貸付」もする理由を明示している資料が見つからなかったからです。

でも、分かったことがあります。

「生活保護制度にも、生活福祉資金貸付制度にも、『生活の安定や自立を支える』という考え方がある」

これは「なぜ被災者への支援は"貸付"なの?②」の記事でも述べたことです。

私なりの結論

今回調べた生活保護制度や生活福祉資金貸付制度には、

最低限の生活を保障するだけでなく、
その後の生活の安定や「自立」を支えるという考え方があることがわかりました。

「被災=給付」と考えてしまいがちですが、

今回調べた制度には、「自立を促す」という考え方があるんですね。

災害時、お見舞金としての給付は必要だと思います。

でもなぜ、災害時に貸付の制度あるのかという問いに対しては、

「災害だから貸付なのではなく、今回調べている生活福祉資金という制度自体が、生活の安定や自立を支えるための『貸付+相談支援』として設計されているため」

だと私は結論づけました。

最後に:なぜ、「被災者への貸付」がSNSで批判されているのか

私がSNSを見ていて感じたのは、

税金の使われ方に対する不満が、

なぜ被災者には貸付なの?」という批判につながっているのではないか

ということです。

こういったSNSの情報を毎日のように目にしていて、私も

税金負担率高いんだ。今の日本はダメだ。どうにかしなければ。

と思っていました。

でもこの情報はSNSから得たもので自分で一次資料で調べたことがありません。

なので、次回からは

「私たちの税金はいったい何に使われているのか?」

「使途は納得いくものなのだろうか?」

を深掘りしていきたいと思います。

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最後まで読んでくださってありがとうございました!



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