【なぜ被災者への支援は“貸付”なの?②】|第4回 日本の政治ウォッチング
こんにちは!まるのです。
見にきてくださってありがとうございます!
今回のテーマは「なぜ被災者への支援は“貸付”なの?」のシリーズ2回目です。
前回は、被災者への支援は貸付だけでなく、給付もあるということがわかりました。
その中で、
なぜ緊急時の生活支援を「給付」ではなく「貸付」で行う制度が存在するか?
という疑問が新たに生まれました。
今回はそこを深掘りしていきたいと思います。
補足として、緊急小口資金についてわかりやすくまとめたサイトがあったので添付します。
支援が必要な方の参考になるかもしれません。
①なぜ災害時の支援に貸付という制度があるのか一次資料を調べてみた
実際に一次資料を検索してみましたが、
「なぜ災害時の支援に貸付という制度があるのか」
を明確に明示している資料を私は確認することができませんでした。
しかし、目的について参考になりそうな資料があったので、まとめてみます。
「緊急小口資金」は、低所得者世帯(※)が、緊急かつ一時的に生活維持が困難になった 場合に、その世帯の生活の安定と経済的自立を図ることを目的として、必要な相談支援 と貸付を行います。
https://www.knsyk.jp/application/files/4117/2826/4526/r6koguti.pdf
緊急かつ一時的に困窮している世帯が、資金の貸付によってその後の生活および返済の見通しが立つ場合であって、一時的に生活困難となった理由が、定められた貸付対象理由に該当する場合に対象となります。
暮らしでお困りの方への資金貸付制度について
https://tama-shakyo.jp/problems/%E7%94%9F%E6%B4%BB%E7%A6%8F%E7%A5%89%E8%B3%87%E9%87%91%E8%B2%B8%E4%BB%98
貸付対象
低所得者世帯 必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
障害者世帯 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯
高齢者世帯 65歳以上の高齢者の属する世帯
生活福祉資金貸付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html
ここまでを見ると、生活福祉資金貸付制度は、単にお金を貸すだけではなく、生活の安定や経済的自立を支援する制度として位置づけられていることがわかります。
そこで、そもそも「なぜ経済的自立を政府が促す」のかについても、一次資料から探してみました。
生活保護法(昭和25年法律第144号)
(この法律の目的)
第 一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する 理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
「自立を助長する」
公私の扶助を受けず自分の力で社会生活に適応した生活を営むことのできるように助け育てて行くことである。
社会保障審議会-福祉部会第9回(H16.4.20)資料2
社会福祉事業及び社会福祉法人について(参考資料)
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/s0420-6b2.html
また、生活保護法が理念としている日本国憲法第二十五条も調べてみました。
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
日本国憲法
https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION
と定められています。
②災害時に給付だけでなく貸付制度がある理由 : 私の推論・考察
ここまでの資料から分かったことは、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有している」
そして、
「その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する」
という考え方が、日本の社会保障制度の中にあるということでした。
また、生活福祉資金貸付制度についても、単に資金を貸すことだけではなく、経済的自立や生活の安定を目的としていることが確認できました。
これらの資料から考えると、私は、災害時に給付だけでなく貸付制度がある理由として、
「災害時の一時的な支援だけでなく、その後の生活が自立できるための頭金として貸付を行っているのではないか」
と推測します。
ただし、ここで一つ注意したいことがあります。
これらの資料から、
「災害時の緊急小口資金は、被災者の経済的自立のための“頭金”として貸し付けている」
と政府が明確に説明しているわけではありません。
そのため、これはあくまで現時点での私の推測です。
つまり、
「なぜ給付ではなく貸付なのか?」
という疑問については、まだ完全に答えが出たわけではありません。
むしろ、ここまで調べたことで、次の疑問が生まれました。
その経済的な自立や生活の立て直しを支援するための金額として、緊急小口資金の10万円という金額は妥当なのでしょうか?
緊急小口資金の貸付限度額は、現在の通常制度では10万円以内とされています。
貸付限度額:10万円(借入理由により限度額が低くなる場合があります。)
緊急小口資金
社会福祉法人 世田谷区社会福祉協議会
https://www.city.setagaya.lg.jp/02412/2964.html
10万円という金額は、緊急かつ一時的に生活が困難になった人を支える金額としては、少なすぎるのではないでしょうか?
ただし、災害時には通常の制度とは別に特例措置が設けられる場合もあります。
例えば、東日本大震災の際には、被災世帯を対象にした緊急小口資金の特例措置が設けられ、原則10万円以内、特に必要と認められる場合には20万円以内とされていました。
厚生労働省「生活福祉資金貸付(緊急小口資金)の特例について」https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r985200000156ki.pdf
このように、災害時の「10万円」という金額についても、制度の本則と災害時の特例を分けて考える必要がありそうです。
そこで次回は、
「緊急小口資金の限度額10万円」は、経済的自立や生活の立て直しを促すための貸付金額として少なすぎるのではないか?
という疑問について、さらに深掘りしていきたいと思います。
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