読書記録55|真夜中に読むと危険?!お腹も心も刺激する短編アンソロジー『眠れぬ夜のご褒美』
こんばんは。
「長編を読むほどの体力や時間はないけれど、読書はしたい……」
そんな気分の時にぴったりなのが短編アンソロジー。
今日ご紹介するのは、標野凪さん・冬森灯さん・友井羊さん・八木沢里志さん・大沼紀子さん・近藤史恵さんによる6つの“夜”の物語を収録した『眠れぬ夜のご褒美』。
1話あたり30分ほどで読めるので、どうしても眠れない夜にそっと開くのもおすすめです。
注意:目次より下からネタバレを含みます。
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▶ この本の内容
夜の時間帯を舞台に、6人の作家さんが描く短編小説集。
前向きになれるもの、思わぬ展開が待ち受けているもの、夜食の誘惑に抗えない美味しい物語、少しファンタジーが香る話……。
作品ごとにまったく違う色が楽しめて、1冊で6つの世界を味わえる贅沢さがあります。
新しい作家さんとの出会いにもつながる、嬉しい1冊です。
▶ この本の感想
◎美味しい小説
美味しい物語で知られる作家さんが揃っているだけあって、食べものの描写が本当に魅力的。
私は昼間に読んでいたのでセーフでしたが、真夜中だったら危なかった……!
特に印象的だったのが
・『深夜に二人で背脂ラーメンを』の背脂どっさり豚骨醤油ラーメン
・『ペンション・ワケアッテの夜食』の特製おにぎり
・『正しくないラーメン』の韓国激辛インスタント麺
などなど。
夜に読むと確実に飯テロを食らいます。
『眠れぬ夜のご褒美』ではありますが、ダイエット中の方はぜひ日中に!
◎先が気になって眠れない……?
3話目の『深夜に二人で背脂ラーメンを』では、タイトル通り、主人公とその友達が、2人で深夜にラーメンを食べに行くのですが、その道中を中心に物語りが進んでいきます。
読み進めるごとに不穏な空気が流れてきて……
「気になって先が寝れない……」となるかもしれないので、この話を読む日は、30分確保できる日のほうがいいかもしれませんね。
読み終えた頃には、タイトルに込められた意味になるほどと唸りました。
◎羨ましさと切なさが入り混じる
5話目『夜の言い分。』では、子育てや仕事で疎遠になった女性たちが、40代になって「夜食会」として再び集まります。
ビールやドリンクバー、軽食にデザート。
お気に入りのファミレスで、近況報告や愚痴を語り合う姿が本当に羨ましい。
私自身、最近は周囲が出産や子育てのフェーズに入りつつあり、共通項が減っていく寂しさを感じているところでした。
だからこそ、“疎遠になった関係がアラフィフになって再び交わる”この物語は、とても希望を感じさせてくれました。
ただ、この話は楽しい空気の中に、少し切なさが滲んでいます。
登場人物たちはこれまで結婚、子育て、離婚、転職など様々な経験を重ねてきた女性たち。そのなかでも語り手は何を経験してきたのか……ぜひ読んで確かめてみてください。
◎まとめ
本作では語り手自身が悩みを抱えていて、前向きにさせてくれる読後感の物語が多いので、モヤモヤを抱えている日や元気を出したい日に読むのが良いかもしれません。
どの話にも食べものが登場し、いくつかは特に料理に焦点を当てているので、食欲が出ない方にもぴったりではないでしょうか。
夜寝る前にちょうど良いくらいのボリュームではありますが、思わずお腹が空いて起き上がってしまうかもしれないので、飯テロを避けたい方には日中読むのがおすすめです。
▶ この本をおすすめしたい人
・作家さんとの新たな出会いを求めている方
・気軽に読める小説をお探しの方
・前向きになれる作品をお探しの方
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