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【M&A実録】約20年育てた会社を4億円で売却。会社売却を決めた日(第1話)

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【M&A実録】
4億円で会社を売るまで

第1話

DD(デューデリジェンス)の質問票を開いた瞬間、
私は会社を売るのをやめようと思った。

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会社を売ることを決めた。

何年もかけて育ててきた会社だった。

決して簡単な決断ではなかったが、何度も考え抜いた末に「このタイミングしかない」と腹を括った。

基本合意も終わった。

あとは細かな確認をして契約するだけ。

当時の私は、本気でそう思っていた。

「ここまで来たら、もうゴールだ。」

そう思っていた。

でも、それは大きな勘違いだった。

数日後、M&A仲介会社から

一通のメールが届く。

件名は

「デューデリジェンス(DD)資料ご提出のお願い」

だった。

DDとは、買い手が会社を買う前に行う最終調査である。

財務。

法務。

労務。

税務。

会社の健康診断ではない。

会社の価値をもう一度ゼロから査定する作業だ。

つまり、

「本当にこの会社を、この価格で買っていいのか。」

それを徹底的に調べる時間だった。

私は深く考えずにメールを開いた。

添付ファイルは3つ。

財務DD。

法務DD。

労務DD。

一番上のExcelを開く。

最初の質問を読む。

スクロールする。

まだ終わらない。

もう一度スクロールする。

まだ終わらない。

スクロールバーを一番下までドラッグした。

バーは、ほとんど動かなかった。

その瞬間、

思わず独り言が出た。

「……終わった。」

質問は100個でもない。

200個でもない。

終わりが見えない。

経理規程。

稟議規程。

契約書。

押印ルール。

就業規則。

未払い残業。

取締役会議事録。

反社会的勢力への対応。

次から次へと質問が並ぶ。

「そんなもの、うちにはない……。」

その瞬間から、私の頭の中は

「会社をどう成長させるか」

ではなく、

「会社は本当に売れるのか」

に変わってしまった。

夜中まで資料を探した。

税理士に電話した。

社労士にも連絡した。

Excelを開いては閉じる。

開いては閉じる。

何度も思った。

「減額される。」

「破談になる。」

「会社を売るなんて、やっぱり無理だったのかもしれない。」

もし、今この文章を読んでいるあなたがDDの真っ最中なら。

きっと同じ気持ちではないだろうか。

大丈夫。

私も全く同じだった。

でも、DDが終わった今だから言えることがある。

私は、一番大きな勘違いをしていた。

買い手は、

質問の答えを知りたかったわけではない。

質問の向こう側にある"会社の本質"を見ていた。

それに気付いた瞬間、

DDは恐怖ではなく、

「買い手の考え方を知る時間」

へ変わった。

私は今でも、当時のDD資料をすべて保管している。

財務DD。

法務DD。

労務DD。

PMI資料。

そして、買い手とのやり取り。

改めて読み返して気付いた。

膨大な質問に見えたあの資料も、

実は"たった8つの目的"しかなかった。

もし当時の私が、その8つを知っていたら。

眠れない夜は、もっと少なかったと思う。

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次回予告(第2話)

「DDの質問は2,000項目。でも、買い手が本当に知りたいことは8つしかない。」

実際のDD資料を使いながら、

・なぜこの質問をするのか

・買い手は何を確認しているのか

・どう答えればいいのか

を、実例を交えて解説します。

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この連載は、私自身が経験したM&Aをもとに書いています。

守秘義務や関係者への配慮、匿名性を守るため、金額・業種・時系列・登場人物など一部は再構成しています。

しかし、DDで感じた恐怖、価格交渉のプレッシャー、契約直前の葛藤、PMI、そして会社を売却した後に感じた現実は、できる限りありのままお伝えします。

この連載が、今まさにM&Aを進めている経営者の不安を少しでも減らし、より良い意思決定の助けになれば幸いです。

もし今、M&Aの真っ最中なら。

あなたは、一人ではありません。ぜひフォローして、最後までお付き合いください。

【M&A実録】

第1話 会社を売ろうと思った日 ←今ここ

第2話 基本合意の裏側(無料)

第3話 「減額なら売らない」と決めた日(無料)

第4話〜第14話 有料マガジン

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