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バス、タクシー、トラックで利用される動態管理ってどんなもの? ~GPS追跡装置⑤~|宇宙一わかりやすく解説|GPSの基礎の基礎#12

GPS追跡装置の用途についての第5回目です。
今回もあまりみなさんには馴染みのない内容かもしれませんが、最近の流行りと言っていいかもしれません。
なぜ最近になって流行っているのか?というところがポイントです。


商用車の動態管理の用途

こう言われてピンと来るでしょうか?
それとも”???”という感じでしょうか?
商用車というのは、一言で言うと業務として利用されている車両のことですが、要するにトラックとか、バス、タクシーなどです。
動態管理とは、その車両がどこにいてどういう状態なのか?というのをリアルタイムで把握して管理することです。

つまり、トラック、バス、タクシーなどの車を、GPSで計測したリアルタイムの位置情報を使って管理するよ。
ということです。

カーナビとの違い

車でGPSと言えば、カーナビがあるんじゃないの?と思われるかもしれません。
カーナビとの違いは、位置情報を利用するのが運転している本人か、車の外にいる人か、ということになります。

カーナビは運転している人が自分の位置を把握することで、目的地までのルートを案内してもらうことが目的ですよね。
一方、動態管理は外で監視している人が、複数の車の位置を把握することで、まとめて管理することが目的です。そのため、それぞれの車には位置情報を送信するデータ通信の機能が必要です。ここらへんは、前の記事でも説明した「見守りGPS」と同じですね。

バスやタクシーの動態管理

バス、タクシーについては、ずいぶん前から動態管理するシステムが導入されています。

バスロケーションシステムでバス待ちのストレスが無くなった

バスについては、基本的に決まったルートを時刻表のとおりにしか走らないので、動態管理とは少し違うかもしれませんがバスロケーションシステムが一般的になって、利便性が良くなりました。
あと何分で到着する、といった運行情報が利用者にもリアルタイムでわかるようになったのです。

私が実家から通学、通勤していたころ(30年くらい前の話ですが。。)は、いつ来るかもわからないバスを永遠と待つ、というのが日常茶飯事。

「実家を出る時は、絶対に駅から徒歩圏内に住むんだ!」

と当時心に誓ったものですが、今ではだいぶ事情も異なるのかもしれませんね。

タクシーは配車システムが劇的に変化

タクシーの配車システムと言えば、歴史はかなり古く1950年代にタクシー無線が導入されたのがはじまりのようです。
昔の配車システムと言えば、配車センターからすべてのタクシーに向けて
「○○町▲▲番地までお願いしまーす」
と無線を流すと、近くにいるタクシーの運転手が
「××号車向かいまーす」
と答えて現地に向かう、といった感じでしたね。

実は私はタクシーを利用することがほとんどないのですが、昔のタクシーについてはなぜか良く覚えてます。

それが時代の流れと共にどんどん進化していって、1990年代には早くもGPSを使用した配車システムが登場。
2010年代になると、アプリでボタン一つで近くのタクシーが呼べて、呼んだタクシーが今どこを走っているかもわかる。
といったところまで進化しました。

トラックなど、物流業界の動態管理

バスやタクシーの動態管理は、一般の人の利便性に直結するのでとても分かりやすいですよね。
一方で、物流業界におけるトラックなどの動態管理とはどんなことをするんでしょう?
実は物流業界の動態管理は、最近になってとても注目されているのですが、その理由を説明したほうが分かりやすいと思います。

物流の2024年問題で注目されている

実は日本の物流業界には、「物流の2024年問題」というのが大きな話題になっていました。ニュースなどでよく取り上げられていたので聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

どういう問題かというと、働き方改革に伴ういろいろな法改正の中で、2024年の4月からトラックドライバーの時間外労働時間に上限が設けられたのです。

トラックドライバーと言えば、深夜の長距離移動が当たり前。しかも、物流業界はただでさえ以下のような課題を抱えている状態でした。

  • 少子高齢化で、人手不足が深刻

  • コロナ渦を発端としたECサイトの普及で、荷物の量が増加している

  • 燃料高騰で輸送コストが増えている

こんな時に、追い打ちをかけるようにドライバーが働ける時間に制限される、ということで大きな問題になりました。

動態管理が物流にどう役立つのか?

ということで、物流業界が大変なことになっているということはわかったと思います。そこでGPSによる位置情報を利用した動態管理が、どう活躍するのでしょうか?

自社のトラックドライバーの稼働時間を管理しないといけない

普通の会社でも社員の稼働時間を管理して、サービス残業などが行われないようにしないといけませんよね。
運送業を営む事業者も同じです。自社のドライバーが稼働時間を守っているかを管理しなければならなくなりました。

会社みたいに、仕事をしてる時は特定の場所に居るわけではないので、GPSを使って働いてる時間を管理しようというわけです。

無駄を省いてたくさん運べるようにする

時間外労働が出来なくなるわけなので、たくさんの荷物を運ぶために働く時間を増やすことは出来ません。
そうすると、限られた時間でより多くの荷物が運べるように工夫するしかないわけです。

そのために複数のトラックの位置情報をリアルタイムで管理。配送ルートを最適化したり、荷物の配分を効率化することで安くたくさん運べるようにしようというものです。

こういった働き方改革の取り組みは、ドライバーにもメリットがあることのように思われますが、今まではドライバー自身の裁量で決めてよかったものが、会社に管理されるようになったわけです。
実際、デメリットのほうが大きい、と感じている人もけっこう多いのではないでしょうか。

夜の高速道路のサービスエリアは大変なことに

少し余談にはなりますが、2024年の法改正から夜の高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)が様変わりしていることはご存じでしょうか。
夕方くらいになると、サービスエリアの大型車の駐車エリアは混雑しはじめ、夜になると争奪戦の様相。駐車できなかったトラックが、側道の路肩や普通車の駐車エリアにまで溢れてかえっている状態なのです。

これは今まで一気に移動していた長距離輸送のトラックが、法令によってこまめな休憩や仮眠を義務付けられ、サービスエリアを利用せざるを得ない状況になっているためです。
実際、そんな状況なのでサービスエリアに入っても休憩も満足にとれない状態だとか。

そういった状況の改善のために、大型車の駐車スペースの拡充などいろいろな取り組みが進められているようです。
その一つとしても、空いているサービスエリアへの誘導や、ルートの再構築など、GPSによる動態管理は今後必須アイテムになっていくかもしれません。


今回、車両の動態管理として3つの例を紹介しましたが、他にもUber Eatsの配送などでも利用されていますよね。
スマホに動態管理用のアプリをインストールするだけで手軽に実現できてしまう、というところもあって最近ではいろいろな用途で利用されています。

「GPS追跡装置」という括りでいろいろな用途を紹介してきましたが、そろそろ終わりが見えてきました。次回は、GPSかと思ったら実は違った!という用途について解説したいと考えています。

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