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【第4回】人工衛星の墓場が本当にあった!?|5分で読めるGPSのしくみ|宇宙一わかりやすく解説

今回のテーマは、前回予告したとおり「人工衛星のその後」です。

空高く打ち上げられ、地球を見守り続けてきた衛星たちにも、いつかお別れのときがやってきます。
では、そのとき彼らはどこへ行くのでしょうか? 今回はそんな衛星たちの“引退後の人生”に迫ってみましょう。


🛰️ 軌道によって違う人工衛星の最期

前回、前々回で説明していたように人工衛星の軌道っていろいろあります。
そして軌道によって”引退後の人生”も、実は違うのです。

どんな軌道があるかについては前々回のこちらを見てみてくださいね。

🔥 最後は華々しく… 燃えて尽きて散る低軌道衛星

地球のすぐ近くを、高速で回る低軌道(LEO)。
その軌道上の衛星数は、他の軌道とはケタ違いに多く、数万基。
さらに衛星の寿命は、通常は5年~10年のところ、小型の衛星だと3年以下のものもあったりと、入れ替わりも激しいのが特徴です。

そんな軌道上で任務を終えた衛星たちの最期は、地球に落ちていきます
といっても、ほとんどが大気圏に再突入する時の超高温によって燃え尽きてしまいます。
私たちが生活している地表にたどり着くのはごく一部。
それも、太平洋の真ん中の安全な場所に落下するので安心してください。

どうやって落下させるのか?って?
方法は簡単。
自らのエンジンでブレーキをかけて減速すればいいんです。
軌道が低い衛星の場合は、わずかに大気があるので、わざわざブレーキをかけるまでもなく、少しずつ減速していって落ちていきます。

ちなみに減速すると地球に落下する理由は、こちらの記事まで。

衛星が燃えながら落下する様子は、ほとんど地上で確認することはできませんが、条件が合えば日本でも見えることがあります。
流れ星というより火の玉といった感じで、時には数十秒かけて夜空を横切る姿が目撃されています。

地上で生まれて打ち上げられた人工衛星。
最期は再び生まれ故郷に向かって旅立つものの、燃え尽きて散っていく。
そう考えると少し切ないですね。

🪦 文字通りの「墓場」に向かう静止衛星

一方で地球からはるか遠く、3万6千kmの彼方にある静止軌道。
地球にたった一本しかない一等地で働く静止衛星たちは、大型のものが多く、寿命も10年~15年と長めになっています。

そんな彼らも、やがて燃料を使い果たし、最期を迎える日がやってきます。

でも、低軌道衛星のように大気圏に再突入させるにはあまりにも遠い…
そのために必要な燃料を考えると、現実的ではありません。

そんな静止衛星たちが任務を終えた後で向かう先は、国際機関で決められています
その名も「墓場軌道(Graveyard orbit)」
文字通り、衛星たちの墓場(はかば)というわけです。

静止軌道より約300km高い高度、つまり外側に墓場軌道はあります。
そのため、静止衛星は最後に墓場軌道に移動するための燃料を残しておかないといけません。

まさに「飛ぶ鳥、あとを濁さず」
使命を全うした静止衛星は、最期の力を振り絞り、後輩のために場所を譲って退くわけですね。

👻 墓場に行った衛星たちのその後

無事に墓場までたどり着いた静止衛星はどうなるのでしょうか?

まずは、残った燃料を放出したり、バッテリーを完全に空にしたりして、万が一にも爆発したりすることがないように無害化(パッシベーション)されます。

そして後は、永遠に漂い続けるだけです。

宇宙空間には、大気も風もありません。
つまり、錆びることもなければ、朽ちることも、腐ることもない。
何百年、何千年もそのままの姿で漂うのです。

まるで時が止まったかのように、記念碑として残り続けるというわけですね。

📡 GPS衛星はどうなる?

さて、低軌道や静止軌道の衛星についてはわかりましたが、GPS衛星をはじめ測位衛星が多くある中軌道(MEO)についてはどうなんでしょうか。

測位衛星のほとんどは高度約2万km付近にあるため、静止軌道ほどではないですが、やっぱり地球に落下させるには遠すぎます。

ということで、静止軌道と同じように別の軌道に移動させることが多いんですが、少し事情が異なるのは国際機関ではガイドラインで推奨されている程度で、決め事にはなっていないということ。

つまり、静止衛星の場合は
「この墓場軌道に移動させること!!守らなかったらペナルティがあるぞ!」
となっているのに対して、他の人口衛星は
「まあこんな感じにしてくれるといいかなぁ。みんなに迷惑がかからないようにしてね。」
くらいってことですね。

なので、実際にはそれぞれの国で「墓場軌道」のような軌道を決めて運用している感じになっています。
でも強制力がないので、中には使い終わった衛星もそのまま放置っていう国もあったりして、問題になっているようです。

🗑️ 宇宙のお墓の将来とゴミ問題

今までの解説で気づいたでしょうか?
そう、使命を終えて永遠に漂う人工衛星は、今後も増える一方ということです。

地上の墓場に眠っている人々であれば、やがて土に返って新たな生命の源になって… と自然のサイクルで循環していきますが宇宙空間ではそうもいきません。
この「宇宙のお墓」の将来は、国際的にも頭が痛い問題となっています。

さらにもっと深刻なのが「宇宙のゴミ」問題。
「スペースデブリ」と言えば聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

スペースデブリのイメージ(Jaxaのホームページより抜粋)

これらの問題を放置しておくと、宇宙は猛スピードで飛び回る危険なゴミだらけ。
人工衛星を打ち上げることもできない環境になってしまう可能性があります。

あ、だいぶ本題と外れてしまうので、この話はここまで。
またの機会に解説したいと思います。

📝 まとめ

ということで今回も、GPSからはだいぶ離れて役目を終えた人工衛星がどうなるのか?について解説しました。

最期は燃え尽きるのか、それとも永遠に漂うのか。
という究極の選択。
どっちも選びたくないなぁ~って感じですよね。

でも、以前はSFの世界の話だったロケットの再利用なんかも、すでに実用化されているくらいです。
使い終わった人口衛星も回収して再利用するのが当たり前、という世の中になるのもそう遠くない話。
今現在、宇宙空間を漂っている衛星たちも、いずれは資源として再利用されることは間違いありません!

次回こそ、いよいよ本題のGPSのしくみについての解説に入りたいと思います。

お楽しみに!!

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