満員電車で、おばぁちゃんの前だけ誰も目を合わせなかった
平日18:30。
帰宅ラッシュの満員電車。
車内はいつも通り地獄。
疲れ切った顔。
スマホ。
無表情。
押し込まれる人波。
そんな中、見た目どう見ても80歳を超えているおばあちゃんが乗ってきた。
かなり小柄で、ガリガリ。
風が吹いたら倒れてしまいそうなくらい細い。
シルバーシートの前に立つ。
だが、誰も譲らない。
寝たふりを決め込む中年サラリーマン。
スマホに全集中している女性。
Switchから顔を上げない若い男性。
いや、いや、ふざけんなよと思った。
自分の母親だったら?
妊娠中の妻だったら?
自分の子供だったら?
どう思うんだろうか。
もちろん人それぞれ事情はあると思う。
病気。
怪我。
仕事で限界。
見た目では分からない不調もある。
それは分かる。
でも、
“誰が見ても明らかに弱っている人”
に対して、1人くらい席を譲れる人がいても良くないか?
俺は座っている時、優先席に限らず
・老人
・妊婦さん
・小さい子供連れ
・怪我人
・見た目明らかに体調悪そうな人
には必ず譲るようにしている。当たり前の事だ。
普通席でも関係ない。
でもこの日、俺は立っていた。
しかも少し離れた場所。
満員電車の中で、
「誰か席譲ってあげてください」
なんて大声で言ったら、多分変人扱いされる。
そう思って結局何も言えなかった。
その瞬間、
「あぁ、結局自分も見て見ぬふりしてる輩と同じだ」
と少しモヤモヤした。
この通勤路線を使い始めて4年くらいになる。
正直、この線はかなり“譲らない空気”が強い。
むしろ最近は高校生の方が咄嗟に席を譲る。
逆に1番シカトを決め込むのは中年サラリーマン。
圧倒的に多い。
そして苦しくも、自分もその中年サラリーマン側の人間だ。
疲れているのは分かる。俺も疲れてる。
でもそれでも、「譲れる大人」ではいたい。
自分が心も体も限界で空っぽの状態でもそばにいる人を助ける事が出来る人間でいたい。
誰にも見られてなくても、咄嗟に行動できる人間でいたいし、少なくとも、自分の子供にはそういう背中を見せたいと思う。
