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渡辺温「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」

本日は渡辺温「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」を朗読しております。

ダンス場から娼館へ。アレキサンダー君と「私」の横浜での夜遊びが、「居留地女の間では」「いいよ君が死ねば僕だって死ぬよ」の2つに渡って描かれています。
同作者の「シルクハット」とほぼ同じ構成の作品ですが、人物たちのキャラ設定はこちらのほうがソフト。
初出は1929年「講談雑誌」。
渡辺温はその翌年1930(昭和5)年、27歳のときに、乗っていたタクシーが踏切で貨物列車に衝突して亡くなっています。

渡辺温はかつて、胸を病む若い女優とつきあっていた時期がありました。
彼女はのちに、26歳で亡くなっています。

無論、それらの事とこの小説とは別物ですが、ふっと重ねて読んでしまうこともあり、すると胸がいっそう、しめつけられるような気がするのでした。

渡辺温の作品はほかに、「兵隊の死」も朗読しております。
あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。