【ガラパゴス】サンタクルス島の長い一日
ガラパゴス最大の都会、サンタクルス島。
お土産屋もレストランも研究所もそろった便利な島で、私はヒトにブチ切れ、サボテンの遊歩道を黙々と歩き、最後は何もない白砂のビーチに救われた。
サンタクルス島の街歩き
しとしと雨の降りしきるイサベラ島を早朝発ち、びしょ濡れ&大揺れフェリーでサンタクルス島に到着した。
サンタクルス島では、桟橋を囲むようにレストランや旅行会社、お土産物屋さんが集まっており、人も車の量も、イサベラ島とは比べ物にならない。
ガラパゴス島到着初日にも一泊したホステルへ。ここではスーツケースを預かってもらっていたので、おかげで身軽にイサベラ島往復ができたのである。
そのホステルに再びチェックインして、早速街歩きに繰り出す。明日の朝にはサンクリストバル島へ向かうので、この島を満喫できるのは今日1日だけなのだ。

まずは、旅の先人ブログでもよく出てくる「魚市場」へ。長期旅行者はここでマグロを買いつけてお刺身にして食しながら遠き日本を思い涙するらしい。短期旅行者かつ生魚苦手民の私といえば、ここではおこぼれを狙うペリカンの写真を収めるだけで満足なのである。
魚をさばく人と買い物客の後ろで、あたかも順番待ちのようにそこにいるペリカンたち。普通なら二度見の光景であるが、この島ではこれが日常らしい。


この桟橋から東に伸びる海沿いの道の両脇にはたくさんのお土産物屋さんが並んでいるため、ウインドウショッピングも楽しい。
さて、メイン3島でおみやげを買うなら断然サンタクルス島がオススメである。ほかの二島とは物量が全然違う。逆にモノがあふれすぎていて何がいいか選べず、結局何も買えないという事態に陥ることもある。私のことだ。
なので結局、私はおみやげを全て最後の滞在先であるサンクリストバル島で駆け込み購入したのだが、アオアシカツオドリグッズを買い逃がすという痛恨のミスを犯したので、海外旅行でのお買い物の原則――ピンと来たときが買いどき、を自戒の念も込めここに残しておきたい。でないと十年以上たってもヘンなフィギュアにとらわれ南米の街へ出かけることになるぞ。
チャールズ・ダーウィン研究所とミゲロ事件
ガラパゴスはサンタクルス島に来た以上は外せないのがチャールズ・ダーウィン研究所である。かのダーウィンの名を冠した、いかにもガラパゴスチックな研究所だ。

熱心なはらよわ読者の皆様はご存知の通り、ここチャールズ・ダーウィン研究所において、私のガラパゴス旅最大の胸クソ案件、通称「ミゲロ事件」が発生する。事件の全容はリアルタイム走り書き記事に怒りのまま書き残しているので、興味のある方はこちらから詳細を確認されたい。今読み返しても腹立つ。
要約すると、施設のユニフォームを着たおっさんに「10ドルで案内する」と声をかけられ、公式ガイドだと思ってホイホイついて行ったところ、雑な説明で超早足に駆け抜けた挙句、最後は「言葉の問題だ」とこちらの英語力のせいにされたことで私がブチ切れた事件である。
おまえ…私のコンプレックスを突きやがったな…。
私TOEIC930やど!リスニング満点やど!それがっ!それらが!全部ガリ勉テストスキルの積み上げであって本物の外国人とのコミュニケーションスキルは超絶低いという現実を改めて突き付けるんじゃないわよ!!
なんでカメ見に来てこんなに傷つけられなきゃならんのだ。泣
結局、真相は不明なのだが、少なくとも私にとっては10ドル払う価値のあるガイドではなかった。あそこの職員である点は本当なのだろうが、公式のガイドツアーではない時間帯に、施設をうろついているリテラシー低めの観光客をキャッチして小遣いを稼ぐ、いわば野良ガイドなのだろうと私はにらんでいる(実際私の10ドルはミゲロの財布にしまわれたのをこの目で見た)。
きのうは誰もいないイサベラ島の木陰でのんびり穏やかにリクガメ溜まりで過ごしていたかと思えば、今日は研究施設で「もっと説明せえよ」とおっさんを詰めている私。なんやこの落差。
なお、ミゲロにはコンプレックス地雷を踏まれて相当イヤな気分にさせられたが、施設自体はもちろんしっかりしているし、カメの子らには何の罪もないっていうか文句なしにかわいい~。いっぱいおるよ、ちっこいのが。彼ら彼女らはこれから何十年と生きるのかと思うと不思議な感じだ。だいたいみんな私より長生きするのね…。亀生楽ありゃ苦もあるぞ、がんばって生きていけよ。

有名なロンサム・ジョージのはく製も展示されているのだが、ものすごい厳重かつ温度管理のされた専用建物だったのにはびっくり。それだけ貴重だということなのだろう。ここもミゲロにやたら急かされ一瞬しかいられなかったけど。

ところで、施設建物内にはリクガメの甲羅にスポッと入ってリクガメ気分で写真を撮れるお楽しみスポットなんかもあるので、複数人で訪れるなら絶対立ち寄りたいところだ。
私は(いつも)一人だったから、キャッキャ言いながらカメになる人々を見てほほ笑むだけであった。さすがに「私もカメになりたいので撮ってください」と頼むのは憚るだけの羞恥心はある。
せめてミゲロにここで撮影係をさせればよかった。

Tortuga Bay Beachで機嫌を直す
くさくさした気分のままいったん宿に戻り、昼ふて寝をキメたのち、夕方になって「そういえばサンタクルス島にもきれいなビーチがあるんだった」とグーグルマップ情報を思い出し、トルトゥーガベイまでてくてく歩いて目指すことにした(片道45分)。
途中から木やサボテンに囲まれたまっすぐの遊歩道が始まり、緑に囲まれた道を歩いているだけで癒されるし、なんだかワクワクしてくる。

ところで、この遊歩道の道中には展望台のような建物があり、サンタクルスの街中を見下ろすことができる絶景が広がっているので、これもオススメである。

私はここからLINEのビデオ通話で母と会話をして、島のパノラマ風景を見てもらったりしたが、これはなかなか面白い経験だった。
ガラパゴスの展望台からスマホで日本の母と犬の様子が確認できるなんて、17年前の世界一周時は考えも及ばなかった仕様である(当時はスカイプが最新国際通話システムだった)。なんというか、もちろん便利なのだが、このまま我々はどこまで行くのだろうか。世界の果て感はどんどん薄くなっている。
そうしてたどり着いたトルトゥーガベイビーチは、ハッとするほどの白砂ビーチであった。砂が細かくて、裸足で歩くととてつもなく気持ちよし。


波が引くたびに細かい砂が一枚の薄くてねっとりした膜みたいになって海へ吸い戻されていくのがとても美しくて神秘的な感じがした。
波は高くて泳げるような感じではないし、波打ち際は細かい砂が巻き上げられるからそんなに海自体の透明度はない。
何をするでもなく、ビーチに腰かけて時間を過ごした。サーファーが波に乗って、失敗して、また沖へ戻っていくのを眺めているうちに、今日一日のくさくさが全部溶けてなくなっていた。
旅先でイヤなことがあると、その場所ごと嫌いになりがちだ。でも、あんな男一人に島全体の評価を任せるのも癪なのである。そう思えただけでも、このビーチまできてよかった!
助かったなミゲロ、ガラパゴスの自然に感謝せえ。
サンタクルス島まとめ
サンタクルスはレストランもたーっくさんあるのでなんでも食べ放題だ。




欧米人受けしそうなショップは海岸沿いにたくさん並んでいるし、ATMもたくさんあって便利ではある。その分、私にはイサベラ島ほど「島にお邪魔している」感じはなかった。
たった一日しか観光してないし、私が歩いた範囲なんてたかがしれているが、ここでは観光客は観光客であり、イサベラ島のように島民の暮らしを垣間見る機会はなく、整えられた場所を歩いている感覚が強かった。
便利ではあるが、せっかくガラパゴスに来たのならここで長居するのはもったいない(他の島に時間を使いたい)、正直そんな感じ。
しかし、街から45分歩くだけで、あの白砂のビーチが現れ、イラついた機嫌を直してくれたのもサンタクルス島。結局ここも、ちゃんとガラパゴスなのであった。
