真実の檻|下村敦史|読書感想|実の父か育ての父か。血と絆、冤罪をめぐる物語|*09
※2月23日に投稿した記事を再投稿しています
空き時間は読書に全振りしたい、まほろです。
下村敦史さんの小説『真実の檻』、ついに読み終わりました。
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下村敦史『真実の檻 (角川文庫)』2018
2月13日から読み始めて、約10日間かけて、じっくり楽しませてもらいました。
簡単にあらすじを紹介します。
実家に残る母の遺品を整理する中、主人公の洋平は見てはいけないものを見てしまう。
自分が生まれる直前に妊娠中の母を愛し、気遣う、父とは全く別の見知らぬ男性の存在…。
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そこから始まるストーリー。すでに面白い!!だけど、そんなもんじゃないのです。
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看病疲れを理由に母と離婚していた父の元に訪問し、この謎の男性について問いただすも「絶対調べるな」という不穏で強固な反対にあう。
20歳の洋平さんが、調べないわけないですね!
結果、実の父疑惑のある謎の男は、とある殺人事件の犯人で死刑囚であることが判明する。
さらに、その殺人事件というのが、母の父母(洋平の祖父母)が自宅で惨殺されたという、おぞましい事件で……。
自分の中には殺人者の血が流れているのではないか…との葛藤を抱えながら調査を進めていくうちに、その事件が冤罪事件である可能性を知る。
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そんな物語です。
20年間育ててくれた父と、血のつながった父と。
ある日突然「育ててくれた人は赤の他人で、あなたには彼らとは別の、本当に血のつながりのある親がいます!」と言われたら、どう思うだろう。
なんて考えてしまいました。
さらにそれが死刑囚だったなら…。
冤罪事件に詳しいライター涼子と、父疑惑のある赤嶺に死刑の求刑をした元検察官で弁護士の柳本と、真実を暴くために奔走する姿を描き切る。
そんなお話だったわけですが、最初から面白かったし、最後まで面白かったです。
赤嶺の冤罪を暴くため、洋平が数々の冤罪事件について調査を進め、警察や司法の闇を知る。
個人的には「えっ!?洋平さん!?一体なにやってんの!?」と、思うところも多かったです。
主人公に共感できないとイライラしてしまいがちなのですが、この小説に関しては、その失態や判断ミスがどう響くのか…という点も含めて、とてもスリリングで面白かったです。
あまり詳しく書くとネタバレになるので、詳細が気になる人は、実際に手に取ってみてください。
特に洋平さんの二人の父親に対する態度には思うところもありますが、その点は、読者がそれぞれの意見を持てるよう、余白を多めに描かれていると感じたので、心の中で楽しみたいと思います。
親なのか子なのか、読み手の立場によって、様々な感想を感じる作品だと思います。
それを読者一人ひとりが、しっかり噛み締めて心揺さぶられる、その経験自体が尊い読書経験になるはずだと思える、そんな作品でした。
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下村敦史『真実の檻 (角川文庫)』2018
下村敦史さんの作品は『生還者』『失踪者』に続き、3作目でしたが、どれもとても好きです。
Kindle Unlimitedであと2冊確保してるので、楽しみに読もうと思います。
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下村敦史『生還者 (講談社文庫)』2017
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下村敦史『失踪者 (講談社文庫)』2018
こちらはKindle Unlimited対象です。
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『失踪者』について少し語ってます。
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以下は、確保中の2冊です。どちらも現時点ではKindle Unlimited対象のようです。
下村敦史『サハラの薔薇 (角川文庫)』2019
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下村敦史『コープス・ハント (角川文庫)』2022
読む時期は未定ですが、この2冊も、どんな物語が展開されるのか、とても楽しみです。
