「倫理」の「倫」は 「なかま」
「働かざる者食うべからず」の呪縛を解く一杯
~「地」を育む5つの要素その3~
「ぷはーっ!」
いやあ、今日は冷え込みますね。
こう寒いと、もう「とりあえずビール」の儀式すら飛ばして、いきなり焼酎のお湯割りにいきたくなります。グラスから立ち上る湯気の向こうに、世の中の真理が見えるような、見えないような……(ゴクリ)。
はい、呆録酔語です!
前回は、「歴史」という名の土地の記憶が、あのおじいちゃんの「頑固さ」を作っているんだよ、という話をしました。
「誰の世話にもならん!」という言葉の裏には、過酷な歴史を生き抜いてきた「生存戦略としてのプライド」があったんですね。
さて、今日は予告通り、「地」を育む5つの要素、その第3弾。
「倫理的気風」について、梅干し入りの焼酎を潰しながら語りたいと思います。
これ、ちょっと堅苦しい言葉ですが、要するに「その村(コミュニティ)の空気」のことです。
🌫️ 「空気」が人を裁いている?
現場でこんな利用者さんに出会ったことはありませんか?
【事例:Cさん(82歳・男性)】
年金が少なく、生活が困窮している。身体機能も低下しており、本来なら生活保護や介護サービスの利用が必要な状態。
しかし、Cさんは提案に対して激昂します。
「わしゃあ、乞食みたいな真似はせん! まだ働ける!」
【図(客観的事実)】
○ 経済的困窮
○ 身体機能低下
○ 支援の拒否
これを「図」だけで見ると、「現状認識ができていない(認知機能低下?)」「支援困難な人」というラベリングになりがちです。「生活保護は国民の権利ですよ」と正論を言っても、火に油を注ぐだけ。
ここで、「倫理的気風(地)」というメガネをかけて、Cさんの背後にある「空気」を見てみましょう。
「共同性」の要素③:倫理的気風
「倫理的気風」とは、そのコミュニティにおいて「良し」とされる道徳的な雰囲気のことです。
Cさんの住む地域が、例えば勤勉な職人の町や、助け合いよりも「自助」を美徳とする気風が強い場所だったとしたら?
そこでは、明文化されていなくても、こんな「見えない掟」が空気を支配しているかもしれません。
「汗水流して働くことこそが善」
「他人に迷惑をかける(施しを受ける)のは悪」
「清貧こそが美徳」
この「地」の上に立っているCさんにとって、支援を受けることは、単に「楽になる」ことではありません。
自分が信じてきた「善(勤勉)」を捨て、「悪(怠惰・依存)」に染まることと同義なのです。
だから、あんなに必死に拒否するんです。
それはワガママではなく、自分の「道徳的アイデンティティ」を守るための戦いなんですね。
「空気」を読んで、言葉を紡ぐ
この「倫理的気風(地)」が見えれば、僕たち専門職のアプローチ(言葉選び)は変わります。
「権利ですから」と正論で攻めるのは、Cさんの信じる「善」を否定することになります。
そうではなく、Cさんの倫理観(地)に乗っかるんです。
名探偵(専門職)なら、こう言うかもしれません。
「Cさんが、いかに『働くこと』を大切にされてきたか、その職人魂、本当にかっこいいと思います(倫理観への敬意)」
その上で、
「だからこそ、Cさんには『現役』でいてほしいんです。このサービスは、施しじゃありません。CさんがこれからもCさんらしく、家という『現場』を管理し続けるための『業務委託費(メンテナンス費用)』みたいなものですよ」
……どうでしょう?(ちょっと強引かな?笑)
でも、「福祉=施し(悪)」という文脈から、「サービス=現役を続けるためのメンテナンス(善)」へと、意味づけ(□)をスライドさせる。
これができるのは、背景にある「倫理的気風」を理解しているからこそです。
📝 次回予告:要素その4「文化伝統」
人は、法律や制度(図)に従って生きているようで、実はこの「見えない掟(地)」に縛られて生きています。
「良い・悪い」の判断基準がどこから来ているのかを知ることは、その人の「正義」を知ることなんですねぇ。
さて、焼酎の梅干しも崩れていい感じになってきました。
次回は、共同性の要素その4、「文化伝統」について語りたいと思います。
お祭り、食文化、芸術……。
「何をもって『豊か』とするか」「何が『美しい』のか」。
その感性の土台にあるものですね。
「呆けてるけど、ちゃんと空気を読む。酔っ払ってるけど、道徳は忘れない。」
そんな専門職の深みを目指して、今夜ももう一杯……おっと、お湯がなくなった。
というわけで、今回も最後までありがとうございました!
皆さんの周りには、どんな「見えない掟」がありますか?
「うちの地域は、・・・」なんて話も、コメントでこっそり教えてください(笑)。
それでは、今日も乾杯!🍻
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