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カリン様からの贈り物(後編)

はじめに

こちらは前後編のうち後編です。
良かったら前編から読んでね!
⬇️カリン様からの贈り物(前編)
https://note.com/macco454/n/n18e605345fb1

ファミコンジャンプに沼り、ゲーム廃人になりかけた小学生のまっこちゃん。
レッドリボン軍のダンジョンをどうしても攻略したいと頭を捻った結果、ファミ通編集部にお手紙を書いたけれど、実家が太ましい同級生の助けを借りて…?
初代ファミコンの2コンマイクで「アー!アー!」と興奮していた全てのお友達に贈る、シリーズ後編です!


ファミ通さんからお手紙着いた


AIさんに描いてもらったファミ通
(ここでルイージを選ぶところがなんとも良い)


ファミ通にお手紙を送ってその後…
半分期待はしていなかったが、しかし小学生女児の暴走の結果、切手は送り返されてきた。
『雑誌は売れないから切手はお返しします、これからもゲームを楽しんでね』みたいな優しく丁寧なお返事と共に。

私はバックナンバー通販なんてやっているのか、はたまたやっていたとしてもそれを切手で売ってもらえるのか、そんなこともわからないまま情熱だけで無理やり送りつけた手紙に(自覚あるんかい)、大人の人がちゃんとお返事くれたことがとても嬉しかった。
傍若無人な子供の暴挙を叱る様子もなかった。
そして切手をきちんと返してくれたことにとても感動していた(なぜか子供の意見は封殺される、と思い込んでいたようだ)
ファミ通編集部の皆さん、あのときはごめんなさい、そしてありがとう!


ちょっと記憶が曖昧な部分もあるが、多分その出来事をノンちゃんにも話したんだと思う。
話を聞いた彼はサラリと言い放った。

『おれ、ファミコンジャンプの攻略本持ってるから持ってくるよ』

(はい…?)
『あなたが神か…』


カリン様はお金持ちやったんや
(イラストはまったくの偏見である)


この世界には攻略本という素晴らしい神器が存在していることを薄々聞いてはいたけれども、まさかファミコンジャンプにも存在していたとはな…
(それほど当時のまっこちゃんはゲーム業界におボコかった)

『ノンちゃん、アンタ、やり込んでるのはドラクエだけじゃないんけ?』
これがゲームヲタなのか?彼の守備範囲に驚嘆しつつ、
しかも、ノンちゃんはもうファミコンジャンプなんて攻略し終わった風な口ぶりだった。
しかも給食の時間に鼻から牛乳を吹かせた張本人である私に対してもこの優しさである。
ノンちゃんの猫目の奥には、汲めども尽きぬ優しさ成分の源泉が湧き出しているに違いなかった…彼の生来の性質とお育ちが良いって本当にすごい。

子供の頃は知らないことが沢山あって、身体も小さいしお金も自分じゃ稼げない。
親の許可なしでは自分の力で自由に出来ないことが沢山あった。それゆえに無力感や悔しさを感じることがたくさんで、私はこの一件もそんな風に感じていたのだと思う。

たぶん私のもともとの性格や思い込みもあって『自分の欲しいものはなかなか手に入らない、夢というのは追いかければ儚いものなんや』どこかそんな風に思っているフシがあったのかもしれない。
それをラクラク超えてきたノンちゃんの資本力と優しさに、驚きと尊敬の念を隠せなかったのである。

攻略本、それはご禁制の品


優しくてお金持ちで太っ腹なノンちゃんは、もう使わなくなったファミコンジャンプの攻略本を私に貸してくれた。

攻略本には、レッドリボン軍のダンジョンの見取り図が惜しげもなく載っていた。
『ヒントだけじゃなくて完全にネタバレなんかよ…』
ちょっぴり自力で謎を解きたい気持ちもあったが、すでにダンジョンの無限地獄に心が折れかけていた私は、攻略本のありがたさ、ネタバレの刺激の強さに目を覆ったが、すぐに慣れた。

その本には『敵の攻撃を交わすときには絶妙な位置で壁に隠れて盾にすると良い』とか、知りたいことが沢山詰まっていた。
まだクリアしてない先のエリアに出てくるキャラクターとかの情報までもが載っていた。
私は嬉しくて嬉しくて、ますますノンちゃんが好きになった。(恋愛感情ではなかったが)

なかなかノンちゃんに本を返すのが遅くなってしまいそのことを謝ったが、
『返さなくていーよ、あの本あげるよ!』

(はい…?)
豊かさとはなんて素敵なんだろう。
ノンちゃんに本を買ってくれた、たぶん彼のご両親かおじいちゃんおばあちゃん、ありがとう!ファミ通の中の人ありがとう!
(ファミ通編集部に送りつけて戻ってきた切手と合わせて代金をノンちゃんに払おうとしたが、確か固辞されたのだ)

まっこちゃんは自分の夢が叶えられた喜びをひしひしと感じた。
みんな大好きミニ四駆を色鮮やかに彩るあのタミヤカラーのように、真っ青で雲一つない清々しい青空。
私の心もどこまでも晴れやかであった。

かくして、まっこちゃんはレッドリボン軍のダンジョンを制覇することとなったのだ。(言っておくが、このダンジョンはまだまだゲームの序盤である)



そして、大人になってゆく私たち


うちの中学はセーラー服と学ランでした


その後、小学校を卒業して中学校に進学しても(第二次性徴期は迎えていたかもしれないが)のんちゃんは相変わらず小さめで可愛かった。
「ええとこの子」であったノンちゃんではあったが、なぜか他の子のように日能研やSAPIXに通ったり、中学受験はしてないみたいだった。


中学生にもなると幼馴染だった男子たちとも何となーく距離ができ、女子は女子、男子は男子で行動が別れていった。
同じ町内会の幼なじみのズンちゃんも、休み時間ごとにお見舞いしてきた餓狼拳と昇竜拳をいつしか私のボディに喰らわすことはなくなっていた。

これがたぶん昇竜拳
(鳩尾に食らったことがあるだけで
ゲーム知らんくてメンゴ)


小学一年生の時みんなで帰った道すがら、近所の喫茶店のハンバーグ定食のサンプル(蝋細工じゃなくてホンモノのハンバーグ)をきゃあきゃあ言いながら盗み食いして女子を騒然とさせたゲンちゃんも、いまやクラスの日直当番が一緒になった時に軽ーく挨拶するくらいの距離感だった。

私は女子トイレグループの輪からはみ出ないように、寄り目のゴリラをはじめ下品なギャグを全て封印した。(下ネタは封印したが、その後のお笑いサバイバルは新しい章を迎えることとなる)

そして、カリン様ことノンちゃんとも同じクラスになったりならなかったり、小学生時代のように変顔を披露するチャンスもなく、それでも私が攻略本の恩を忘れることはなかった。

あの感動が忘れられず、また何らかの絆を感じつつ、時折『ノンちゃんって、ドラゴンボールのカリン様に似てるよね?』どこかしら誇らしげに友達に吹聴してまわった。(何マウントやねん)

身体は小さかったけれど、どこか大人びていてとても優しく、それだからかいつも何かを飲み込んだような表情をしていたノンちゃん。
あの頃の私には、ノンちゃんはカリン様のように、人智を超えた存在に映っていたのだ。
ノンちゃん、本当にありがとう。
きっと立派な大人になっても時々はゲームを楽しんでいると良いな。


実家のゲオの袋には、今もファミコンジャンプのカセットと、のんちゃんから貰った攻略本が大切にしまってある。

そんなカリン様からの贈り物。


あとがき


令和だとゆーのに、昭和のファミコン初期の、しかも一個人の体験記を最後まで読んでくれたお友達、どうもありがとう!
最後に、ファミリーコンピューターの2コンにはきちんと意味があったことを現在になって新たに認識し、いくつになっても学ぶことに終わりはないと感じました。(声が大きくなるだけじゃないんだね…)
これからも読者の皆さんのゲーム人生が楽しく充実したものになることを願って。南無三。合掌🙏
(この場合の南無三は天才漫画家ジョージ秋山先生の浮浪雲の悪キャラ顔で脳内再生してくれよな!)

https://magmix.jp/post/177681

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1272521117


〜終わり〜

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