『余白』は『余白』のままにしておく|馬が教えてくれたこと
こんにちは、マチノです☀️
この空間に立ち寄ってくださり、ありがとうございます☺️
今回も、ゆるりと短めのお話を書いていこうと思います。
GW終盤、新幹線を乗り継いで遠野へ向かいました。
行き先はクイーンズメドウ・カントリーハウスという場所。
山の中に放牧されておりのびのびと過ごす馬たち、そして寒い冬を越えてあちこちで咲いているお花に触れる時間はとても気持ち良く、心穏やかな3日間を過ごしました。
1日目は雨がしとしと降り、2日目は風が強く吹く日でした。
そして3日目はすっきりと晴れわたった青空に。
そんな3日目に行ったのは『リーディング』。
ロープで人と馬を繋ぎ一緒に歩くことで、馬との信頼関係を育んでいきます。
「命令するのでも、お願いするのでもなく、“合図を送る”という感覚で。」
日々ここにいる馬たちと過ごしている方は、そうアドバイスしてくれました。
しかし、やってみるとそれは想像以上に難しいものでした。
行こうとしている方向と違う方向を見て立ち止まってしまう馬に向かって、「ねえ、あっちの方に一緒に行かない?」と、気持ちが、態度が、つい“お願い”の方に寄っていってしまう。
“気持ちや意見は、はっきりとしたものがあるのだけれど、相手と違う意見を伝えたりしっかりとNOを言ったりするのは苦手”
人付き合いにおいての自分の癖みたいなものが、動物を目の前にしてもありありとそこに現れているような気がしました。
ロープを向かう方へ引いて、少し反応したように見えても結局動かないまま。
動き始めてくれても、数歩歩くとすぐに立ち止まってしまう。
“お願いすること”と“合図すること”の感覚の違いがなかなか上手く掴めません。
さあ、もう一度。
今度は“お願い”とか“合図”のことを一旦忘れて、頭を空っぽにしてロープを引いてみることにしました。
馬の方を見ると、変わらず動かないまま。
「ああ、またダメだった」という落胆が空っぽにしていた頭の中をよぎります。
しかし、隣で別の方向を見ていた馬はこちらを向いてゆっくりと足を動かし、1歩、1歩と同じ方向へ進み始めてくれたのです。
目に見えない2つの『余白』というものがそこに存在しているのを実感した瞬間でした。
1つ目は、頭を空っぽにすることで実感した自分の内側にある『余白』。
そして2つ目は、ロープで合図をしてから馬が歩き出してくれるまでの時間の『余白』。
自分が何か働きかけて、反応が返ってくる間には『余白』が含まれる。
『余白』が短くスピード感のあるものも実際にあるけれど、だいたいのものはその結果に相応するくらいの『余白』が必要なのだと思います。
その『余白』に投げ込まれたわたしたちは、何かをしたという事実はあるけれど、その結果や次の展開はまだ知ることができない“宙ぶらりん”の状態を経験します。
自分自身で何かチャレンジをしたり誰かに何かを伝えたりしてから、結果が出るまでの『余白』の中にあるとき、自分の内側で「これじゃダメだったかな」という不安や「もっとこうするべきだった」という反省を頭の中に浮かんでくる。
それを繰り返し考えて、いつのまにか不安や反省が『余白』を埋め尽くしてしまう。
そうすることで、これまでの自分を否定してあきらめてしまったり、何も変化が見られない誰かに見切りをつけてしまったりするという結果になってしまうことも。
わたしたちは、無意識にできごとの『余白』を短く、そして自分の内側の『余白』もどんどん埋めようとしてしまうのかもしれないと思いました。
「もっと早く結果を出さないといけないんじゃないか」
「最悪の事態のために何か考えておいた方がいいんじゃないか」
でも、そんなこと考える必要ないよ。と馬が教えてくれているように感じました。
『余白』は『余白』のままにしておけばいいんだよ。
何かをしてから結果を待っているあいだ、頭を空っぽにしているだけでいいんだよ、と。
力まかせに『余白」を減らして結果を手繰り寄せようとしたり、『余白』を不安や反省で埋め尽くしたりすることではなく、何かが起こるまでの『余白』を信頼して『余白』のままにしておく、
そして目の前にある“今”にフォーカスすればいいんだなと心が軽くなりました。
自分の頭や心の全てを、何かで埋め尽くす必要はない。
むしろ、その時に本当に大事なもの1つか2つだけにしておいた方が、その大事なものを純度の高い状態で保つことにも繋がるんだろうなと思いました。
その後、リーディングはうまくいかないケースもありながらも、少しずつうまくいく回数が増えていきました。
最後は、練習をしていた囲いの中から出て、馬たちがもといた山の方へ一緒に歩いていくことに。
やはり、立ち止まってしまう瞬間はあるものの、頭を空っぽにして、1歩、1歩、馬と進んでいきます。
ふいに、隣で歩き続けている馬が、大きな顔をそっとわたしの肩に寄せる仕草をしてくれました。
頭を空っぽにしていたわたしには、その仕草のもつあたたかさが自分の中にダイレクトに流れこんでくる感覚がはっきりと残りました。
朝に彼女たちが干し草を食べていた山の中腹まで上がり、そこで馬たちとの時間はおしまい。
「30分後には、荷造りを終わらせて集合してください」という声かけとともにそれぞれが自分の部屋へ向かいます。
なんだか名残惜しくて「少しだけ、」と干し草を食べている馬たちのもとへ行くことにしました。
1頭ずつ、さよならの挨拶をして、宿舎までの山道を下っていく。
「あと15分!急いで荷造りしよう」という少しの焦りと、ここに来れて良かったという高揚感が入り混じったドキドキを感じつつ、小走りで駆け降りる自分の足が少しだけ軽やかになっているような気がしました。

今日もあなたにとって、あたたかく心地良い1日となりますように☀️
