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会議を決める人がいない会社は、話し合いだけが増えていく

ファシリテーター


会議は、集まれば決まるものではありません。

人が集まる。
議題がある。
資料もある。
意見も出る。

それでも、何も決まらない会議はあります。


前回、「会議体が壊れた会社は、決めているふりを始める」という記事を書きました。

会議体とは、会社の意思決定の配線だという話です。

前回の記事はこちら

どこで異常を見つけるのか。
どこで判断するのか。
どこで責任を確定するのか。
どこで実行状況を確認するのか。

この配線が切れていると、会社は動きません。
ただ、配線を整えても、それだけでは足りません。

会議には、決まるように進める人が必要です。

会議を回す人ではありません。
会議を、決める人です。


進行役はいるのに、決まらない


会議には、たいてい進行役がいます。

「では、次の議題に移ります」
「時間がないので、そろそろまとめましょう」
「一旦持ち帰りでお願いします」

場は進んでいるように見える。
でも、会社は前に進んでいない。

時間通りに始まる。
議題通りに進む。
全員に発言機会もある。
議事録も残る。

それでも、翌週また同じ話をしている。

このとき必要なのは、単なる進行役ではありません。
会議を意思決定に変える人です。

本来のファシリテーターは、場を回す人ではありません。
会議を、決定に接続する人です。

進行役は、会議を流します。
ファシリテーターは、会議を決める方向に進めます。

この違いが曖昧な会社では、会議は増えても、意思決定は増えません。

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同じ会議室にいるのに、見ている出口が違う


決まらない会議には、だいたい同じ症状があります。

議題が広い。
論点が曖昧。
誰が決めるのか分からない。
意見と事実が混ざっている。

相談なのか、決定なのかが分からない。

こういう会議では、参加者はそれぞれ違う会議をしています。

ある人は情報共有のつもりで話している。
ある人は相談のつもりで聞いている。
ある人は意思決定の場だと思っている。
ある人は責任を持ちたくなくて、様子を見ている。

同じ会議室にいるのに、見ている出口が違う。
だから決まらない。

たとえば、営業未達の会議があったとします。

本来決めるべきことは、来週から何を変えるのかです。

誰が、どの顧客に、どの打ち手を、いつまでに実行するのか。
でも、気づけば別の話が始まる。

市場環境が悪い。
プロダクトの機能が足りない。
マーケティングのリードの質が低い。
採用が遅れている。
顧客の予算が厳しい。

全部、関係はあります。
でも、全部をその場で話し始めると、何も決まりません。

話しやすいテーマに流れる。
責任が曖昧なテーマに逃げる。
誰も反対しない抽象論で終わる。
そして最後は「引き続き確認しましょう」になる。

会議は、原因を全部出す場所ではありません。
その場で決めるべき論点に絞る場所です。

ここで止める人がいないと、会議は流されます。


論点を絞り、合意を行動に変える

会議を決める人が最初にやるべきことは、論点を絞ることです。

今日、この会議で何を決めるのか。
何は決めないのか。
何が決まれば、次に進めるのか。

これを最初に置かない会議は、途中で必ず広がります。

広がった会議は、声の大きい人の意見が残ります。
立場の強い人の違和感に引っ張られます。
最後に発言した人の言葉で、なんとなく着地します。

それは意思決定ではありません。
会議の空気に負けているだけです。

そして、もう一つ。

会議で一番危ないのは、反対が出ることではありません。
曖昧な合意で終わることです。

「方向性は合っています」
「大枠は問題ありません」
「各自、対応お願いします」

一見、前向きに聞こえます。

でも、誰がやるのか。
何をやるのか。
いつまでにやるのか。

ここが決まっていなければ、それは合意ではありません。

雰囲気です。

会議を決める人は、この雰囲気をそのまま終わらせない。

「今の合意を、行動にすると何ですか」
「担当は誰ですか」
「期限はいつですか」
「次回は何を見れば進捗を判断できますか」
「未決事項は何ですか」

ここまで言語化して、初めて会議は実行に接続します。

論点を絞り、曖昧な合意を行動に変える。
担当と期限が確定して、初めて会議は前に進みます。


出口が見えたから終わる。

時間が来たから終わるのではありません。

決めるべきことが決まり、
決まらないことが明確になり、
次に誰が何を持ってくるのかが決まる。

そこまでできて、会議は終われます。

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会議を決める人がいないと、責任が薄まる


会議を決める人がいない会社では、こういう言葉が増えます。

「みんなで話した」
「みんなで合意した」
「みんなで進めることになった」

この「みんな」が増えるほど、実行責任は曖昧になります。

会社を動かすのは、みんなではありません。
最後は、誰かです。

誰が決めるのか。
誰が実行するのか。
誰が確認するのか。
誰が修正判断をするのか。

ここを曖昧にしたまま会議を終えると、現場は動く理由を失います。

誰も反対していない。
でも、誰も動かない。

責任のない合意は、現場にとってただの空気です。

空気は、実行を生みません。
その空気の中で、静かに数字が悪化していきます。

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明日使える基準


会議のファシリテーターを見るときは、
この問いを置いてみてください。

その人は、会議を進めているのか。
それとも、会議を決めているのか。

進行だけなら、議題を順番に処理すればできます。
時間管理だけなら、時計を見ていればできます。
発言を振るだけなら、参加者に順番に聞けばできます。

でも、それだけでは会議は決まりません。

会議を決める人は、これをしています。

今日決める論点を絞る。
話が逸れたら戻す。
事実と意見を分ける。
相談と決定を分ける。
合意を行動に変える。
担当と期限を確定させる。
未決事項を曖昧にしない。

会議が終わったあとに、会社の何が変わっているか。

この問いに答えられない会議は、まだ決まっていません。

会議が多いのに前に進まない。
話しているのに、決まらない。
決まったはずなのに、現場が動かない。

その違和感があるなら、会議の数でも進行役の質でもなく、会議を決める人がいるかを見てください。

会議を回す人は、いる。
決定から逃がさない人が、いない。

多くの会社で起きているのは、そういうことです。

前回の記事では、会議体が壊れると会社がどう決めているふりを始めるのかを書きました。

「会議体が壊れた会社は、決めているふりを始める」

その前の記事では、会議が増える会社に起きる症状を書いています。

「会議|会議が増えた会社は、たいてい決まっていない」

会議が多いのに、会社が進まない。

その違和感がある方は、スキやフォローしてもらえると嬉しいです。

次も、会社が詰まる構造を現場の言葉で書いていきます。


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