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Nutubeでオーディオアンプを作ろう~③部品発注編

1 前回までのあらすじ

 前回までに、本機の基本コンセプトから回路設計まで非常に順調に進んでいる本プロジェクト、このまま脇道にそれずに進んでいけるだろうか…

 今回は必要な部品のリストアップなどを行っていく予定であるが、その前に…

2 デジタルノイズ対策

【デジタルノイズ問題…】

 パワーアンプはPAM8012モジュールを使用し、ちょっとコンデンサを追加変更するだけなので、ユニバーサル基板でちょちょいのちょい、くらいに思っていたのだが…

 さらに調査を進めてみたところ、どうやらD級アンプの出力には高周波成分(デジタルノイズ)があるため、LCフィルタなどのローパスフィルタを追加して、30kHz~50kHz以上をカットしたほうが良いようだ。

【LCフィルタの検討】

 さて、LCフィルタを追加する、といってもどんな回路、定数にすればよいだろうか…
 ROHMのHPでは、負荷抵抗8Ω時にL=22μF、C=0.47μFという定数が推奨されている。また、デジタルアンプのYDA138のデータシートには、回路図付でLCフィルタの推奨定数が掲載されている。

YAMAHA YDA138データシートより

 細かい原理まで勉強する時間を惜しみ、つまみ食いによる泥縄的な問題解決を旨とする本プロジェクトなので、「詳しいことはよくわからなくても、付けた方がよさそうなものは付けておく」というスタンスで臨みたい。
 そこで、今回は(次回があるのか?)YDA138のデータシートに掲載されているLCフィルタをそのまま投入してみる。
 こういう姿勢だから、いつまでたっても推奨回路図などの切り貼り以上のことができないのであるが…

 LCフィルタを追加すると、当初予定していたインプット側のコンデンサ4つに加えて、アウトプット側にインダクタが4つ、コンデンサが6つも追加されることになる。これをユニバーサル基板で作るとなると…

う~む…

 これくらいならユニバーサル基板で作れないことはないが、ちょっと美しくない…
 常に見た目が最優先(し、その結果いろいろな面倒を巻き起こす…)の本プロジェクトにおいて、このような基板を作成するわけにはいかない。
 やはりこちらもプリント基板を作成しなければならないようだ…

【プリント基板のレイアウト】

 まずは、暫定的にレイアウトを考えてみる。基板の左から右に信号が流れていくイメージで、左右チャンネルを上下に配置していくとこんな感じになる。細かい部品配置はもう少し詰めるとして、基板のサイズ感は把握することができた。

レイアウトVer1.0 基板サイズは50㎜×50㎜くらい

 ところで、入力部のコンデンサなのだが…
 今回採用するPAM8012モジュールをシングルエンド入力で使用する場合、信号入力のマイナス側はGNDに繋ぐよう指示されている。

秋月電子通商様のマニュアルより抜粋

 入力のマイナス側がグラウンドに落ちてしまうなら、その先のコンデンサの容量を変更しても意味がないのではないか?変更するのはプラス側だけで良いのではないか、という気もする。が、自信がないのでマイナス側も0.1μFを0.47μFに置き換えた形にしておくことにする…
 入力部分にPanasonicのECQVが4つ並び、これに呼応するように4つの円筒形のインダクタが屹立する姿は美しい、はず。どうせなら出力側コンデンサの向きも揃えた方が良いかもしれない、などとまた見た目のことばかり考え始める始末である…

3 パーツの手配

 パワーアンプ部分の修正が必要となったものの、これで回路全体がおおむね確定したので、部品リストを作成する。
 作成したリストにしたがって、まずは、我が家の在庫部品たちを捜索しよう。自作エフェクター遊びにハマって買い漁った不良在庫を消費するチャンスである!

【Bluetoothモジュール関係】

たったこれだけ…

 ここはモジュールを手配するだけである。


【Power Amp関係】

右側欄外は購入した場合の金額

 パワーアンプモジュールは、ICソケットで着脱できるよう、ICソケット、ピンヘッダなどを用意する。

 コンデンサは、積層メタライズドフィルムであるPanasonic ECQVの在庫が見つかった。

 このコンデンサは、ギターエフェクタのWamplarなどで使用されていたもので、ローコストで小型だが音が良いと評判であった。どうやら、今はもう作られていないようだ。


【Pre Amp関係】

部品数が少し多いが…

 手持ち部品でどうにもならないのは入力部分の二連ボリュームとICソケットくらいである。オペアンプも同等品は手持ちであるのだが、念のため買っておこうかというくらいである。

 入力のコンデンサには、2.2μFのERO MKT1813 メタライズドポリエステルを使用する。ギターアンプで定評があるならエフェクターにも良いのだろうというスケベ心(EROだけに?もう黙っててくれないかな、おっさん…)で入手していたものだが、今回調べてみたら、意外とピュアオーディオの世界でもスピーカーのネットワークなどで使われているようだ。

現行はMallory 150'sに似た黄色なので、これは旧型。

 抵抗は、タクマン電子のREXという炭素被膜抵抗で、このピンクの見た目が唯一無二の存在である。ピンクと聞いて、ついついAerosmithのNine Lives収録曲「Pink」を思い出してしまったあなたは、きっと同世代(かちょっと上)のはず。「Nine Lives」をかけながらアクセルべた踏みした記憶もあるのでは?!

Pink, it's my new obsession~♪♪

 ついでに、電解コンデンサもNichiconの誇るオーディオ用ハイグレード「Fine Gold」の発掘に成功!

JPSカラーのLOTUS F1みたい!

 黒と金の組み合わせでAE86BLACK LIMITEDを思い出してしまったあなたは、元(今も)走り屋さん間違いなし!
 え?W124やW126あたりのLorinserやABC Exclusiveあたりがナチュラルに浮かんでしまった?あのバブル時代を謳歌されていた証なのでしょう、実に羨ましい…


【電源関係】

コンデンサが全て手持ちでいけるようだ…

 5Vレギュレータとヒートシンクは調達しなければならないが、コンデンサは在庫で対応できた。

MUSE BPの緑が綺麗…

 電解コンデンサはまだまだ在庫があるのだが、たとえ使用していなくても寿命でダメになってしまうので、どんどん使ってしまいたいところである。

 電解コンデンサは、消耗品というか、明確に寿命が存在する部品である。自動車のCPUに用いられている電解コンデンサは、低温~高温の過酷な使用環境にも耐えられるような製品が選ばれているとはいえ、20年も経過していれば、液漏れなどもあって当然、ということである。そういえば、うちの車も既に登録から25年…そろそろ対策をしなくてはならんのか、などと別な懸案事項が勃発…


【ハードウェア】

ここはさすがに在庫はあまりなかった…

 シャーシ(と電源スイッチ、ボリュームノブ)については、これからデザインを含めた検討が必要である。

【まとめ】

 シャーシという大物がまだ決定していないとはいえ、現時点で調達すべき部品の合計額はわずか2,905円に収まっている。なんとローコストなプロジェクトだろうか。大人のなすべき趣味がこんなに低廉でよいのだろうか…
 もちろん、主にこれまでの散財のおかげで新規調達が少なくて済んでいるという側面はあるが、仮にNutubeも含めて全て一から購入しなければならないとしても、今のところの総額はほぼ1万円である。
 これで素晴らしいアンプが出来上がるようであれば、この記事を参考にしてくださるような方が現れ、かつその方がたまたまインフルエンサーだったので(こんな分野にインフルエンサーなんて居るんだろうか…)、この記事にもその効果が波及し、こんな駄文がより広く世間に知れ渡ってしまったらどうすればいいんだろうか…などと、妄想が捗るばかりである(そんな要らぬ心配をしている暇があったら、さっさとシャーシの検討を進めるべきである…)。

4 次回予告
 

 基板の寸法が割り出せたので、シャーシの大まかな寸法も特定することができた。

幅150mm×奥行100㎜

 幅150㎜、奥行100㎜と、プリメインアンプというより大ぶりなヘッドホンアンプのようなサイズ感である。
 しかし、今回は、このあたりまでとして、ケース/シャーシの具体的なデザイン検討は次回としたい。
 というのも。Nutubeはあくまで「真空管」であり、マイクロフォニックノイズ対策(Nutubeに振動が伝わらないようにする)が必要となる。つまり、どのようにケースにNutubeを設置するのかが非常に大きな課題となるのである。
 そこで、まずはNutubeの設置方法をじっくりと検討し、そのうえでケース/シャーシを確定することにしたいのである。順調に進んでいくかと思ったが、やはり徐々に雲行きは怪しくなってきた…

 そんなわけで、次回は…
Nutubeでオーディオアンプを作ろう~④Nutubeの設置方法を考えよう
 をお楽しみに~





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