【駄文7】博士と謎のプリンス -領域横断作戦-
サムネ画像:コニシ木の子さんの記事より抜粋
(ありがとうございます!嬉しかったです!)
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【あらすじ】
子供部屋おじさんの博士は親が金持ちのため、大した苦労もなく還暦までやってきた。
その金に蝿男が吸い寄せられて来た。二人はスーパーでケンカしたりして、毎日楽しく暮らしていた。
そこに詐欺師旧ジャニが現れ、二人を騙そうとしたが返り討ちに遭う。
博士は軟禁していた旧ジャニに一時帰宅を許可するが、またも裏切られ、蝿男は牢に閉じ込められてしまった。
美女軍団は、旧ジャニの製作物だった。
姑息な浮遊物が実施しそうな事だ。
結局、非暴力を実現するために武力行使をして居るぢゃ無いか。
お陰で俺の複眼の半数が潰れて仕舞った。
それにしても、ぬるいビールは美味い。
「蝿男さん。あなた、スイスをご存知ですか?」
「スイス」なんて知らない。
時計とハイジしか知らない。
「スイスは「永世中立国」です。」
それがどうした。
「つまりスイスはどこの国とも同盟をしない、という事です。
逆に言えば、どこにも頼る事ができない、ということです。
ですから、国民全員が武装しているんです。」
それがどうした。
ガンディとスイスのハイブリッド野郎。
「つまり非暴力を実現するためには、自己防衛のためにときには武力行使を厭わない、ということです。」
それがどうした。
俺達と同じぢゃ無いか。
「違いますよ。博士もあなたも攻撃を仕掛けて、征服して来るでしょう?全く違います。私は専守防衛です。」
それがどうした。
冷戦自衛隊野郎。
「蝿男さん。あなたは賢い。だから分かるはずだ。暴力からは何も生まれない。私は『ボッッコちゃん』事業を進めさせて頂きます。
私は奪わない。だから私から何も奪わないで下さい。」
それがどうした。
博士(名義で俺)が先に『ボッッコちゃん』の特許申請をしたのだ。「先願主義」を侵しているのはお前だ。流星街野郎。
「…平行線ですね。もう少しここにいて頂きます。」
旧ジャニは立ち去った。
階段を登る様な足音。どうやら此処は地下の様だ。
*
「大丈夫でっか?」
旧ジャニが製作した美女軍団のひとり、7番アイアンで俺を殴打したAIだ。
「先程は、えろうすんませんでした。ワテが裏切り者思われたら、事が進まんようなりまんにゃわ。」
虫コナーズのCMの時の長澤まさみの喋り方だ。
よく見ると確かに長澤まさみ風に造られている。
「ワテは博士側の人間でっせ。AIちゃいまっせ。今、博士がコッチへ向かっとるさかいに。」
スパイを潜入させたと云う事なのか?
「そうや。鳩山家を舐めとったらアカンいうことまんにゃわ。」
「鳩山」は博士の苗字だ。
「流石にワイも、人死にはゴメンやさかい、イケメン君を地下に連れて来る、まんにゃわ。」
そう言い残して長澤は階段を登って行った。
一分もしない内に長澤が旧ジャニを連れてやって来た。
「どうですか?そろそろ理解して頂け…」
地響きと共に、戦争が開始されたかの様な爆撃音が身体全体を襲った。
「博士がこの家を破壊した、まんにゃわ。」
その刹那、砂煙の様なモノで辺りが見え無く成った。
「あー!塞がってるー!」
旧ジャニが情け無い声を上げた。
「瓦礫まんにゃわですわ。」
長澤がスマホで誰かと通話している。
5分もしない内に瓦礫は撤去され、オレンジ色の『消防庁』やら迷彩服の『防衛省』やらが突入して来て、争う様にグラインダーや油圧式の巨大な鋏で牢屋の鉄格子を切断して行く。
もうとっくに俺は牢屋から出ているのにも関わらず、彼らは取り憑かれたかの様に鉄格子を切断し続けて居る。「任務」って怖い。
「キミ。大丈夫かね。」
色違いのシュレックかと思ったが、よく見ると博士だった。
*
結局また旧ジャニは博士に、応仁の乱かと思う程長期に亘ってタコ殴りにされ、半殺し経由で、強制洗脳された。
つまり俺達三人は思想的に統合されたのだ。膂力により。
後で知った事だが、博士は自ら19式装輪自走155mm榴弾砲を操縦して、旧ジャニ邸の射程圏内まで前進し、長澤と連絡を取り合い、地下に全員避難させたタイミングで、火砲を発射したとの事で有った。無免許で。
結局博士は、『ボッッコちゃん』事業を旧ジャニに立ち上げさせ、博士の会社を親会社、旧ジャニの会社を完全子会社とし、全てを旧ジャニにやらせた。
ただし、無料配布を条件に。
つまり、博士は「名誉」が欲しいのだ。
(つづく)
