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【毎週ショートショートnote】こびと栗

本投稿は、秋田柴子様の『栗と牡丹』のネタバレを含みます。

「長月堂」の栗きんとんが食べたくて、俺は北海道からはるばる岐阜県まで来てしまった。

食べログ評価もまさかの「5」だ。

朝7時。
もう行列ができていた。
女性の職人さんがひとりで作っているらしいから、早い者勝ちだ。

甘い香りが漂って来る。
砂糖や水飴ではなくて、栗本来の香りだ。

嬉しそうに店から出て来る客の手元を凝視する。
おせち料理とかで見る「べったりとした栗きんとん」じゃ、全然ないのだ。

うおー!食べたいー!
「栗本来の甘み」を食べてみたいー!

俺の前には、4人。
栗きんとんは、あと10個。

地元民らしきオバハンが
「4つ」と言った。

「金岡さん、ひとり2個まででしょ。」
後ろに並ぶ知人らしき人に指摘される。

「御協力下さい、よね?」

店主が苦々しく頷く。

あと3人で、6個。
ワンチャン買える!

その願いも虚しく、3人とも2個ずつ買って行った。
まあ、そうだろう。

「あのー。宜しければ、こちら如何ですか?」

店主が一回り小さい「栗きんとん」を差し出してくれた。

店の奥の方を見ると、小学生くらいの女の子が栗きんとん作りの練習をしていた。

450文字

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秋田柴子様の『栗と牡丹』から着想を得ました。ショートショートというより、行列に並んでるだけの内容になっちゃいましたが、「こびと栗」なんて言われたら、今の私の脳は「本物の栗きんとん」でしかないんです。
一応、本文も『栗と牡丹』を読んだ方だけがニヤリと出来る内容にしたつもりですが、どうだろうか。

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