エッセイ的なもの|高校以降のオイカワ
そう考えると高校時代のオイカワは謎だ。
彼とはたまに廊下や、共通の友だちの家なんかで時々話すだけの関係になった。音楽の趣味が近くて、電気グルーヴの話などをよくして笑っていた記憶がある。
そういう話は中学時代はオイカワくらいしかできる人がいなくて寂しかったのだが、高校に上がると、それ以上のヤツらがたくさんいて、逆に教えてもらうことの方が増えた。もちろん当時はインターネットなんかはなくて、マニアックな情報は深夜のテレビ番組を観たり、雑誌で情報を仕入れたりしていた。
僕は中学の頃『イカすバンド天国』という深夜番組のファンでVHSに録画して何度も観ていた。吹奏楽部に入ると、その話題ができる友だちもいて、CDを貸し借りしていた。
僕がそんなことをして浮かれている間もオイカワは自宅のある坂の途中の団地の一室で勉強していたのだろうか。
途中までオイカワは北大に行こうとしていたと思うのだが、彼でも結局北大は無理だったようで、結局道外の大学に進学した。
僕は地元の教育学部に進学したがそれは実家から近いだけで、先生にはなりたくないなぁ、と思っていた。でも、今の極貧生活を思うとそんな贅沢言わずに黙ってなっとけと思う。
そんな感じなので僕は大学が休みになると暇で、実家に帰ってきているであろうオイカワに連絡を取るようになった。
それで半年ごとの出来事を確認して、酒を飲んで、時々ゲロを吐いた。
話というのは大体女の事で、つまりモテないから、どうすりゃ良いのかな、という会議をモテない連中が集まって妄想するだけだった。
僕は大学に入ってからアトピーが悪化して、それどころではないのだけれど、彼女はほしいから無理して酒を飲んでアトピーを悪化させていた。
僕は大学でもちょこちょこ女の子と仲良くなりそうだったけれど、付き合うまでは行かなかった。
こう見えても告白めいた事をされたこともあったが、そうされると逆に距離を取ったりした。アトピーで顔から血が出ているのに僕なんて、みたいな屈折した自意識があった。
オイカワは三年生くらいのときに彼女ができて、話を聞くところによると、何とも良い感じの人で、とても羨ましかった。
僕は四年生のときに部活の後輩と付き合うことになるのだが、就職氷河期で、就職できなかったとか色々あって別れてしまった。
今考えても僕には勿体ないくらいの人だった。
ちなみにオイカワはその彼女とそのまま結婚まで行って、今も道外で暮らしている。
一昨年の大晦日に、いつの間にかオイカワの連絡先が消えてしまったことを姉に話したら、高校の卒業アルバムに実家の電話番号が載っていると教えてもらった。
驚くことにアルバムを見ると、本当に電話番号が載っていた。
それで僕はオイカワの実家に電話をして事情を説明したら、オイカワの母はオイカワの番号を教えてくれた。
教えてもらった番号に、北海道に里帰りしたら会いたいとショートメッセージを打っておいた。
それから半年くらいした頃、オイカワから返信がきて、そこには来年の夏に里帰りするとあった。
それが今年の夏にあたるので、そろそろ連絡してみようかなと思っている。
2026/07/29
昔書いた、オイカワがモデルの創作です👇
