見出し画像

中国の世界遺産★福建土楼に泊まってみた!~赤い尿バケツと私~

前回のお話

「紅き大魚の伝説」のモデルとなった福建土楼ににわかオタクの聖地巡礼で行ってきた私。

その二日前に泊まったコロンス島(世界遺産)以来、喉の調子が悪く、どんどん悪化していて体調万全とは言えず、土楼に泊まるかどうか悩んでいた。

なので、犬を見たら泊まる、猫を見たら泊まらないと決める。

すると、どこからともなく犬が現れ、土楼の中に入っていったというのが前回までのお話。

今回は、田螺坑土楼群に泊まった私のリポートです。
私が撮影したYoutube動画も二つあり、臨場感が味わえます!


田螺坑土楼へ

真っ暗な山道をひたすら移動

私はにわかオタク聖地巡礼心理で福建土楼まで来たので、前知識もほとんどない。

今回の旅は、厦門の王さんと福州の陳くんに会うのが目的で、ついでに世界遺産見れたらいいなぐらいのノリで、コロンス島と福建土楼に行った。

日本から行くわけじゃないので、ただの国内旅行感覚。
行けばまあ何とかなるだろうぐらいの気分だったし、地元に友人もいるから、聞けばなんとかなるだろうと思った笑

すると、運よく、福建土楼近くは王さんの実家付近ということで、週末なら連れてってもらえることになった。

そうじゃない場合のことはあまり考えてなかったが、これもまあ行けばなんとかなると思っていた。

が、コロンス島よりかなり難易度が高い!

王さんが車で連れてってくれなかったら、どうすんの?ってぐらいの道のり。

そもそも土楼は全部一か所にあると思っていたのが大間違い。

昼間に見た土楼から、宿泊先の土楼まではさらにまた山の中を延々と車で走る。

ヘッドライトで照らしている先以外は何も見えないぐらい真っ暗。

どんどん山を上がっていくけど、本当に何もない。

途中竹藪があって、「もしや野性のパンダが!?」なんて期待したけど、福建省に野性パンダはそもそもいない。

かれこれ車で30分は走っただろうか(もっと長く感じたけど)。

やっと目的地?ってところに着いたが、そこはどうやら違うらしい。
※ここは上から田螺坑土楼群を見渡せるスポットだった。

夜は見えなかったが、土楼風なトイレがある

夜初めての場所を運転する人ならわかると思うが、実際たった30分ぐらいの道のりでも、遥か遠くに感じた。

その時の様子はこちら。※後半は中の様子も撮影してます。

地元の方言話せれば土楼無料

ちなみに土楼に行くには入場料みたいのが必要で、ゲートをくぐっていかなければならない。

ただし地元民だと無料。

ただ、それを証明するものが必要。

でも、王さん曰く、地元方言を話すと通してくれることもあるらしい。

実際、この時も王さんが地元方言で話すと、すんなり通れた。

方言無敵!

土楼宿泊

けっこう綺麗な土楼のお部屋

ようやくたどり着いた土楼だったが、やはりいくつかあるらしい。

石の敷き詰められた坂を降りていくのは一苦労。
王さんが荷物持ってくれたけど、一人だったらほんと大変。

ここに来る人はリュック背負うとか軽装で来る方がいいと思う。

それぐらい坂と階段ばかり。

そして辿り着いた土楼は、昼に見た土楼より、人の賑わいがあって、古代の浪漫もあって、一言で言うと、好きな感じ!

※さっきのYouTube動画後半に到着後の様子あり

けっこう明るい

中の様子見てから泊まるか決めたらいいと言われたけれど、もう即決。

「泊まるわ!」

そして王さん&ほうちゃん夫妻は私を残して土楼を去った。

オーナーらしい人の好さそうなおじさんが部屋まで案内してくれる。

部屋は一番上の三階。急な階段を上がっていく。
※日本基準の三階よりちょっと高いと思う。

錠前で鍵を閉めるんだけど、これがなかなかできなくて、ちょっと苦労した。

部屋の中にはベッドが二つ。

中国は一部屋いくらで計算するから、二人で来たら一泊一人千円だ。

思ったより清潔だったし、私的には狭くもない。

Wi-Fiもあるし、テレビもある(布かかってるのがテレビ)

エアコンはないけど扇風機がある。
でも山の中なので、扇風機使わなくても十分涼しい。

パンダ柄の網戸の向こうから虫の声がけっこうな音量で聴こえてくる。

鳥の巣みたいな電気

そして……

出た!

これがうわさの赤バケツ!

尿バケツだぁ!!!!

ドアを開けるとレトロなミシン台の上にすごい存在感。

一部屋ずつ置かれているこの赤バケツ。

トイレの中にも外にも置かれていた赤バケツ。

ここに入れたおしっこを下のトイレに流すのだろう。

部屋の外にあるこのバケツ。

まあ、使うこともないだろう。

なにせ私はわざわざ建物内にトイレがあるという民宿を選んだのだから!

そう思っていたんだけども……

禁断の赤バケツ!使うか使わないか!さあ、どうする!

私がこの民宿を選んだのは、この民宿だけは土楼の建物内にトイレが設置されているとtrip.comの口コミで知ったからだ。

別の民宿に泊まったドイツ人は、

「トイレに行くのに土楼を出て、暗い中をけっこう歩かなきゃなくて怖かった」

みたいなことを書いていた。

どこの民宿でも、尿バケツはあるようだ。

しかし福建土楼に行った人のnoteとかでは特に言及してないか「使ってません」と書いてある。

え、なんで? みんなそんなおしっこしないの?

尿道が短い女の人はトイレわりと近くない?

土楼の外までトイレに行くのはたいへんそう。

だから民宿内トイレ付を選んだけれども、三階は遠い……。

ちなみに、この民宿のトイレの様子はさっきの動画後半に。

わりと広いしドライヤーもあるし、トイレするところの真上にシャワーってパターンでもなく、左右離れててほっとした。

シャワーをとっとと浴びた私は、その日はとっとと寝ようと思った。

しかし、私はこの時、お湯をがぶ飲みしていた。

喉の調子がとにかく悪かったのだ。
気管もぜぇぜぇしていたし、声もガラガラになっていた。

風邪にしても乾燥にしても、お湯は万能と思っている。
※中国では「風邪にはお湯をたくさん飲め」がおばあちゃんの知恵袋。

ここでも中国民宿あるある、やりとりは全部WeChatなので、私は「お湯ちょうだい」とメッセージを送る。

けっこう時間経ってから、オーナーがポットを持ってきてくれる。
湯沸かし器じゃなくポット。
だから時間かかったんだろうか。

お湯は超熱い、水で割る。

そうやってお湯を飲んでたら、当然トイレに行きたくなる。

そして三階から一階のトイレへ。

その時、そこのおばさんが洗濯していたけど、階段がミシミシ言うので、私が降りて来たことに気づいて外に出てきてくれた。

そう! トイレとシャワーと洗濯機はすべて一か所にあり、誰か中に入って鍵を閉めたら、当然用は足せない!

しかし、お湯をがぶがぶ飲んでる私は、当然何度もトイレに行きたくなる。

そしてついに絶望の瞬間が!

トイレの中から水音……これは……

(ああああああ、誰かがシャワー浴びとるぅ!!!!)

これじゃすぐ出てこないだろう。

仕方なく引き返す

が、三階までのぼって疲れて、再び往復する気にもなれず……

急に存在感を増す赤バケツ。

それまで何とも思ってなくて、付き合う気もなかった人が心を占める恋の不思議とバケツの不思議……

いやいやいやいや、まさかありえないでしょ!
(ちっとも好きじゃないんだからねっ!)

しかし、生理的欲求って「ありえない」が「ありえる」ことになる。

ほら、若い時とか旅先であったりしません?

酒の勢いでついとか、そんなつもりなかったのに……とか!

あれと同じようなものかもしれない。

なにせ、この時、私はまったく必要性を感じなかったバケツに手を出すか出さないかで苦悶したのだ。

静まり返る山の中、普段とはちがうシチュエーション、虫の声の大音量が原始的本能を目覚めさせる!

解き放て! 自分を!!!!!

私はドアの外にあった赤バケツをグッとつかみ、部屋の中に引き入れた。

さながら抑えきれない情欲に駆られ、扉の向こうで「来ちゃった」と佇む相手を部屋の中に引き入れる覚悟を決めたかのように!

さあ、もう赤バケツを部屋の中に入れてしまった!

どうする? 今ならまだ理性を保てるか!?

文明社会に生きる現代人として、バケツで用を足して本当にいいのか!?

しかし、今の尿レベル90%の状態で階下まで再び行って、まだトイレに人が入ってる場合、折り返し戻って来られるだけの余裕がない。

最悪、トイレに鍵閉まってる時点でその場で漏らすかもしれない。

そしたら日本人観光客も増えてるこの土楼で、私は今後の日本人の印象さえ変えてしまうかもしれない!

「やーい、やーい、日本人のおしっこ漏らしぃ~」

嗚呼、幻聴がぁ!!!!

それなら日本人の名誉のためにも今、このバケツに用を足すほうがいいだろう!

私は覚悟を決めた。

そしてそっと赤バケツにまたがってみる……

すると!

赤バケツけっこう頑丈で、体重支えられるし楽!

やべぇ! なんじゃ、こりゃ! 思ったより使い勝手がいい!

だがしかし!

問題は尿の音である。

トイレでするより音が響く!

どうやら部屋の壁は薄いようだし、隣には人の気配がある。

私には、音消し文化の日本で生まれ育った日本人のプライドがある。

せめて、音だけは聞かせるわけにはいかぬ!

今ここでバケツでしていることは、誰にも知られてはならぬのじゃ!

なんかこんなシーン、漫画であったな。

天下を揺るがす不義密通の話だったよな……。

不義密通などしたことないけど、こんな心境なんだろうか……。

(ああ、とうとうやっちまった……)

しかし、罪悪感よりも生理的にすっきりしていた。

これが賢者タイムというやつか(絶対ちがう……)。

しかし、私とバケツの関係はこれで終わらなかった。

なにせお湯を飲み続けているので、とにかく体が排出したがっている。

でもまあ、最初は葛藤するけれど、二回目となるともう同じというか、だいぶ気楽になってきた。

もしや世の中の不倫や浮気をする人はこういう心境なんだろうか。

一線を越えるまでは苦悩するけど、その後は慣れていく心理?

経験ないからわからないけど、確かに最初が一番葛藤する!

その線を超えるか超えないか!

それを超えたら、私はもう尿バケツを使った女という事実は一生変わらない!

でもこれ、断言できるけど、性欲なんかよりずっと我慢できないからね!

それよりずっと切羽詰まった生理的欲求だから!

不倫や浮気とこの尿バケツ問題を一緒にしちゃいかん!!

自制心でなんとかなる問題じゃない!!!

だから、ここまで読んで私にドン引きした人も、同じ状況味わってみてくだせぇよ。

仕方なかったんだぁ!!!!!

なけなしの日本人のプライドで、音を消すことをがんばっていた私は、一度用を足すのにおそろしく時間をかけていた。

音を出してすっきり出せる普段のありがたみを感じつつも、体の奥からしぼりだすように水分を排出する感覚というのは何とも形容しがたく、不思議な初めての体験だった。

赤子の泣き声が響き虫の声もするのに静まり返る夜中の土楼。

風水で決められた場所に建てられた円形の建物。

上から見るとこれ

熟睡できたわけでもないのに、なぜか頭が冴えている。

体の奥からすべての悪いものを排出したかのような感覚。

まさにこれぞ究極のデトックスでは!?

私は福建土楼で原始的体験をして、裸の自分に還ったのだ!
(赤子の鳴き声がBGM)

……気づけば朝になっていた。

なんだか体がすっきりしている。

そしてなぜかのども調子がよくなってきている!

エアコンがなかったからか? お湯を飲んだからか? それとも排尿デトックスか!?

なんてさわやかな朝だ。

私は昨夜赤バケツで葛藤したことなど嘘のように晴れやかな気持ちで、朝ご飯を食べに外に出た。

そして朝の散歩に土楼のまわりを散策するが、赤バケツのことだけで大容量な記事になってしまったので、次回につづく……











いいなと思ったら応援しよう!