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寂しいって言えたら、こんなに抱かれなかった

【夜の静けさは、わたしの声を閉じ込めた】

「寂しい」って言葉が、どうしても口から出せなかった。
なんであのとき、ただそれだけを言えなかったんだろう。

寂しくて、誰かに触れてほしくて、でも
「会いたい」なんて可愛く言えるタイプじゃなかった。

こじらせてるって、わかってる。
自分から誘っておいて、帰る場所がないふりして、
本当は全部わかってたくせに。

「何してるの?」

っていうDMが、来たときもそうだった。
既読つけて、3分後に返して。

「まだ帰ってない」

わざと曖昧に返した。
“誰かに拾われたい”気持ちを隠してるフリして、
わかりやすく見せてる自分がいた。


【「抱かれてもいいや」じゃなくて、「抱かれたい」夜だった】

会ってすぐ、彼の目はどこか寂しそうだった。
私と似たような空気をまとってて、安心したふりをした。

喫煙所の横を通るたびに、香りが懐かしくて、
なんでもない会話が少しだけ心地よくて、
でも、ホテルに向かう足は止まらなかった。

ほんとは、手を繋いでほしかった。
でも何も言わなかった。

そういうの、望んでいい立場じゃない気がしたから。

部屋の明かりはオレンジ色で、
ベッドの端に腰を下ろしたら、もう戻れない気がした。

「嫌なら言って」

彼のその一言で、心が揺れた。

嫌なわけじゃなかった。
でも、“ほんとは寂しかった”ってことに触れられるのが、
なにより怖かった。

わたしはただ、必要とされたかっただけ。

だから何も言わずに、彼の方へ身体を向けた。


【“やめとけばよかった”って、何度も思ったけど——】

心より先に、身体が反応してしまった夜。
ちゃんと求められたかったのに、
わたしはまた、自分を安くしてしまったのかもしれない——。

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“何もしない”って、どこまで“しない”の?

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