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【読了】 市川憂人 「灰かぶりの夕海」

市川憂人「灰かぶりの夕海」
タイトルが気になった本


マスクをつけての外出が当たり前になった今、取り立てて生きたいと願わなくとも積極的に死を選ぼうとも思えない。無気力に生きる主人公は、ある夜、喪った恋人そっくりの女性と出会う。


童話モチーフを感じさせるタイトルはつい手に取ってしまいますね〜。
デビュー作を読んでいたので、どんな感じの作品なのかも気になりました。

矢継ぎ早に流れていく幾つもの断片。
細かく切り取られたそれは時間も場所も、人すら異なる。
ただ、重苦しい空気だけが似通っている。

前に読んだ「ジェリーフィッシュは凍らない」がSF絡みのミステリだったので、どういうスタンスで読むのがいいかなと思っていたら、今回もSF強めでいいみたい。
というか、伏せられているものが多いので推理をするという感じではないという方が近いかも。
…なんて思っていたら結構しっかり推理シーンもありました。
作中で事件もあったし、まぁそうか。

事件の収束とともに種明かしターンになるわけですが、ここであっ!と言わされました。
若干のミスリードがありはしたけど、もう完全にしてやられてた。くぅ!
振り返ってみれば確かにあれ?と感じる描写はあったのがまたぐぬぬです。

ストーリーを楽しんでいたら思いがけず綺麗に騙されていたのが逆に爽快というんだろうか。
様々なそういうことだったの!?を力技で納得させられた感がなくもないけど、それも含めて面白かった。
お話自体も凝っていて風変わりなところも良かったです。

(20250726投稿文の再掲)

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