映画と音楽「幸福な装置」@白鷺美術
金沢21世紀美術館から徒歩2~3分のところにある「白鷺美術」
とてもユニークな・・・お店? ギャラリー? ライブハウス?
どう表現したらいいのかわからないけど、オルタナティブスペース?
夜はバーになっていて、中央のスクリーンには古い、あまり知られてない映画が流れています。
そして、不定期ですが、2Fで作品展示をしたり、1Fで音楽のライブをしたり、トークイベントをしたり。
私も「いいなぁ」ってプログラムがあったら、申し込んで聞きに行ったり、見に行ったりしています。
今回は地元で活動されてる俳優の星能豊さんと映画監督の田中晴菜さんによる「映画と音楽」のイベントということで、私一人で行ってきました。
オスカー・ワイルドの童話「幸福な王子」
子供の頃に誰もが一度は読んだであろう有名な童話で、街の中心部に高く聳え立つ石像の王子・・実は彼には感情があって、そしていつも彼のそばを飛び回るツバメが話すいろんな話を楽しく聞いていた。ツバメの話に出てくる貧しい人々、食べ物に困る子供たち・・・心を痛めた王子は、自分の目や刀のつかに飾られた宝石を、その人々に与えるよう、ツバメに頼みます。人々はそれをもらって豊かになっていきます。
ついに何もなくなった王子は冷たくなっていき、ツバメは王子の足元で息絶えていく・・・
そんな話でしたね。
この話をベースに、二つの短編映画が上映され、後半は、その映画のBGMとして演奏されていた曲を演奏していた「Music for ISOLATION」のお二人が、生演奏を披露する。
そして最後にトークがありました。
私はトークはちょっとお腹も空いてたし、仕事の後ということもあって、音楽演奏までで帰りましたけど。
短編映画の中で、高校生二人が「幸福な王子・・・なのか、幸福の王子なのか・・・」でいろいろ話をしているところ、なるほどなぁと思いました。
ツバメは王子を愛していたんだから、愛する人と一緒に天国に行けたなら本望だから、幸福だったのは王子とツバメ・・・でも、街の人も宝石をもらって豊かになって、幸福になったんだから、幸福をくれた王子なんだから、幸福の王子・・・
う~ん、この論理、おもしろいなぁ。
人が誰かから何かをもらって、結果、豊かになった・・・宝くじだって、買いに行くという能動的な行為をしているんだから、「誰かから何かをもらって」という単純な図式じゃないし。
王子の目や心臓にある宝石をもらって、それは誰かの犠牲のうえに、自分がもらって幸福になるって、どうなん?っていう、高校生たちの素直な会話、おもしろかったです。
「幸福な装置」 の方は、朗読しているのを映画にしたてている・・・確か、以前、21世紀美術館のシアター21で鈴木大拙だったか、西田幾多郎だったか哲学者の書いたものを朗読して、それを映像化して、上映会ってのがあったなぁと思ったけど・・・
この星能さんと岡慶悟さん、清水みさとさんの大人の朗読劇。
これも「幸福な王子」がベースになっているが、時間軸をぐっと未来にもっていって、生き物がいなくなった世界に作られたAIと、やっぱりAIだけどスパイ用に作られて高速移動ができる「つばめ」との出会い。「こころの輪郭」ってなんだろう・・・
そのロケーションがすごくよかった。どこか廃墟のような、石切場みたいなところ? で水滴が落ちる音があって、二人が語る・・・内容は、言葉がとても「どこか現実的ではない」内容で、ついていきづらかったけど、このロケーションは最高だった。
音楽の方は、竹内理恵さんとギデオン・ジュークスさんによる、バリトン・サクソフォーンとチューバという珍しいデュオ、
低音の心地よさと、意外な軽やかさ、人がいない景色・・・が目の前に浮かぶような、そんな曲でした。
