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#17、洗濯機が入らない家、窓が掃除できない家。現場で見てきた「取り返しのつかない設計ミス」3選

入社1年目、先輩設計士が担当した物件で、こんな失敗を目の当たりにしたことがあります。

洗面所に、洗濯機が入らない。

図面上は問題なく見えました。でも実際に既製品の建具を選ぶ段階で、間口の狭いものを選んでしまっていたんです。原因は、910モジュールで設計するところを、あえて890モジュールにして部屋を広く見せる手法を使ったこと。その結果、洗面所の入口だけ、本来トイレ用に使うような狭い規格のドアが選ばれてしまいました。

設計士も現場監督も、住んだ後の生活までは想像できていなかった。目の前の数字と規格だけを追いかけた結果です。この時は、洗面所の入口を壊して作り直しました。

このトラウマがあるので、今も不動産仲介の仕事で物件を見るとき、洗面所の入口の寸法には人一倍敏感になっています。

そして今でも、明らかに洗濯機が入らないだろうと分かる寸法の物件を、普通に見かけます。それでも、平気で売れていくから不思議です。

種明かしをすると、今の売主側はうまく逃げを打っています。契約書や覚書に「すべての家電・家具が入るとは限りません」という一文を、あらかじめ入れているんです。この一文があることで、設計ミスがあっても責任を問われない仕組みができあがっています。

洗濯機だけの話ではありません。ある大手ハウスメーカーの現場では、お客様の要望で道路側の窓を小さくしたところ、外観デザインを優先しすぎたせいでベッドが搬入できないという事態が起きたそうです。結局、外壁を壊して窓を入れ替えることになったと、当時の業者から聞きました。特に北向きの家は、家具の搬入口の確保も忘れずに考えてください。

②窓が開けられない、掃除できない問題

これも、先輩の設計図を私が現場で見つけた話です。

階段はまだ設置されていない段階で、大工さんは図面通りの位置に窓を取り付けます。ある日、大工さんとの打ち合わせで現場を訪れたとき、階段周りに取り付ける窓の位置が明らかに高すぎることに気づきました。「あ、これはまずいですね」とその場で伝え、付け替えてもらったことがあります。

外壁屋さんには申し訳ない話でしたが、外壁を剥がして窓の位置を変更しました。完成前に気づけたのは、不幸中の幸いです。

これは一例ですが、実際に街を歩いていると「この窓、どうやって掃除するんだろう」と思う家をよく見かけます。窓は見た目の配置だけでなく、掃除やメンテナンスのしやすさまで考えて位置を決めるべきです。

③室外機が置けない、エアコンが取り付けられない問題

都市部の狭小住宅でよく見かける問題です。設計ミスと言い切れるかは微妙なところですが、住んだ後の生活を想像できていない間取りであることは間違いありません。

3階建て住宅では、3階にエアコンの室外機が置けないケースがあります。1階・2階なら敷地内に室外機を置けますが、3階の場合は外壁にハシゴ(スライダー)を掛けて作業する必要があります。ところが隣地との距離が十分に取れていないことがほとんどで、ハシゴを掛けられない。結果、足場を組んでの取り付けが必要になり、その費用はお客様負担になります。3階建てを検討する際は、バルコニーに室外機を置けるプランになっているか、必ず確認してください。

同じ理由で、3階建てで2階がLDKになる間取りでは、冷蔵庫が上がらない問題もよく起こります。階段の「幅」は見ても、「天井の高さ」までは測っていない人がほとんどです。大きな冷蔵庫は階段を斜めに傾けながら上げていくため、想像以上に高さが必要になります。冷蔵庫はバルコニーからの搬入になる可能性も、あらかじめ想定しておいたほうがいいでしょう。


図面や完成予想図の見た目だけでは、この3つのミスにはまず気づけません。契約前、そして着工後にも「これは大丈夫か」と一度立ち止まって確認する視点を持てるかどうかで、住んでからの後悔は大きく変わります。

こうした見落としを1つずつチェックできるよう、間取り決定前に見ておきたいポイントをまとめたものがあります。判子を押す前に、一度答え合わせをしてみてください。

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