マンガ「日本三國」を読んだ(三国鼎立は面白いという話)

 筆者が好きそうなテーマのマンガがあったので、ついつい読んでしまった。

 文明崩壊後の日本が3つの封建国家に分裂していて、お互いに争っているというもの。開始早々専制支配者に主人公の妻が殺害され、主人公が日本統一とか世直しに志を持って大阪に行くみたいな話である。

 筆者は年齢のせいかはわからないが、マンガを読んでも無感動になってきた。「あ〜こういう系ね」と既視感を感じてしまうのだ。だから、昔のような感動はなかったのだが、三国鼎立という設定自体は好きなので、そっち方面の空想は膨らんだ。そういうわけで感想のような妄想を書きたい。

 ワンピースとかもそうだが、こういう作品には極悪非道の専制支配者が登場しがちである。こういう支配者ってどれくらいいるのだろうか。政治権力者というと万能の力を振りかざしているように思えるが、それは権力者を指示する人たちがいるからだ。だから専制国家といっても政治家は政治家なのである。一党独裁国家の場合は上に来るのはサラリーマン組織で出世できる人なので、それなりにまともな人であることが多い。何の正統性もなく幼稚な理由で処刑を繰り返すような人は権力を維持できるのかという疑問がある。

 この手の専制支配者はどちらかというと政権の足を引っ張るタイプなのではないか。独裁者の表に出せないドラ息子とかだ。後は事情があって外部勢力の傀儡になっているような支配者だろうか。チェチェンのカディロフ首長などだ。こういう人たちは暴力行使に必要な政治的正統性が全く無いので、他人の支持を得られない。結果、怒り狂った民衆に殺害されたり、ライバルに出し抜かれたり、後ろ盾となる上位権力者に切り捨てられたりするわけである。

 ところで、三国鼎立というのは戦略ゲー的な観点でも面白い。世界が三国鼎立しているという設定の話は筆者は結構好きである。以前の記事でも書いた。


こういう設定

 日本三国の場合はこういう三国鼎立になっている。

 日本列島の地理的形状を考えると、ちょっと無理がある形状だと感じる。ここは仕方がないか。中部地方の山脈のお陰で北陸が隔離されているということだろう。

 平安末期は一瞬三国鼎立っぽくなった。中央部を押さえた源氏、西国に逃げ延びる平氏、東北を支配する奥州藤原氏である。三国が分裂するにしても、お互いが接している状態にはなりにくいんじゃないかな〜。この国境を安定させるなら、外国のパトロンが必要だが、そういう描写はなかった。

 日本に似た地形をしているのはソマリアだろうか。というか、こういう作品ってソマリアをどこかしらに念頭においてるんじゃなかろうか。

 何度見ても凄まじい国家である。この国は21世紀なのに中世を生きている。北部のソマリランドは民主主義が機能し、独立国家として生きている。最近イスラエルに承認された。中央のプントランドは一応安定していて、連邦政府にも忠実だが、一時期は海賊が多かった。南部はイスラム過激派のアル・シャバブが跋扈していて、超危険地帯である。

 他には三国鼎立が続いていた国としてシリアがあった。この国はアサド政権支配地域と反体制派支配地域とクルド人支配地域に三分割されていた。それぞれバックに大国がいる。2024年にアサド政権が崩壊して分裂状態は一応解消されたことになっているが、いつまで続いたものか。今まで距離をおいていたイスラエルは介入する気満々である。

 ついでに言うと、今の中東もイラン・トルコ・イスラエルの三国が鼎立し争っている状態だ。人口面で圧倒しているはずのアラブ国家が無力なのは皮肉である。

 後は20世紀前半の中国も国民党・共産党・日本軍で三国鼎立みたいな感じになっていた。こちらは結構世界史的なドラマがあって面白い。ただ、主人公ポジが毛沢東なのが玉に瑕である。確かに志は偉大だったのだが、大躍進と文革で国民党も真っ青な流血の政治となった。

 他にも世界規模の三国鼎立とか考えることもできる。北米・ヨーロッパ・東アジアにそれぞれ世界大国があると良い。北米は米国で決まりだ。ヨーロッパはロシアがあまりにも弱体化してしまったので、ドイツが第4帝国になるしかなさそうだ。東アジアは中国が順当だが、ここは創作なので統一東アジア帝国というあり得ない構想があっても良い。以前の記事でそういうのを書いたことがある。

 と、全く無計画に連想したことを書いてしまった。単なる雑記である。

いいなと思ったら応援しよう!