風立ちぬサウンドトラック 最強決定戦
始めるにあたって
ipad用のキーボードを買った。買った理由作りのためにnoteを始める。
理由がないなら始めればいいじゃない。
さて本題、今回は下記31曲をティア分けしていく。
1.旅路(夢中飛行)
2.流れ星
3.カプローニ(設計家の夢)
4.旅路(決意)
5.菜穂子(出会い)
6.避難
7.恩人
8.カプローニ(幻の巨大機)
9.ときめき
10.旅路(妹)
11.旅路(初出社)
12.隼班
13.隼
14.ユンカース
15.旅路(イタリアの風)
16.旅路(カプローニの引退)
17.旅路(軽井沢の出会い)
18.菜穂子(運命)
19.菜穂子(虹)
20.カストルプ(魔の山)
21.風
22.紙飛行機
23.菜穂子(プロポーズ)
24.八試特偵
25.カストルプ(別れ)
26.菜穂子(会いたくて)
27.菜穂子(めぐりあい)
28.旅路(結婚)
29.菜穂子(眼差し)
30.旅路(別れ)
31.旅路(夢の王国)
当然小生は音楽を適切に批評できる能力を持ち合わせていないので、作成されたティアが単に好みを反映したものであることをご理解頂きたい。
性質上類似したメロディーが幾度か登場する(旅路という題のつくものが10、菜穂子が7、その他同じ題を冠する楽曲が複数組)ため、評価において独創性にやや強い重きを置くこと、加えてその楽曲が使用されているシーンへの好感度の如何が評価に現れること、ご了承願う次第である。
(小生の友人は映画『風立ちぬ』の出来の7割が久石譲の楽曲によるものだと主張しているが、小生が思うに最も特筆すべきは、堀辰雄『風立ちぬ』と「堀越二郎」という本来別個であるはずの2つを見事に美しく混ぜ合わせた点である、と解している為スタジオジブリ『風立ちぬ』を語るnote作成にも意欲的である。[彼の名誉のために断っておくが、彼はサウンドトラックを頭から聞きながら散歩している間、靖国神社を訪れ、映画のあるシーンを思い出し銅像の前で涙を流し続ける、という奇人たる熱狂ぶりを見せている])
評価はS・A・B・C の4段階で行う
登場が遅ければ遅いほど評価が高いものとする。
ティアC
『旅路(妹)』
残念ながら今企画最低の評価となってしまった。上位に君臨する「旅路」シリーズがあまりにも強く、独自性のなさ故この順位に。まあそもそも笹取りネキの楽曲が上位に入るというのもおかしな話である。
『菜穂子(運命)』 『菜穂子(出会い)』
いい楽曲なのはもちろん理解している次第ではある。が上に同じく他の「菜穂子」シリーズが強い故にこの順位に落ち着いている。2曲が同順位に存在しているのは、両者に顕著な違いを見受けられなかった小生の力量不足である。
『旅路(軽井沢の出会い)』
「旅路」シリーズを初期段階でこんなにも放出していいのかという心配は十分理解できる。しかし「旅路」シリーズの層の厚さは想定を上回るであろう。(妹)との違いは、豊かな緑と美しい菜穂子を描写したシーンにうまく適合している点だろうか。
『カストルプ(別れ)』
カストルプは好きだが、「風立ちぬ」のなかで最も説明的描写が欠けていたという立場上、彼の退場曲であるこの楽曲を聴くにしても、彼が車を走らせながらこちらに視線を向けていることくらいしか思い出せない。独自性でこの順位に。
『旅路(決意)』
いい曲ではあるけど、(夢中飛行)でよくないかという感触は否めない。
『旅路(初出社)』
ティアCを締めくくるのはこの楽曲。個人的にかなりお気に入りの楽曲ではあるがこの順位である理由は前述の通りである。作品全体で見た時に珍しく、この楽曲は陰り曇りがなく、二郎の希望に満ちた(と思われる)将来を表現している点は特筆すべきである。
ティアB
『避難』
聴く分には全く好みではないが、作品に漂う雰囲気を表現する以上この楽曲は必要。独創性も加えてBにランクイン。
『菜穂子(プロポーズ)』
物語が進むにつれて増す悲痛さの始まりと言っても過言ではないだろう。待ち構える困難が楽曲の最終部で表され短く終わる点も堂々のBたる所以である。
『隼』
サウンドトラックの中でも異質な存在。小刻みなリズムが心地よさを提供する一方、底なしの明るさではなく二郎の試行錯誤がうまく表現されているのではないだろうか。
『八試特偵』
小生は勝手ながら、後半の「隼」だと捉えている。「隼」と同様軽快なリズムに加えて、より洗練されたトランペットが響くのは、二郎の設計能力向上が示されていると考えるのはいささか勝手な解釈であろうか。楽曲の最後に先を思わせる展開が見られるのも高評価の理由。
『カストルプ(魔の山)』
先ほどカストルプのことが好きだと述べたが、全くの嘘である。愛している。
なんとも奇妙で不思議なキャラクターであろうか。謎の草をむしゃむしゃと食べ、気づけばピアノを弾き、大声で歌い出す。一体全体なんなのだろうか。
そんなことを考えていたら破裂してしまいそうだ。
『菜穂子(虹)』
楽曲冒頭の弦楽器、続くフルートは泣きながらも震える声を抑えて必死に生きようとする微かな生命力が聴いてとれるのではないだろうか。恐ろしいのはこの楽曲がここにランクインする「菜穂子」シリーズの層の厚さである。
『紙飛行機』
作品内で珍しく安心して見ていられる二人の微笑ましいシーンを彩る今楽曲は、風に乗って紙飛行機がお互いの元を往復し、二郎と菜穂子に加えて様々な人物を絡めた象徴的な昼の軽井沢を上品に伝えている。
『菜穂子(眼差し)』
「手をください」・・・・「タバコ吸っちゃだめ?」・・「だって、お前、、」・・・・・「いいの」
言葉は不要
『風』
物語の平均をとるならばこの楽曲が適切だろう。可もなく不可もなくでここに登場
『隼班』
二郎が設計に没頭するシーンで流れていた楽曲。彼が理想とする曲線美がこんなにも華麗に音を用いて表現されているのは、作曲者がかの久石譲であるからである。映画全体に一貫して見られる、常に危なげな雰囲気も当然この楽曲の中に登場している。完成度としてかなり高いと考えているが、残念ながら戦う相手が悪かった。
映画「オッペンハイマー」に似たシーンありましたよね。
『ユンカース』
「隼班」とは対照的に力強く、光沢を纏った機体が目に浮かぶ。
「ドイツ工業技術の結晶だ」
まさしくである。
『菜穂子』(会いたくて)
小説「風立ちぬ」でもそうだが死を受けいれた(適切な表現が小生にはわからないが)
二人を見るのは本当に辛い。しかしこの楽曲が増幅させる二人のわずかな幸せを見ないわけにはいかないのである。
「僕らはいま、一日一日をとても大切に生きているんだよ」
わかるか?笹ネキ
ティアA
『恩人』
震災後燃え尽きた里見家、全てを失った東京。されど絶望がそこを満たすわけでもなく、復興への輝く意志がこの曲と共に劇中で見られる。
『カプロー二(設計家の夢)』『カプローニ(幻の巨大機)』
二郎の精神的な師を務めるカプローニが見事に描かれているように感じる。壮大なスケールの夢とコミカルさ、何より「飛行機」へのロマンを我々が擬似体験できているのはこの男、そしてこの楽曲の働きによる物である。
『旅路(カプローニの引退)』
続けて師が登場。極めて素敵な楽曲ではあるのだがこれの強化版が後程登場。
「創造的人生の持ち時間は10年だ」
幼年の二郎が彼の後ろを歩いていたのに対し、この頃の二郎は彼と並んで話をしているのも印象的。
『旅路(イタリアの風)』
メッセージ性は他と比較した際に抜きん出たものはないと考えているが、「旅路」シリーズの派生の中では高い評価を与えてもいいのではないだろうか。
『ときめき』
こんなにも優しく、詩的な38秒があるだろうか。
『菜穂子』(めぐりあい)
冷たい雪と寒空が。人混みに揉まれる駅が。何より菜穂子の決心が伺える。
いつ我々はこの寂しさを受け入れることができるのだろう。
以前友人と一緒に鑑賞したとき、この曲が流れる頃には完全に二人とも口が閉じ切っていた。
話してはいけない。この寂しさを語れるほどに我々の言葉は発達していない。
ティアS
『旅路(夢中飛行)』
映画「風立ちぬ」を、今サウンドトラックを、第一に語る楽曲にふさわしいティアを。
時にハンモックに横たわった感覚を、時に強力な自戒の念を。
『流れ星』
幼い二郎は星を見て何を思うか。
物語の主人公であるはずの彼も時代の激動にまきこまれ、もみくちゃになってしまう。ひとときの安らぎが彼にあってもいい筈である。
『旅路(別れ)』
二郎は全てを失い、日本も戦争に敗れた。空を美しく舞うはずの彼の飛行機は、見えぬ彼方の大地で翼を失っていく。カプローニと共に描いた夢とのギャップがこれでもかというほどに感じられるが、この楽曲の凄まじいところは、単なる絶望ではなく、それでも前を向こうという人間の心を完璧に表現している点である。
『旅路(結婚)』
静かな黒川家に菜穂子と二郎。渡り廊下を転倒しそうになりながら歩く菜穂子が、二郎の前に煌めきを帯びて現れる。本当にこの作品、特に後半は間違いなく傑作である。
黒川さん、小生も涙が止まりません。
『旅路(夢の王国)』
カプローニによる最後の導き、菜穂子、二郎を見て何を言うか。
夢が敗れて、最愛の人を無くそうとも、生きねばならない。
綺麗な曲です。
終わりに
ぜひ皆さんのご感想並びにご意見頂きたく思います。
