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老後資金に必要な額は誰もわからない だからこそ収支のバランスが大事

 前回の投稿では、老後の収支はマイナスになることが多い中で、その老後がいつまで続くかわからないことが、老後資金対策の最も難しいところということをお伝えしました。
そして、そのような中で老齢年金以外に老後資金として活用できる資金もあることをお伝えしました。

今回は、以上の前提を踏まえた私なりの老後資金対策をお伝えします。


1 老後資金対策の考え方


 様々な考え方はありますが、まず考えるべきは老齢年金をいつから受給するのかということです。

老齢年金は生涯受給できますので、亡くなる前に最も多く受給するためにどう受給するかという考え方はあります。平均寿命で死ぬ場合はいつから受給すると生涯で最も受給できるということについて計算上は可能です。
また、元気なうちにしっかりもらっておこうという考え方で、早めにもらっておこうという考え方もあります。

でも、自分の寿命はいつまでかということは基本的にあらかじめわかるものではなく、想定以上に長生きしたら老後資金が尽きてしまうリスクがあります。
そこで、私はこう考えます。

老後は多くの場合、収支がマイナスになること、そして自分の寿命がわからないのなら、このマイナスの幅をできるだけ小さくする。できるだけ単年度の収支の幅を小さくして、人生が長くなってもリスクを小さくし続けることが必要なのではないでしょうか。

ちなみに、老齢年金の受給開始年齢を繰り下げるとどういう効果があるのかということをお伝えします。
まず、年金の受給開始年齢を65歳から70歳まで繰り下げると年金額は約1.4倍になります。さらに75歳まで繰り下げると約1.8倍になります。
この効果を平均的な姿に当てはめたものがこちらです。

どの人にも当てはまるわけではないのですが、この場合は算定上年間の収支はプラスとなります。税金等を考慮するともう少し収支の幅は小さくなりますが、65歳から受給するよりもかなり改善します。


2 具体的な老後資金戦略


 これまでの話を踏まえて、老齢年金の受給開始時期をいつにするか、それ以外の年金等をいつからいつまで受給するかということについて、3つのパターンをお示しします。

パターン1は、65歳でリタイアし高齢になる前にアクティブな人生を満喫できるよう、65歳のタイミングで退職金を取り崩すとともに、老齢年金、iDeCo、NISAいずれも受給するというものです。

パターン2は、65歳でリタイアするのは1と同じですが、70歳になるまでは退職金等の取り崩し、iDeCo、NISAでしのいで、受給額の上がった老齢年金を70歳から受給するものです。

最後のパターン3は、70歳まで働き続けることを前提に、給与が減少する分をiDeCoとNISAでカバーし、さらに退職金等の取り崩しで75歳までしのいで、1.8倍になる老齢年金を75歳から受給するものです。

 どのパターンに近いものを選択するかは個人個人で異なるものと思います。
早くリタイアして趣味に没頭したい、体が動くうちにしっかりお金を使っておこうという方はパターン1に近い資金計画を立てるのではないでしょうか。
早くリタイアして安定した生活を送りたいという方はパターン2に近い資金計画かもしれません。
親の介護や家の建て替えなどで資金繰りが必要になっても困らないようにしたいので、できるだけ長く働きたいという方はパターン3に近いものになるかもしれません。

ただ一つ言えることは年金受給の選択肢を広げることが大事で、そのためには、できるだけ長く働くようにすることだということです。そのためにも、最も大切なことは健康であり続けること。これにつきると思います。また、健康でいることで、医療費などの支出を節約することもできます。

 ここまで老後資金の受け取り方について説明をしてきましたが、では、いつごろからどのくらい老後資金の確保に向けて投資をしていけばよいのでしょうか。
これらは、個人の状況によって異なりますが、考え方ははっきりとしています。

まずは、生活費(会社員なら各種公的保険があるので半年分、自営業者なら1年分程度)や近いうちに使う目的のある資金は元本割れのリスクのない預貯金などで確保しておきます。
これらの資金以上に貯蓄が残るようになってから、老後資金の確保に向けてNISAやiDeCoなどの投資商品に資金を回すようにしてはどうでしょうか。
その際、iDeCoは原則60歳まで取り崩しができないので、60歳までの間に取り崩しが必要になる可能性が想定されるならNISAを選択するほうが無難です。

また、キャッシュフロー表を見ると将来の貯蓄額が見えてきます。
老後に向けた投資を始める時期を検討するのに役立ちます。
将来の家計が見通せる「キャッシュフロー表」 〜エクセルで手軽に作れる〜|Pocoponta

 教育資金を確保している期間や住宅ローンを返済している期間はどうしても貯蓄が増えにくいのですが、少額からの投資も可能です。
NISA、iDeCoなどは長く運用することでその効果が大きくなりますので、必要な資金が確保できそうであれば少額でもよいから早めに始めて、貯蓄の状況を見ながら投資額を増減させればよいのではないでしょうか。

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