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高森明勅氏の女性・女系天皇論における「3つの論理的破綻」と自己矛盾


皇位継承問題をめぐり、今上天皇の直系長女である愛子内親王殿下の即位や女系天皇の容認を強く主張する神道学者の高森明勅氏。世論の「愛子さまに天皇になってほしい」という感情に寄り添う形で支持を集める一方、その言論を詳細に分析すると、自身の都合に合わせて定義や前提をひっくり返す「致命的な論理的破綻」が複数存在することが分かります。本稿では、彼の主張における主要な3つの自己矛盾を検証します。

破綻①:「数百年前の男系は遠すぎる」と拒絶し、「数千年前の神話」を根拠にするダブルスタンダード

高森氏は、男系護持派が主張する「旧宮家(伏見宮系)の男系男子の皇籍復帰案」を批判する際、現在の天皇家と共通の祖先が室町時代(崇光天皇・伏見宮貞成親王)まで遡ることを挙げ、「600年も離れた血筋は『遠すぎる』ため国民の理解を得られない」と切り捨てます。

しかしその一方で、自身の女系容認の最大の根拠として「皇祖神である天照大御神(アマテラス)が女神であること」を掲げています。


10数年前(2000年代半ば〜2010年代前半)にかけてネット上で大量に拡散された「天照大神(アマテラス)は女神だから、皇室は女系・女性で問題ない」「男系にこだわるのは明治以降の男尊女卑だ」という主張の最大の理論的・思想的な発信源(根源)は高森明勅氏、および彼の理論を一般向けに普及させた漫画家の小林よしのり氏です。

論理の破綻:
わずか600年前の歴史的血統を「遠すぎて無効」とするならば、数千年前の神話の時代に位置する天照大御神を根拠に「女性の血筋だから正統だ」とする論理は、時間の距離において何倍も不条理です。
相手を叩くときは「現実の歴史・時間(600年)」の物差しを使い、自説を補強するときは時間を無視した「神話の精神」という別の物差しを持ち出す姿勢は、学術的な一貫性が皆無であり、明らかな二重基準(ダブルスタンダード)と言わざるを得ません。

破綻②:旧宮家の完璧な「父系」を無視し、婚姻関係だけで「女系」と断じるレトリックのすり替え

高森氏は、竹田宮家などの旧宮家について「明治天皇の皇女(娘)と結婚したから皇族でいられたに過ぎず、中身は明治天皇の『女系』だ」という独自の論理を展開し、彼らの正統性を否定しています。


「竹田家の場合は、同じく女系を介して明治天皇につながる(第6皇女・常宮昌子内親王が恒久王と結婚)。」

しかし、これは血統論における明らかな事実の歪曲、あるいは意図的な無視です。

  • 論理の破綻:
    竹田宮家をはじめとする旧宮家は、明治天皇の娘と結婚しようがしまいが、父親・祖父・曾祖父と父方を遡れば必ず歴代の天皇(伏見宮家・後花園天皇など)に辿り着く、歴史的・血統的に完璧な「男系男子(父系)」の家柄です。明治天皇の皇女との婚姻は、皇室との結びつきを緊密にするための「補強(二重の縁)」であり、血統の起点ではありません。
    「父方を辿れば天皇に行き着く」という男系の定義を満たしている厳然たる事実を無視し、婚姻関係だけを切り取って「女系に過ぎない」と斬り捨てるのは、客観的な血統論として完全に破綻しています。

3. 破綻③:「男女平等」を掲げながら「天皇になれば国家が婚姻を統制する」という“いいとこ取り”

高森氏や容認派は、女性天皇を推進する大義名分として「現代の男女平等の精神に合致させるべきだ」「女性だからという理由で排除するのはおかしい」と、近代的な人権・平等のロジックを多用します。


しかし、男系派から「女性・女系天皇を認めれば、配偶者(夫)やその実家を通じて不適切な民間人や勢力が皇室の中枢に入り込むリスク(古代の道鏡事件や現代の小室騒動の教訓)」を指摘されると、途端に主張を変えます。高森氏は「天皇や次期天皇となる女性の婚姻には、国家や皇室会議が厳格に関与・統制するから大丈夫だ」と言い出すのです。

  • 論理の破綻:
    「平等の精神で門戸を開くべきだ」と言いながら、「入ってくる男性の自由は国家が奪って審査する」という論理は、激しい自己矛盾を抱えています。
    本当に近代の「男女平等や個人の自由(憲法24条)」を皇室に適用するなら、天皇の婚姻の自由も認めるべきであり、そうなれば周囲が配偶者を排除することは不可能(リスク管理の崩壊)になります。逆に、皇室の純粋性を守るために国家が厳格な選別を行う(全体主義的アプローチ)のであれば、最初から「近代的な男女平等の思想」を皇室のルールに持ち込むべきではありません。自分たちの都合の良い時だけ「平等」と「国家統制」を使い分ける「いいとこ取り」の詭弁です。

総括:結論ありきの「ツギハギ言論」の限界

高森明勅氏の女性・女系天皇論の本質は、純粋な人権論や一貫した神道学ではなく、「何が何でも今上天皇の直系(愛子内親王)に皇位を継がせる」という結論(政治的ゴール)が先にあり、それを正当化するために後付けの屁理屈を並べた「ツギハギの言論」であると言えます。

日本の皇室が1500年以上にわたり、どれほど遠くとも「男系の血(父系)」を守ることに絶対的な価値(万世一系)を見出してきた歴史の実績と執念を前にした時、彼の二重基準に満ちたロジックは崩壊を免れません。

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