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至高のビートルズ・カバー曲と『植物×アート』の次回予告


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こんにちは、ラブリープランツの管理人です。

前回、『植物と一緒に楽しみたいMy Chill Music 7曲』という音楽に関する記事を公開したら、思いのほかビューが伸びたので、また音楽の記事を書いてみようかなと思います。

前回公開した音楽の記事『植物と一緒に楽しみたいMy Chill Music 7曲』はこちらです。

前回はちょっとマニア向けの内容でしたが、今回はみんな大好きビートルズの曲を紹介します。とは言え、ただビートルズの曲を聴いても普通すぎるので、おすすめのビートルズのカバー曲を紹介します。

でもね、ビートルズのカバー曲って世界中に星の数ほどあるんです。でも、あまりにも原曲のクオリティーが高すぎるので、ほとんどのカバー曲があまり良くないんですよね。これだったら原曲聴いたほうがいいよってなっちゃうんです。

そんなカバー曲が多い中、今回はビートルズの原曲にも負けない魅力をもった至高のカバー曲を2曲紹介します。

※今回も著作権を配慮して、YouTubeの公式チャンネルとトピックチャンネルの動画から選曲しています。


① The Beatles - Across The Universe(オリジナル曲)

まずは、ビートルズのオリジナル曲から聴いてみましょう。

『Across The Universe(アクロス・ザ・ユニバース)』は、ザ・ビートルズが1969年(または1970年)に発表したレノン=マッカートニー名義、実質はジョン・レノンが作詞・作曲した名曲です。ジョン・レノン自身が「自分が書いた中で最高の歌詞の一つ」と自賛した、非常に詩的でサイケデリックかつ、瞑想的な雰囲気を漂わせるバラード曲です。

サビで繰り返される印象的なフレーズ「Jai Guru Deva Om(ジャイ・グル・デヴァ・オム)」は、サンスクリット語で「我らが導師、神に勝利あれ(感謝を)」という意味を持つマントラ(呪文)です。当時ビートルズが傾倒していたヒンドゥー教の「超越瞑想」の教えが強く反映されています。

そして、もう1つ印象的な歌詞があるんです。ビートルズの「Across The Universe」で繰り返される「Nothing's gonna change my world(何ものも、私の世界を変えることはできない)」という歌詞は、どんな外的要因も私の心の平穏は乱せないという、瞑想の境地や絶対的な安心感を歌った言葉です。このフレーズは、元妻との口論の最中に生まれたらしいのですが、この歌詞の内容が、次に紹介するFiona Apple(フィオナ・アップル)のカバー曲(特にそのMV)にすごく合っているんですよね。

一般的に広く知られているオーケストラが加わったバージョンは、ビートルズのラストアルバム『Let It Be』(1970年)に収録されています。

① Fiona Apple - Across the Universe(カバー曲)

Fiona Apple(フィオナ・アップル)はアメリカのシンガーソングライターで、彼女による「Across the Universe」は、1998年に発表されたビートルズの名曲のカバーです。原曲のサイケデリックな雰囲気を残しつつ、彼女ならではの深い余韻を残す仕上がりになっています。

フィオナは幼少期に暴力的な被害に遭い、それがパニック障害や恐怖症、拒食症を患うきっかけになったことを公表しています。これらの凄惨な体験やそこから生じた怒り、不安、孤独感は、彼女の生々しく刺さるような歌詞や音楽性の根底に深く影響しています。

そして、今回紹介するAcross the Universeのカバー曲は、MVが彼女の感性にぴったり合っているんです。このMVは当時フィオナの恋人でもあったポール・トーマス・アンダーソン(映画『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などで知られる監督)が撮っています。

MVのカオスな暴動とフィオナの静けさの対比は、原曲の核心である歌詞「Nothing's gonna change my world(何ものも私の世界を変えることはできない)」の精神を完璧に視覚化しているんです。

周りの世界がどれほど暴力的に崩壊し、狂気に満ちていても、音楽を聴き自分の内面(宇宙)と繋がっている彼女の精神は、決して傷つけられることはないという「不条理への静かな抵抗」を表現しています。

この曲は、映画『カラー・オブ・ハート(原題:Pleasantville)1998年公開』の主題歌として制作されたため、もっとも確実に入手できるのはサントラ盤です。


② The Beatles - While My Guitar Gently Weeps(オリジナル曲)

続いて紹介する曲は、「While My Guitar Gently Weeps」です。まずは、ビートルズのオリジナル曲から聴いてみましょう。

「While My Guitar Gently Weeps」は、1968年発売の2枚組アルバム『ザ・ビートルズ』(通称:ホワイト・アルバム)に収録された、ジョージ・ハリスン作詞・作曲の楽曲です。哀愁を帯びたメロディと情熱的なギタープレイが特徴で、ジョージの代表曲として高く評価されています。

この曲は、当時のバンド内の不和や無関心、愛の欠如に対する憂いを「ギターがむせび泣く」という比喩で表現しています。その印象的なリードギターをジョージの親友である、名ギタリストのエリック・クラプトンが担当しています。

クラプトンは当時、人気絶頂のブルース・ロックバンド「クリーム」で圧倒的な存在感を放っていました。そんな伝説的なギタリストが、この曲ではイントロのフレーズから曲の終盤のフェードアウトに至るまで、文字通り「ギターがむせび泣く(Gently Weeps)」ような、ビブラートを効かせた叙情的なプレイを展開しています。

② Santana - While My Guitar Gently Weeps(カバー曲)

カルロス・サンタナ(Santana)と言えば、ローリング・ストーン誌の「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」でも常に上位にランクインする世界的なギタリストです。そのサンタナが、同じく名ギタリストのクラプトンが手掛けた歴史的名フレーズにどのように対抗するか?これが一番の聴きどころです。

そもそも、このカバー曲に参加しているメンバーを見ただけでも、「サンタナは本気なんだ」ということが分かります。

ボーカルには、グラミー賞受賞のR&B/ソウル歌手のインディア・アリー(India.Arie)が参加しています。彼女のハスキーで温かみのあるボーカルが、曲に深いソウルフルなエモーションを与えています。

さらには、世界的なチェリストのヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)も参加しています。クラシックの気品漂うチェロの音色がイントロやバッキングに加わり、楽曲の持つ「泣き」の要素をさらに増幅させています。ヨーヨー・マまで連れてきたら、サンタナは本気だぞって感じしますよね。

曲の始まりはまさかのアコースティックサウンドです。(※アコースティックの要素を取り入れたハイブリッドなエレキギターの「ニットノギター」を使用しています。)ヨーヨー・マのチェロとサンタナのギターが、まるで対話(コール&レスポンス)するように美しく絡み合います。

原曲ではエリック・クラプトンがレスポールで「泣き」を表現したことで有名ですが、サンタナはアコースティックなサステイン(音の伸び)の効いた官能的なトーンでこれを再解釈しました。

そしてソロはやっぱりエレキサウンドです。サンタナの代名詞である「PRS Santana」がうなります。※「PRS Santana」とは、PRS(Paul Reed Smith / ポール・リード・スミス)のカスタムメイド・シグネチャーモデルのエレキギターです。

この曲は、アコースティックな質感から始まり、徐々に熱を帯びていくドラマチックな構成になっています。原曲への敬意を払いつつも、ラテン・ロックのパッション溢れるギターソロを展開した素晴らしいカバー曲になっています。

この楽曲は、2010年にリリースされたロックの名曲カバー・アルバム『ギター・ヘヴン〜グレイテスト・ギター・ヒーロー・オール・タイム(Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time)』に収録され、先行シングルとして発表されました。

いかがだったでしょうか?今回紹介したカバー曲は楽しんでいただけたでしょうか?

ビートルズはコアなファンがたくさんいらっしゃるので、正直、ビートルズを語るのは不安だったんですよね…でも、今回紹介した2曲は素晴らしい楽曲なので、気に入っていただけたら何度も聴いてみてくださいね。

最後に来月1日公開予定の『植物×アート』の最新記事を告知させてください。


『植物×アート』の次回予告

2026年7月1日公開予定

次回の『植物×アート』は、フランスの画家アンリ・ルソー(Henri Rousseau, 1844–1910)が描いたジャングルシリーズを特集します。

取り上げる作品は、ルソーのジャングルシリーズの代表作《突風に驚く虎(熱帯嵐のなかの虎)》《蛇使いの女》《夢》の3点です。

上:《夢》 左:《突風に驚く虎(熱帯嵐のなかの虎)》 右:《蛇使いの女》

ルソーはね…いつかは『植物×アート』で特集しないといけないなと思っていたのですが、ルソーほど解説するのが難しい画家はいないんですよ。

なぜなら、ルソーは絶望的に絵がヘタだからなんです…

本当は絵が上手いけど、わざとヘタに描いている、いわゆる「ヘタウマ」とは違うんです。

ルソーは本当に絵がヘタなんです!

でもね…後世の画家たちに与えた影響は大きいので、ルソーを外すわけにはいかないんですよね。

一応、私は学芸員資格を持っているので、来月公開予定の本編では、ルソーは絵がヘタとは書けずに、オブラートに包んでお伝えしているのですが、もう絵がヘタすぎて、何の植物が描かれているか分からないんですよ!!

だから、植物とアートをテーマにしたこの企画で記事を書くのは本当に大変でした。

しかもね。ルソーは訳の分からない嘘をつくことがあるんですよ。

ルソー自身は生前、若い頃にメキシコへ従軍した際に熱帯の「ジャングルに行ったことがある」と周囲に語っていたんです。これが嘘だったんです。彼の従軍記録には海外派遣のデータが存在しないことが判明して、この嘘はすぐにバレました。そもそも、ルソーは生涯、一度もフランスから出国したことがないのですから。

それでは、どうやってルソーは見たことのないジャングルの絵を描いたのでしょうか?

それが、次回の『【植物×アート】#12 ルソーが描いた20世紀最高のフェイク・ジャングル』の大きなテーマになっています。次回も、どうぞお楽しみに。


━━この記事を書いた人━━
植物の情報サイト『ラブリープランツ』及び、noteブログ『lovely plants@note』の管理人。美大卒・学芸員資格保有者が【植物×アート】をテーマに、植物の魅力を新たな視点から読み解く物語をお届けします。

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