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「もう頑張らなくていい」と心が決めるとき「静かな退職」を心理から考える



「静かな退職」という言葉があります。

会社を辞めるわけではありません。

出勤する。
仕事もする。
言われたこともこなす。

けれど、

それ以上は頑張らない。

新しいことには手を挙げない。
会社のために何かを変えようとも思わない。

一見すると普通に働いているように見えるため、周囲からは気づかれにくい。

しかし、その人の心の中では何が起きているのでしょうか。

私たちは「静かな退職」を、単純に「やる気がなくなった人」と考えてはいけないと思っています。

その背景には、

心が自分自身を守ろうとしている状態

が隠れていることがあるからです。

最初から「やる気がなかった」とは限らない

考えてみてください。

本当に会社に何の期待もしていない人は、最初から傷つくことも少ないはずです。

むしろ、

「会社を良くしたい」

「もっと仕事を覚えたい」

「上司に認めてもらいたい」

「仲間の役に立ちたい」

そんな気持ちを持っていた人ほど、期待が裏切られ続けることで疲れてしまうことがあります。

提案しても聞いてもらえない。

頑張っても評価されない。

困っていると伝えても何も変わらない。

理不尽なことがあっても我慢するしかない。

それが何度も繰り返される。

すると人は、あることを学んでしまいます。

「何を言っても変わらない」

という感覚です。

「どうせ言っても無駄」が増えていないでしょうか

職場で、

「昔からこうだから」

「言っても無駄やで」

「余計なこと言わん方がいい」

「頑張っても一緒」

そんな言葉が増えていないでしょうか。

これは単なる愚痴として片づけられない場合があります。

人は、自分の行動によって状況を変えられるという感覚を失うと、次第に行動そのものを控えるようになることがあります。

意見を言わなくなる。

挑戦しなくなる。

改善提案をしなくなる。

必要以上に人と関わらなくなる。

つまり、

「期待しなければ、傷つかなくて済む」

という方向へ心が動いていくことがあります。

外から見ると「やる気がない」。

しかし本人の中では、

これ以上傷つかないための心の防御

になっている可能性があります。

「無関心」は最後に現れることがある

怒っている社員を見ると、

「不満が多い人だな」

と思うかもしれません。

しかし、まだ会社に期待しているから怒っている場合もあります。

「もっと良くしてほしい」

「ちゃんと見てほしい」

「分かってほしい」

という気持ちが残っているからです。

むしろ注意したいのは、

何も言わなくなったときです。

「もういいです」

「別にどっちでもいいです」

「言われた通りにします」

そうなったとき、会社への期待そのものが小さくなっている可能性があります。

怒りの反対側にあるのは、必ずしも満足ではありません。

無関心になっていることもある。

これは組織にとって、とても重要なサインだと考えています。

「もっとやる気を出せ」は逆効果になることもある

そんな社員に、

「最近やる気がないぞ」

「もっと積極的になれ」

「若いころの自分はもっと働いた」

と言ったらどうなるでしょうか。

本人がすでに疲れていたり、諦めを感じていたりする場合には、さらに心を閉ざしてしまうかもしれません。

必要なのは、最初から指導することではなく、

「何があったのだろう」

と考えることではないでしょうか。

「最近どう?」

「困っていることはない?」

「仕事でしんどいところは?」

そして大切なのは、聞いた後です。

話を聞いたのに何も変わらない。

相談したことで不利益を受ける。

話した内容が職場中に広がる。

そんな経験をすれば、次から社員は話してくれません。

「話しても大丈夫だった」

という小さな経験を積み重ねることが、心理的な安心につながります。

上司には話せないこともある

ここで難しい問題があります。

どれだけ良い上司であっても、上司だからこそ話せないことがあります。

評価される相手だからです。

「こんなことを言ったら評価が下がるのではないか」

「弱い人間だと思われるのではないか」

「部署に居づらくならないか」

そんな心配があれば、本当の気持ちを話すことは簡単ではありません。

だからこそ、

会社の中だけで相談を完結させない仕組み

にも意味があります。

利害関係から少し離れた人に話せる。

評価を気にせず相談できる。

まずは解決策を押しつけられず、話を聞いてもらえる。

それだけで心が整理されることもあります。

これが、EAPや外部相談窓口、カウンセリングなどを企業が持つ意味の一つだと私たちは考えています。

「話を聞く」は、問題を解決することとは違う

相談されたとき、私たちはつい答えを出そうとします。

「こうしたらいい」

「気にしすぎや」

「もっと前向きに考えよう」

善意から出る言葉でも、本人が求めているものとは違うことがあります。

人にはまず、

「自分の気持ちを分かってもらえた」

という感覚が必要なときがあります。

答えを出す前に聞く。

評価する前に聞く。

否定する前に聞く。

その人自身が自分の気持ちを整理できるように支える。

カウンセリングにおける「傾聴」は、単に黙って話を聞くことではありません。

その人が安心して自分の気持ちを言葉にできる場所をつくること。

そこに大きな意味があります。

実は「管理職」にも同じことが起きる

そして、これは一般社員だけの問題ではありません。

管理職にも「静かな退職」は起こり得ます。

上からは数字を求められる。

下からは働き方やコミュニケーションへの配慮を求められる。

ハラスメントにも気をつけなければならない。

若手を育てなければならない。

辞めさせてもいけない。

自分自身の仕事もある。

それでも、

「管理職なんだから頑張って当然」

と思われてしまう。

誰にも弱音を吐けず、一人で抱え込んでいる管理職もいるのではないでしょうか。

だからケイネクシアでは、

「支える人も、支えられる仕組み」

が必要だと考えています。

心の問題と、会社の問題を切り離さない

社員がしんどくなったとき、

「本人のメンタルが弱いから」

だけで終わらせてはいけません。

一方で、

「全部会社が悪い」

と決めつけることも適切ではありません。

本人の状態。

人間関係。

仕事内容。

上司とのコミュニケーション。

評価制度。

職場風土。

家庭や生活上の問題。

さまざまな要因が重なっている可能性があります。

だからこそ私たちは、

「人」と「組織」の両方を見ること

が大切だと考えています。

「辞めたい」と言われる前にできることがある

社員から、

「退職します」

と言われて初めて慌てて面談する。

給与を上げる。

配置転換を提案する。

引き止める。

もちろん、それが必要な場合もあります。

でも、そのずっと前に小さなサインが出ていたかもしれません。

口数が減った。

笑わなくなった。

会議で発言しなくなった。

以前ならやっていたことをやらなくなった。

「どうでもいい」という言葉が増えた。

大切なのは、

退職という結果を見ることではなく、その前に起きている変化を見ること。

そして、

「最近、何かあった?」

と声をかけられる組織であることです。

ケイネクシアがつくりたい「話せる場所」

私たち株式会社ケイネクシアが目指しているのは、

単に悩みを聞くだけの相談窓口ではありません。

社員が話せる。

管理職も話せる。

経営者も話せる。

そして、そこで見えてきた課題を、守秘やプライバシーに十分配慮しながら組織改善につなげていく。

人を変えるのではなく、人が安心して働ける環境を一緒につくる。

そんな支援を目指しています。

人は、安心できる場所ではじめて本当のことを話せることがあります。

本当のことを話せれば、自分の気持ちに気づくことができる。

気づくことができれば、次の一歩を考えられる。

だから私たちは、

「聴くこと」から始めたい。

心が人を動かす。人が会社を動かす。

「静かな退職」は、本人だけの問題ではありません。

そして会社だけの問題でもありません。

大切なのは、

「この人の心の中で、今何が起きているのだろう」

と考えることです。

人には、それぞれ事情があります。

言葉にならない気持ちもあります。

表面だけを見て、

「やる気がない」

「最近の若い人は」

「管理職なんだから」

と決めつけない。

まず、その人を見る。

そして、その人の声を聴く。

そこから組織づくりを始める。

私たちケイネクシアは、

心が人を動かす。
人が会社を動かす。

という考え方を大切にしています。

会社を変える最初の一歩は、大きな制度改革ではなく、

目の前にいる一人の声を、きちんと聴くことなのかもしれません。



株式会社ケイネクシア

心が人を動かす。人が会社を動かす。

心・経営・テクノロジーで、
人と組織の未来を支える。

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