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kataneya
待つ #毎週ショートショートnote 【ときどき東照宮】
「おやじさん、残念だったな」
「ありがとうございます。まあ、親父とは喧嘩ばかりでしたから」
部下の酒井は父が急逝し葬儀のために田舎へ帰っていた。今日から出社してきたところだ。普段気の強い酒井の顔が少し虚ろに感じ仕事終わりに呑みに誘った。
「仲悪かったのか?」
「東京へ出てくること自体に反対してましたしね。まあ昔から出来がいい方じゃないし、親父の言うことなんて一つも聞かなかったです。けど……」
「けど? なんだ?」
「妹夫婦が親父と一緒に住んでるんですが、親父がいつでも俺が帰ってこれるよう畑は縮小しないって、俺、農業はしないって言ってるのに」
「ずっと待っててくれてたってことか?」
「きっとあいつは帰るはずだって、辛抱して待ってやってくれと妹たちに」
「課長」
「ん?」
「いまさら遅いっすよね」
「……遅くなんかないさ。ときどきでいい、親父さんの畑に帰って土にふれてこい。そうすれば本当はどうしたいかわかるさ」
「はい、お帰り~、今日は何にする?」店主の常連らしき客にかける声が響く。自分もしばらく帰ってないなと実家の母親の顔を浮かべた。
完 460文字
田原にかさんの毎週ショートショートnote今週の裏お題「ときどき東照宮」まったくお題に沿っていませんが、鳴くまで待とうの大権現をおやじさんに置き換え書いてみました。
父、息子の話ですが青豆ノノ先生のこの作品
こちらは父娘のお話ですがこれに感じ入り、なんかそういうの書きたくなって書いてみました。家族もの、実は長めのを現在執筆中なのですがはたして完成するかどうかわからんのです。ノノちゃんはいつもどおりいい味だしてます。たまには毎ショも書いてよ……
