もう遺憾砲も撃てないのかーロシアが占守島で軍事記念施設の開設式典
千島列島の占守島で8月18日、ロシアによる軍事記念施設の開設式が行われ、プーチン大統領は「愛国教育に役立つ」と述べました。
占守島の戦いは、旧ソ連軍による満州侵攻にともなう作戦のひとつで、8月15日の終戦の日の3日後にソ連軍が上陸作戦を開始しました。敗戦を受け入れ武装解除をした国に戦勝国が侵略することは国際法違反です。
ソ連軍が占守島に上陸したとの報を受け、第5方面軍司令官の樋口季一郎中将は、第91師団に「断乎、反撃に転じ、ソ連軍を撃滅すべし」と指令。日本軍の猛反撃によりソ連側の死者は3000人を超え(日本側は600人から800人とも)、その損害の大きさのため、ソ連による北海道上陸は阻止されました。この戦いがなければ北海道は侵略されていた可能性が高く、ソ連にとっては手痛い反撃であったことは確かでしょう。
しかし、戦後80年ロシアのプーチン大統領は、占守島での勝利を極東戦線における決定的勝利と評価し、軍事記念施設の設置を指示し、その開設の式典が上陸作戦を実行した8月18日に行われました。式典には、ロシアの同盟国のベラルーシや中国など国内外から約600人が参加したとのことです。

プーチン大統領は、ビデオメッセージで「我が軍の迅速な行動は日本の降伏を避けられないものとし、中国や朝鮮、東南アジア諸国の人々を支配の脅威から守るうえで重要な役割を果たした」と強調し、「先代の偉業は常に模範であり、歴史の継承と愛国教育に役立つ」と述べました。サハリン州当局は、今後も展示内容を充実させる方針です。
日本では新聞、テレビなどで淡々とこの事実が述べられていましたが、政府、政治家はこのことに対して何のメッセージも発しないのでしょうか。
北海道ではロシアによって北方領土で軍事訓練をされ、領空侵犯され・・と様々なこれ見よがしの実力行使をされていますが、北海道知事、国会議員含め、抗議の声を上げた姿を見たことがありません。
戦後長らく占守島は無人島となっていましたが、今回ロシアが構造物の設置を行ったりした背景に、ウクライナ戦争で日本が完全にロシアと敵対関係に入ったためとも言われています。ロシアの非道な行いに対して我が国として毅然たる態度を示す必要があったにしろ、「ウクライナを支援する」ということが前面に出ている一方で、日本における北方領土の問題や日本の権益の主張はどこに行ったのでしょうか。
3年前の令和4年2月24日にロシアがウクライナを侵攻した時に、日本にも訴えてしかるべき不法占拠、北方領土について、私は在ロシア札幌領事館前で、日本の北方領土について、またそこでこれ見よがしにロシアが行う軍事訓練に対して抗議活動を行いました。ウクライナに同情する前に、日本人は自分の国を忘れておりませんか。
今回占守島で旧日本軍の兵士として戦いを経験した高橋昇一さんがNHKの取材で発言している中で、ロシアの今回の記念碑設置に強い憤りを示し、
「もってのほかだと思うよ。博物館を建てるということは。」
「自分たちの有利になるように利用すると思う。」
「あくまでも我々が悪人になると思うよ。」「絶対に反対だ。」
遺憾砲もほとんど意味がないとはいえ、口を閉ざしていていいのでしょうか。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20250819/7000078074.html
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