プーチン大統領択捉島電撃訪問、予兆は事前にあり、日本は舐められていただけ
令和8年8月13日、プーチン大統領が北方領土・択捉島(ロシア名:イトゥルップ島)を初めて公式訪問したことが、ロシア側発表と複数の報道で確認されています。 これは「電撃訪問」と報じられ、終戦の日(8月15日)直前のタイミングで実施されました。
訪問の内容としては、プーチン大統領はサハリン州訪問後、択捉島に入り、水産加工施設(イクラなどの試食を含む)、病院、学校を視察し、地元住民と交流。サハリン州のリマレンコ知事も同行。前日の12日にはサハリンで太平洋艦隊の演習を視察し、「北方領土は第二次世界大戦の結果として国際文書で確定している」との認識を示していました。
ロシア国家元首による北方領土訪問は、平成22年(2010年)のメドベージェフ大統領(当時、国後島)以来で2人目。プーチン氏自身は大統領・首相時代を通じて初となります。
予兆は既にあった
今回「電撃」と報道されていますが、いったい日本のマスコミは真面目に取材してきているのでしょうか。そもそも13年ぶりにサハリン州に訪問と言う時点でウクライナなどでは「前線から逃げ出した」と揶揄しながらも何か違う動きをしていることが予見される行動であり、この数日前から、大型航空機用タラップが、予定外の旅客便で択捉島に届けられたり、Tu-204-300型機が択捉島へ向かっている等、今迄にない動きが散見されていました。
そして、前日の12日はプーチン大統領は、サハリンで太平洋艦隊の演習を視察とありますが、昨年の令和7年にはロシア太平洋艦隊は千島列島に順々に寄港しており、占守島の戦いが行われた8月18日には、ロシアによる軍事記念施設の開設式が行われています。既に昨年の段階で着々と布石が打たれているのに何が「電撃」なのでしょうか。
戦勝80周年ということでロシアの太平洋艦隊が千島列島に寄港してます。
— 本間奈々 なの花会代表、和歌山ブルーリボンの会会長 (@nana0504) September 11, 2025
ちなみに択捉島は、真珠湾攻撃の攻撃部隊が出発した場所でもあります。
ロシア太平洋艦隊の艦艇が択捉島と国後島を訪問 軍事愛国キャンペーン「真実の力–2025」 https://t.co/lO1CcnS7YX
北方領土返還運動や墓参関係など年に数回しか北方領土について取り上げないマスコミは今回ついに総本山がお出ましとばかりに、日本の危機的な外交上の失点を喧伝していますが、これまでロシアが北方領土において軍事訓練を行い、中国と観光ツアーを組んだり、スポーツの世界大会を行ったり、毎日のように実効支配を深めていることを一つとして報道することなかった不誠実を日本人はもっと深刻に捉えるべきです。
私は北海道にいますので、根室で空が真っ赤に染まるほどの軍事訓練がされたといった証言を聞くことがありましたし、根室から毎日北方領土のロシア側の情報を詳細にアップしている「北方領土特急便」を眺めていましたので、日本側の一般の認識と北方領土におけるロシア側の実効支配の深度があまりにかけ離れているように感じていました。
全く報道しない日本のマスコミと、動かない北海道内の議員・知事や国会議員たち。紋別アイヌがロシアのプーチン大統領に保護を求める手紙についても、全く報道されていませんが、これは国益を棄損する行為なのではないでしょうか。
紋別アイヌの畠山敏さん、プーチン大統領に、知床半島含めて、占領してというに近い文書を送る。
— 本間奈々 なの花会代表、和歌山ブルーリボンの会会長 (@nana0504) January 16, 2024
北海道が危ない。#アイヌ #プーチン大統領 https://t.co/nV0CbtZL39 pic.twitter.com/9PqLCNx87Z
日本政府は強い反発というが・・
日本政府として、高市早苗首相は即座に強く反発し、抗議を表明。
「本日13日、プーチン・ロシア大統領が択捉島を訪問したという報告を受けました。強く抗議をいたします。北方領土は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であります。ロシアの現職の大統領による今般の択捉島訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相容れません。また、日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて許容できません。…今回の訪問は、日本国内の対露感情を一層厳しくし、中長期的な関係回復を困難にしたと言わざるを得ません」と述べました。
続いて茂木敏充外相は「択捉島を含む北方四島は、歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であり、日本国として今回の訪問について強く抗議する」とX(旧Twitter)などで表明。ロシアのノズドレフ駐日大使を外務省に呼び出し、直接抗議しています。
その他にも千島歯舞諸島居住者連盟関係者などから「許しがたい」「とうとう行ったか、言葉が出ない」との強い憤りの声が上がり、米国務省は「米政府は北方領土に対する日本の主権を長年にわたり認めてきた」「インド太平洋の平和と安定を損なおうとするいかなる行動にも強く反対する」とのコメントを発表。ウクライナ外相も非難しています。
今回のプーチン大統領の択捉訪問の背景として、ウクライナ侵攻が長期化する中で、ロシア側の国内向けアピールや、対露制裁を続ける日本へのけん制・実効支配の誇示が狙いとみられていますが、その前提に日本のこれまでの弱腰外交、中国や韓国・北朝鮮に対して日本がほとんど口先で吠える以外何もしないことを見て取られ、ロシアが日本を舐めていることは明確でしょう。
左派などからは、ウクライナに全面支援をしてロシアを完全に敵にすればこういう状況となることは結果が見えていたはず、という指摘があり、私も当時日本側の主張として北方領土を国際社会に訴えることはほとんどせずに、他人様のウクライナに全面寄りしている姿、日本に軸足がないことは非常に問題と思っていましたが、ここまで来たならば、日本は徹底的にロシアと対峙すべきと考えます。
プーチン大統領が択捉島を電撃訪問した。高市首相がそのことに抗議するのは当然としても、ウクライナ戦争で単純にウクライナを支援してロシアを敵視すれば、北方領土問題を日ロ間で交渉することができなくなり、こうなることは日本政府は予想できた筈だ。政府の対応を最も悔やんでいたのは安倍さんだ。
— 鳩山友紀夫(由紀夫)Yukio Hatoyama (@hatoyamayukio) August 13, 2026
ウクライナ戦争によって疲弊しているロシアが自滅していくことは、日本にとって奇貨でもあります。これまでの支援を行えば領土が返るという「経済協力先行」の甘い幻想を完全に捨て、従来の懇願型外交と決別すべきです。
自民党の鈴木宗男・貴子親子が、「冷静に」と議論を押さえこもうとしていますが、これまでの鈴木宗男のロシアとの関係が日本の国益に資してきたとは到底思われません。自民党の親中派が日本に妥協させ国益を損っているのと同じく、ロシアに対して日本のやってきた歩み寄りの結果が結局はこんな程度のものだったといい加減目を覚ます時だと思います。
「四島の主権確認なき平和条約も経済協力も存在しない」という原則を再認識し、対等な外交へ舵を切ることが肝要です。戦後の不法占拠の経緯と我が国の歴史的正当性を世界へ強力に訴え、国際世論の正しい理解を味方につける戦略的発信が不可欠であり、また対ロシアに対して連帯できる国との共同も必要となるでしょう。
そして、国民が忘れてしまっていた、この深刻な北方領土の問題を今一度再認識する時であり、もう、これ以上の譲歩の余裕は1ミリもありません。
