パウル・クレーかわいい王決定戦2025大会【静岡市美術館】
愛知・兵庫を巡回し、先日8月3日まで静岡市美術館で開催されていた「パウル・クレー 創造をめぐる星座」展にギリギリで行ってきた。静岡市美術館は初めて!あんな街の中なんですね。
クレーだけでなく同時代の青騎士/キュビズム/シュルレアリスム/バウハウス画家の作品も多く、タイトルの通りクレーの画業の概形をさらっとさらえる感じの構成でした。詳しい内容はさておき、今回もとりあえず勝手かつ投げやりな、かわいいだけをまとめて行きます。
↑ミロ展の時も開催した、かわいい王決定戦。クレーといえば、なかなかの背景や思考がもりもりの複雑な絵ばかりですが、とりあえずかわいいものはかわいい!と言って勝手にランキングをつけてしまう大会。

東京・京橋のアーティゾン美術館より
かわいいクレーの殿堂入り
クレー財団と日本の有数のクレー作品が集まる今回の回顧展で優勝は一体どの絵なのか。日本にあとどれだけのクレー作品があるのかはあんまり知らないけれど、全国大会と言っても良いのではないでしょうか。ミロの場合はキャラクター単位でかわいいと言えたけれど、今回は色とか全体の雰囲気とかを総括した審査基準を設けます。
果たしてアーティゾン美術館の可愛い代表《双子》に敵う作品は現れるのか!ベスト5の発表
⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩⇩
第5位 羊飼い 1929 アーティゾン美術館
パウル・クレー『羊飼い』1929年 アーティゾン美術館 pic.twitter.com/BUhuiKa8Pe
— 美術ファン@世界の名画 (@bijutsufan) February 12, 2022
東京のかわいいクレー代表といえばの《双子》ですが、その所蔵館であるアーティゾン美術館からのランクイン。見たことあったっけこれ?と思い、他のアーティゾンが持っているクレー作品もみたら結構どれもかわいいので、もしかしたら狙って収集しているのかも??福音書にある狼に身をさらす「よき羊飼い」に因んだものと考えられるこの絵、クレーらしい線型のデフォルメとはっきりと描かれるハートがかわいい。複雑な色のもやのような背景で不気味にもなってしまいそうな画面なのになぜかかわいく感じるのがすごい。今回の展示ではミロの絵画から並びで展示されてあったけど、影響されたところがあるのだろうか。夢の中のような表現や、顔とかもちょっとミロ感があるかも。羊飼いのポーズもイェーイと楽しそうで好き。
第4位 最後の静物画
1940 パウル・クレー・センター

クレーが晩年描いて没後発見された32点の無題の静物画の一つ。クレーの表現の集大成とも言える絵なので、彼らしいかわいいも盛りだくさん。天使シリーズ(まだ醜い天使)に散りばめられた花とポット類、「イェイ」と言っている自信ありげな石膏?静物の鮮やかな色彩に対して背景が黒なのが、意味ありげで重たい雰囲気を醸し出しつつも、左上隅に顔を出す太陽も結局可愛い。絵全体の雰囲気は不思議な感じになっている。個別のかわいさを集計したポイントが高い作品。
第3位 周辺に 1930 バーゼル美術館

一見可愛いより、おしゃれとかかっこいいとか、もしかしたら悲しいとか儚いとか、、、別の感想を持つ方もいるかもしれないのですが、個人的にクレーの20〜30年くらいで深海を描いたような、古びた記憶のような世界観が大好きなのでランクイン。おしゃれかわいいという感じかも。上辺にたたずむ鳥も右下の目のような植物もおしゃれ。散りばめられた文字や記号もあり、難しい雰囲気もありつつもかわいさもある。もちろん太陽を取り囲んでいるの描き方もオシャレで見応えあり。ミロと比べてもクレーのかわいいはとても幅が広くて楽しい。
第2位 愉快な面 (バウハウス展のための絵葉書)
1948 宇都宮美術館

これはどストレート!流石にカメラが動いた人も多いのではないでしょうか。クレーもコミカルとキュートさを狙ったでしょう、ど真ん中のかわいいをみせる不思議な4人のお友達。黄色背景もビタっとハマっている。可愛さレベルとしては、アーティゾンの《双子》と同じクラスだし、可愛さの系統も似ている。日本にはかなり良いかわいいクレー作品が集まっているのかもしれない!因みにこの4人の名前は左からピカ、チカ、キラ、グルです(勝手)。
そして、クレーかわいい王決定戦2025
王者は、、、
👑 女の館 👑 1921 愛知県美術館

人によっては全然1位じゃない、意外かもしれないけれどどうでしょう!けれど先ほども触れたクレーの深海ワールド全開の絵だし、舞台のカーテンが今開かれるところのような絵というのもワクワクする。醸し出される雰囲気も混みで一番刺さりました。座・高円寺の公演がはじまりそう、宮沢賢治みたいな謎擬音多めの文を添えて絵本にしたい。カーテンを開ける女の人?も形がデフォルメされつつも、長いドレスを着て、ゆら〜っとした優雅な動きに見えて素敵。濃くて深すぎる青に、赤と白と薄緑の木々、周りは五線譜のように並ぶ星空のような街。単純な形で構成されつつも、深海度にグラデーションがあってどこまでも広がっていそうな奥行きを見せてくれるところと、舞台と街の境界線が曖昧なところもとても好き。クレーが描くこういう木々とか建物とか、メルヘンチックな夜の街が一番大好き。彼のベースにある詩的世界が一番素直に描かれている気がします。小さい子供も喜びそうだし、こんな素敵かわいい絵はクレーの世界にしかないでしょう!というポイントも含め、《女の館》が1位でした。

《蛾の踊り》 愛知県美術館
こちらは、さすがにかっこいい儚さ
深い背景を持つクレーの絵は、結構人によってどの時代が好きか分かれる画家だと思う。なすにきびは深海/夜ワールドが特に好きとはいえ、今回のランキング付けは難航したし、気分によって全然変わりそうです。キャラ一体一体に注目したり、もっとカラフルなもの、など条件次第で色々ランキングが変わってくるので皆さんも作ってみると面白いと思います。

かわいいクレー万歳!
おわり
続き↓
他の記事もぜひ↓
いいなと思ったら応援しよう!
偏った美術愛ですが、面白いなと思っていただけたら、いいねフォローなどよろしくお願いします。大変はしゃぎます。