【6】アラスカでオーロラ見るだけで人生変わったらどうしてくれるんだ
●夜のアンカレッジは危険か?
誰も歩いていない街外れの雪道をサクサクと
小気味よく音を立てながら歩き、アンカレッジ
鉄道の駅舎近くの坂を登ると、アンカレッジの
ダウンタウンに入る。まず目に入ったのが
ヒルトンホテルだった。
ヒルトンホテル ——正式には「ヒルトン
アンカレッジ」——は市街で3番目の高さで
かなり目立つ。
ダウンタウンのはずれで、夜になると灯りが
少ないアラスカ鉄道駅方面からこのホテルを
見上げると、その背の高さとライトアップ
された外壁の「Hilton」の文字が浮かび、
さらに建物の上には電波塔の赤色灯が
一定のリズムで点滅を繰り返している。
その具合がまるでベタな悪の拠点のように
見える。
「なんかラスボスとかいそうな雰囲気
じゃない?」
またつまらない小ボケを無意識で妻に
かましてしまう。しかしテンションが
上がっている妻はちょっと笑ってくれた。
そしてまだ慣れない冷たい外気に盛大に
むせこんだので、僕はむせこんで笑うほど
ツボったのかと嬉しく思ったが、どうやら
冷気に喉がびっくりしただけだったよう
なので、僕の上がった口角はすぐ元に戻った。

ダウンタウンは、体感ではあるが6~7
ブロック四方ほどに主要な施設が建ち、
かなりコンパクトにまとまっている。
アンカレッジ最大のショッピングモールで
ある5thアベニューモールやアンカレッジ
博物館は、冬でも時間をつぶせる貴重な
スポットだ。
ダウンタウンのこのエリアは、夜間でも
多少の人通りはあり、ちらほらある飲食店を
覗くと、わりとどこも賑わっていた。

日本でもアラスカでも、寒い日に暖かい
ところで美味しいものやお酒を飲んで
和やかに仲間と過ごしているひとときは、
赤の他人が側から見てもザラつきがちな
心を優しくほぐす作用があるのは変わらない。
ただ、建物の影や駐車場用のスペースなどは
暗く、やや怖い印象がした。
のちに在アンカレジ出張駐在官事務所の
治安・安全情報のサイトと、一般社団法人
日本海外ツアーオペレーター協会 のウェブ
サイトで確認してみると、怖い雰囲気を
感じたエリアはどんぴしゃりで掲載されている
地点で流石に驚いた。
※以下、日本海外ツアーオペレータ協会の
サイトから掲載。
◆治安の悪い地域 (ダウンタウン)4番街Dストリートより東、及び6番街 ピープルムーバー(バスターミナル)周辺には夜遅い時間には立ち入らない方が良い。(酔っ払いが多い)

よく、「この辺りは空気が違う」と言う人が
いる。今までピンときた事がなかったが、
これがそういうことか!と、アンカレッジの
ダウンタウンで感じた。
治安の悪い地域として掲載されているのは
ざっくり言うと5thアベニューモール付近
なのだが、確かに飲食店の前で、おそらく
酔っ払っているであろう数人のグループが
「次どうする〜?」みたいな雰囲気を出して
たむろしていた。この人たちが酔っ払って
いるかどうかは、お酒を飲める年齢になり、
大学や社会人の飲み会を経験したことが
ある人なら基本的に備えているスキルで
判別できるはずだ。日本もアラスカも
一緒だ。しかし、この集団は特に気に
しないで素通りして大丈夫だろう。
22時の新宿3丁目を2軒目、3軒目を
探す集団をかわして歩くのと変わりない。
結論:中心地のお店以外はほとんど人がいない


次回 ●油断してたらちょっと怖かった話inアンカレッジ
